のぶおの部屋 -第15回 エルドラージ(後編)-

斉藤 伸夫

斉藤 伸夫

斉藤【前回】はデッキ構造について解説していただきました。続く今回は、エルドラージの弱点やサイドボーディングなど、プレイ中のテクニックについて教えていただきたいと思います。景山 広樹さん、菊池 雄大さん今回もよろしくお願いします」

景山・菊池「はい。後編もよろしくお願いします!」


景山 広樹「エルドラージ」
Eternal Festival Tokyo 2016(トップ4)

4 《魂の洞窟》
1 《カラカス》
4 《古えの墳墓》
4 《エルドラージの寺院》
3 《不毛の大地》
4 《裏切り者の都》
4 《ウギンの目》
3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地 (27)-

4 《果てしなきもの》
4 《エルドラージのミミック》
4 《作り変えるもの》
4 《難題の予見者》
4 《現実を砕くもの》
4 《忘却蒔き》
1 《終末を招くもの》
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー (26)-
2 《歪める嘆き》
4 《虚空の杯》
1 《梅澤の十手》

-呪文 (7)-
4 《アメジストのとげ》
4 《虚空の力線》
2 《四肢切断》
2 《全ては塵》
2 《漸増爆弾》
1 《梅澤の十手》

-サイドボード (15)-
hareruya

■ 弱点・やられて嫌なことは?

斉藤「エルドラージにとって、やられたら嫌なことや弱点などを教えてください」

景山「大きく分けると、以下の4点になります」

◆ エルドラージの弱点

1. 不毛の大地
2. ヘイトカード
3. リソース破壊、アドバンテージカード
4. 《虚空の杯》《アメジストのとげ》が効かないコンボ

不毛の大地

景山とにかく2マナランドを割られるのが辛いです。ドロー操作がないため、土地をしっかり引けるとは限らないデッキだからです」

斉藤「エルドラージと対峙した場合、土地を割るときの優先順位はあるのでしょうか?」

景山「優先的に割るべきカードは《エルドラージの寺院》《古えの墳墓》で、次点に《ウギンの目》《魂の洞窟》でしょう。《ウギンの目》の優先度が低いのは、《ウギンの目》によるマナ加速は大抵出された時点で仕事をしていますし、伝説の土地であるため、2枚目が手札で腐っている可能性があるからです」

景山《ウギンの目》の能力を起動させないように、《古えの墳墓》を狙う方が良いと思います。また《裏切り者の都》は他の土地を壊すことで、エルドラージの土地基盤を責めることができます。こうした理由から、《不毛の大地》を再利用してくる土地単のようなデッキは絶望的に相性が悪いです」

2. ヘイトカード

罠の橋基本に帰れ血染めの月

景山《罠の橋》《基本に帰れ》《血染めの月》のような置き物は、無色というデッキの性質上割りにくく、苦手としています。エルドラージ側も《漸増爆弾》で対応しますが、カウンターが3つ乗るまでに《真髄の針》で指定されたり、割られたりすることもあるため、完璧な対応は難しいです」

斉藤「置き物は色がないデッキだと干渉しづらいですからね。他に苦手なスペルなどはありますか?」

灰からの再興発展の代価

 

景山「スペルとしては《灰からの再興》《発展の代価》が挙げられます。特殊地形を並べることによってデッキの力を発揮しますが、それが負けに直結するスペルのため苦手ですね」

3. リソース破壊、アドバンテージカード

トーラックへの賛歌石鍛冶の神秘家悪意の大梟

景山「一例ですが、《トーラックへの賛歌》《石鍛冶の神秘家》《ちらつき鬼火》《悪意の大梟》などを連打されると、アド差で負けてしまいます」

景山《トーラックへの賛歌》はハンドにある重いスペルが抜けても、土地が抜けてもきついです。《石鍛冶の神秘家》は2マナと軽い上に、《四肢切断》《難題の予見者》がない場合には《殴打頭蓋》の着地を許してしまいます。4/4絆魂はクリーチャーのサイズでビートするエルドラージにとってはとても厳しい生物です。《ちらつき鬼火》《果てしなきもの》を除去したり、《虚空の杯》のカウンターを0にされてしまうことによってせっかく抑えつけていた除去スペルが有効札になってしまうからです」

ゴブリンの放火砲死体発掘自然の秩序

景山《意志の力》を持たないデッキなので、ベルチャーのような早いコンボや2マナのスペルで《グリセルブランド》を釣り上げられる動きを苦手とします」

斉藤《虚空の杯》『X=1』が間に合わなかったり、引っかからないアクションは負けに直結しますね。《アメジストのとげ》が効かないコンボデッキとはどのようなものがあるのでしょうか?」

景山「アルーレン、エルフ、食物連鎖のような生物コンボには干渉する手段が乏しく、あっさり負けてしまうこともしばしばです」

■ 各主要デッキに対するサイドボーディング

斉藤「それでは、各主要なアーキタイプへのサイドチェンジの考え方を教えてください」

菊池「具体的なサイドボードプランをあげていきましょう」

・対 奇跡コントロール

対 奇跡コントロール


サイドアウト(先手)

作り変えるもの 作り変えるもの 作り変えるもの 作り変えるもの
果てしなきもの 果てしなきもの 梅澤の十手 不毛の大地


サイドアウト(後手)

エルドラージのミミック エルドラージのミミック エルドラージのミミック エルドラージのミミック
果てしなきもの 果てしなきもの 梅澤の十手 不毛の大地


サイドイン

アメジストのとげ アメジストのとげ アメジストのとげ アメジストのとげ
漸増爆弾 漸増爆弾
全ては塵 全ては塵

菊池「まず第一に《終末》で1 : 2交換をとられないように、複数体の展開は抑えてケアします。また、先手のときは《エルドラージのミミック》を残すことがありますが、後手番はかなり多めに抜くようにしてます」

斉藤「確かに、《エルドラージのミミック》は横にでてくる生物によって力を発揮する生物なので、《終末》の良い的になってしまいますからね。サイドインは《漸増爆弾》《全ては塵》のようなパーマネント対策が多めですね」

菊池「はい。《血染めの月》《基本に帰れ》《罠の橋》《僧院の導師》と、エルドラージが苦手としているカードが3マナに寄っているため、《漸増爆弾》に関しては出せるときに出して3まで貯めています」

斉藤「もしも《精神を刻む者、ジェイス》でマウントを取られそうなタイミングでも、すぐ4にして《精神を刻む者、ジェイス》も落とせるので、低いマナ域よりも優先してカウンターを貯めておくのも大事なアクションですね。ただ、貯めてしまうことで《天使への願い》《僧院の導師》のトークンは除去できなくなってしまいますが、これについては問題ないのでしょうか?」

菊池《僧院の導師》は本体をすぐ落とせば脅威になりにくいです。《天使への願い》に対しては《歪める嘆き》《全ては塵》で対応しています。《アメジストのとげ》を複数枚貼るアクションも、《天使への願い》がなかなかプレイできなくなったり、《僧院の導師》の果敢をさせる回数が減る上に、こちらのアクションも通しやすくなります」

斉藤《果てしなきもの》も多めにサイドアウトするのですね」

景山「コントロールデッキ相手にバニラが弱く、こちらの妨害要素である《虚空の杯》に対する相手の《仕組まれた爆薬》『X=0』で一緒に流されてしまうことも多いので、減らすことにしています」

・対 エルドラージ同型

対 エルドラージ


サイドアウト(先手)

虚空の杯 虚空の杯 虚空の杯 虚空の杯
歪める嘆き


サイドアウト(後手)

虚空の杯 虚空の杯 虚空の杯 虚空の杯
カラカス


サイドイン

四肢切断 四肢切断
漸増爆弾 漸増爆弾
梅澤の十手

菊池「まずミラーということで1マナのスペルが入っていないため、《虚空の杯》を抜きますね」

斉藤「『X=2』で唱えても自分に障害がありますしね。ゲームプランとしてはどのようなものがあるのでしょうか?」

菊池先に《忘却蒔き》をキャストするのが目標です。《ウギンの目》を起動することで勝利に明確に近づくからです」

斉藤《絶え間ない飢餓、ウラモグ》の制圧力は決定的ですからね。除去をサイドインするのは自分が押しているときにも強力な上に、時間を稼ぐという意味でも役立ちそうですね」

菊池先手後手で考え方を切り替えるようにしています。《作り変えるもの》は、後手のときにチャンプブロックしてマナ加速を狙うこともあるほどです」

斉藤「土地を伸ばして《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を目指すのが大事になるとして、そのプランに対応できるプランはないのでしょうか?」

菊池「5/8と堅い《忘却蒔き》が着地することによってお互いかなり動きにくくはなりますが、それを打破することができるのが《梅澤の十手》ですね。ビート同型ですので先にカウンターを乗せてしまうことによって、いわゆる『十手ゲー』に持ち込めることになります」

・対 デス&タックス

対 デス&タックス


サイドアウト

果てしなきもの 果てしなきもの 果てしなきもの 果てしなきもの
虚空の杯 虚空の杯 虚空の杯


サイドイン

四肢切断 四肢切断
漸増爆弾 漸増爆弾
全ては塵 全ては塵
梅澤の十手

景山「初速で圧殺出来る強い手札の場合を除いて、基本的には長期戦を狙います。長期戦とは、つまり《忘却蒔き》を唱えることですね」

斉藤「このマッチは《忘却蒔き》で奪える土地もとても強力な能力を持つ土地が多いですよね」

景山「はい。マナが増えることはもちろん、盤面が有利になれば《リシャーダの港》《不毛の大地》は相手への妨害になります。また《カラカス》を奪うことができれば、相手や自分の伝説の生物を戻すことも可能になります」

斉藤《スレイベンの守護者、サリア》《異端聖戦士、サリア》の2種類が並ぶことによるパワー5の先制攻撃ブロッカーは、なかなか突破できないですからね。土地を縛ってくるデッキとのゲームは、土地の置き方も大事になってくるのでしょうか?」

景山「とても大事なことですね。よく考えながらセットランドはしています。例えば《リシャーダの港》がアクティブなら寝ても能力が有効な《ウギンの目》が強く、《不毛の大地》を置かれた場合には《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》からセットランドして、次のターンに《ウギンの目》を出して一瞬の加速を生かすこともしばしばです」

斉藤「手札に《ウギンの目》が複数枚来た場合には、《ウギンの目》《不毛の大地》を切ってもらうことを誘うように土地を置くこともありそうですね」

《実物提示教育》


サイドアウト(先手)

ヨーグモスの墳墓、アーボーグ 忘却蒔き
絶え間ない飢餓、ウラモグ 梅澤の十手


サイドアウト(後手)

ヨーグモスの墳墓、アーボーグ ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
絶え間ない飢餓、ウラモグ 梅澤の十手


サイドイン

アメジストのとげ アメジストのとげ アメジストのとげ アメジストのとげ

菊池「対《実物提示教育》やられる前にやるイメージです。妨害兼クロックの《難題の予見者》は、2ターン目に出せるなら出した方が良いです。《魂の洞窟》まで待ったり、《実物提示教育》の際に同時に出すことよりも優先すべきですね。カウンターされてから即コンボが揃ったら負けなので、相手の80-100%の動きは諦めます。そのため、基本的には揃わないことを信じて、《虚空の杯》《アメジストのとげ》でコンボを遅らせて、クリーチャー全力展開から速度勝負します」

斉藤《歪める嘆き》は優先的に構えるのですか?」

菊池「カウンターは構えられるときは構えたいですが、前述の通りカウンター込みで揃ったら負けなので、私は展開を優先します。とはいえ、《実物提示教育》を打たれたときも、投了しないで勝ちを考えることも大事です。

《全知》《引き裂かれし永劫、エムラクール》《難題の予見者》で対応
《引き裂かれし永劫、エムラクール》《カラカス》 or 《終末を招くもの》で対応
《全知》《狡猾な願い》からの《蟻の解き放ち》コンボ→《アメジストのとげ》で対応

と、ババ抜きになりますが解答はあります。そのため、《難題の予見者》でハンドを見ることはとても重要なのです」

斉藤《実物提示教育》はスニークショーとオムニショーに分かれやすいですが、これらの分類別に何か意識していることはあるのでしょうか?」

菊池「スニークの場合はコンボスピードが速いため、妨害を優先します。オムニショーの場合は妨害がなくても初速がとても速い手札ならスピード勝負を挑むことも多いです。《血染めの月》を見た場合は《漸増爆弾》を入れることになります」

斉藤「スピード勝負になったときに《実物提示教育》に合わせてクロックを出しつつ、《カラカス》で相手のファッティを戻す動きは強そうですね」

・対 ANT

対 ANT


サイドアウト

忘却蒔き 忘却蒔き 忘却蒔き 忘却蒔き
終末を招くもの 絶え間ない飢餓、ウラモグ
作り変えるもの
梅澤の十手
カラカス 魂の洞窟


サイドイン

アメジストのとげ アメジストのとげ アメジストのとげ アメジストのとげ
虚空の力線 虚空の力線 虚空の力線 虚空の力線
漸増爆弾 漸増爆弾

景山「このマッチはショーテルと違って、明確に肉より妨害です。《歪める嘆き》《虚空の杯》《アメジストのとげ》《虚空の杯》のどれかがないならマリガンします。2枚くらいは初手に欲しいですね」

斉藤「序盤はひたすら守りながら、負けない道を作ってからの攻めに切り替えるのですね」

景山《虚空の杯》を複数枚引いたり、《ウギンの目》セットから行く場合は、《虚空の杯》『X=0』もかなり有効です。妨害を用意できてから展開とカウンターの2択になったときは、基本的に展開を優先させています。私の考えでは、100点回りのコンボは負けでよいと考えているため、最悪をケアしません」

斉藤「やはり、1ターンでも早く勝つ準備をしてからカウンターを構えるという考えなのですね。メイン戦に限ってしまいますが、相手の『暴勇』《冥府の教示者》に対応して自分の《難題の予見者》《四肢切断》を打つことによってカードを引かせて勝っているシーンはとても印象深かったです」

・対 BG系

対 BG系


サイドアウト

虚空の杯 虚空の杯 虚空の杯 虚空の杯


サイドイン

四肢切断 四肢切断
全ては塵 全ては塵

菊池《タルモゴイフ》ベースのデッキには、土地を伸ばして《忘却蒔き》を出すことを考えてます。《不毛の大地》《トーラックへの賛歌》という場と手札の両面の妨害で攻めてくるので、セットランドの仕方が難しいです。盤面に《不毛の大地》があるのであれば1マナランド、1マナランド、《裏切り者の都》と置くのも《不毛の大地》耐性のある置き方です。しかし《トーラックへの賛歌》で手札から落とされてしまうと元も子もないので、2マナランドは出せるときに出すことが多くなるのも事実です」

斉藤《罰する火》《ヴェールのリリアナ》なども見かけるデッキタイプですが、《アメジストのとげ》は入らないのですね」

菊池《アメジストのとげ》はずっとテストしたのですが、採用しないほうが良いという結論になりました。リソースを奪ってくるデッキに生物や除去以外のカードを引きたくないということもあげられます」

斉藤「展開量で勝負するゲームになるのですね」

菊池《果てしなきもの》《タルモゴイフ》に対抗できるクリーチャーのため、とっておきたくもなるのですが、《エルドラージのミミック》がいないときには2ターン目に2/2で出すことも大事になります。展開量を増やし、《ヴェールのリリアナ》から他のクリーチャーを守ったり、《突然の衰微》を使わせることによって相手の展開への時間を稼いだりと、先出しが大事になることも多いです」

《秘密を掘り下げる者》


サイドアウト

忘却蒔き 忘却蒔き
絶え間ない飢餓、ウラモグ


サイドイン

四肢切断 四肢切断
梅澤の十手

景山「まず対デルバー戦は誰もが思うことでしょうが、ライフを大切にすることを意識します。後攻であれば、《古えの墳墓》《裏切り者の都》から《虚空の杯》を置くよりも、《エルドラージの寺院》《ウギンの目》から《エルドラージのミミック》《果てしなきもの》を展開することを優先します。後手1ターン目の《虚空の杯》はすべてのカウンターが当たる上に茶破壊がない場合でしか有効でなく、1ターン目に《古えの墳墓》《裏切り者の都》を置くことのデメリットの方が大きいからです」

斉藤「殴り合ってもダメージレースはエルドラージの方が速いことも多いですからね。《虚空の杯》《目くらまし》に突っ込ませないで生物を展開するということは、《目くらまし》はケアしない方針でしょうか?」

景山「はい。《目くらまし》をケアしないで展開するのを優先しています。ケアして出さないでいると、《不毛の大地》を喰らってさらに展開が遅くなります。逆に《目くらまし》を打たせることで相手の展開を遅らせたり、《不毛の大地》を切りにくくさせることができます。単純に《目くらまし》を持っていない場合もあるので、とにかく展開を優先します」

斉藤《四肢切断》をサイドインしているのは、最近《グルマグのアンコウ》が流行っているためでしょうか?」

景山「もちろんそのためです。しかし《グルマグのアンコウ》に対しての解答としては、《忘却蒔き》のほうが優秀です。《四肢切断》は4点払う (場合によっては6点払う) ことで、打ち消されなければ1 : 1交換できるというカードなので、リスクリターンがあまり良くないです」

斉藤「ライフを大事にしないといけないマッチで自分からリスクを負うことになりますからね。しかし、除去になる《漸増爆弾》はサイドインしないのですね」

景山《漸増爆弾》は、早いゲームになりやすいデルバー戦では遅すぎる上に、腐るリスクを許容できないのでいれません。打ち消しや茶破壊がない場合に限り、数ターン後に1 : 1交換するというカードだからです。ほとんどの場合、破壊したいものを破壊できずに唱え損になります。また、エルドラージでないスペルの2マナは、想像以上に重たいカードです」

斉藤《魂の洞窟》のおかげでカウンターされずに生物を展開できる分、相手の手札にカウンターが溜まりやすいので、スペルはカウンターの餌食になることが多いイメージですね」

景山「まさしくその通りで、肉と土地でダメージを先行することを意識します」

■ 細かいテクニックや初歩テクニック

斉藤初歩的なテクニックや細かい注意点などがあれば教えてください」

菊池「まず《不毛の大地》への認識が、他の《死儀礼のシャーマン》が入っているようなデッキとは全然違います。《不毛の大地》はめったに起動しません。お互い土地2枚とお互い土地5枚の場合を比較すると、エルドラージが勝つときは後者です。フラッドしたからといって相手の土地を壊すと、意外と自分の首を絞めることがあります」

斉藤本当に苦手な土地を割ることが目的と考えたほうがよさそうですね。土地の扱い方が慎重なデッキですが、他に土地を扱うとき気を遣っていることはあるのでしょうか?」

菊池「ライフがタイトな相手でない限り、《裏切り者の都》はギリギリまでセットしないようにしています。土地を伸ばしたいからですね。特に、1ターン目に《裏切り者の都》からの《虚空の杯》を決めるときは慎重にリスクリターンを考慮しています。また、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》は面白い土地で、《ウギンの目》からマナがでるようになったり、《古えの墳墓》のダメージを軽減、《忘却蒔き》から奪ったフェッチをマナに変える働きをするなど、多種多様な役割を果たします」

斉藤《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《エルドラージの寺院》と置かれて展開量が少なくても、油断するのは早いということですね。次に《ウギンの目》でまさかの6マナですからね。黒マナがたくさんでるので、《四肢切断》をペイライフなしで唱えたり、稀に《虚空の力線》なども素でプレイできたりする点も、忘れがちですが重要だと思います」

ウギンの目エルドラージの寺院作り変えるもの

景山「展開では、《ウギンの目》《エルドラージの寺院》から《作り変えるもの》を一気に2体出す動きが強力です。しかし実は見落としやすいこととして、《ウギンの目》《エルドラージの寺院》からの《作り変えるもの》では《目くらまし》をケアできていなかったり、他にも《ウギンの目》《魂の洞窟》からプレイされた《作り変えるもの》は打ち消せたりするので、対峙したときはエルドラージ側の土地を慎重に観察するべきですね」

斉藤《忘却蒔き》型を使われていますが、《忘却蒔き》絡みで重要なテクニックは何かありますか?」

菊池《忘却蒔き》は『探査』や《死儀礼のシャーマン》で追放した土地も奪えることも大事です。また、対奇跡コントロールでは、相手の《カラカス》を奪って《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を除去から逃がして再利用するのは楽しいですよ」

斉藤「奇跡コントロールを使っているとき、《虚空の杯》『X=1』を置かれた後に《虚空の杯》『X=0』でこちらの《仕組まれた爆薬》を封じられたこともありました。こうしてみると様々なテクニックに満ちたデッキでもあるんですね」

■ まとめ: エルドラージに興味がある人へ

斉藤「エルドラージに興味がある人、使う人に向けて一言アドバイスをお願いします」

景山「まず異なるフォーマットのプレイヤーのために。エルドラージは比較的安価で、他のデッキよりは簡単に回せて、しかも強いデッキです。初速のぶん回りだけで勝てるだけでなく、膠着した盤面を突破する力もあります。そして他のフォーマットをプレイしている人の場合は特に向いているデッキだと思います」

景山「リミテッドプレイヤーの例をあげるとすれば、盤面が有利か不利かを常に考えているでしょうし、コンバットが上手でしょうから、リミテッド的なコンバットが多発するこのデッキにうってつけです。また、自分のデッキに何が残っているかを考える力があればなお強いですね。2マナ土地がデッキに何枚残っているか。トップしたら強いファッティが何枚残っているか。確率を計算して、未来を予測する力はレガシープレイヤーよりもあると思います」

景山「逆に、レガシープレイヤーの場合でも経験の差を生かせます。相手の手札に何があるか。相手のデッキに何があり、どのプレイが裏目を引きやすいか。そういった相手依存の部分を予測できるのは、経験値あってこそだと思います。ですが知識、経験が浅い人でも、自分の右手に対する期待値を最大限に生かすプレイならやりやすいはずなので、レガシーに馴染みがない人にこそ、エルドラージをおすすめしたいです」

景山「これは『誰でも勝てる』から言うのではなく、レガシー外のプレイヤーの方が複雑な盤面、自分のデッキに眠ってるカードを予測する力を持っているからこそおすすめするわけです。エルドラージは《渦まく知識》がない分、初手と引いたカードがすべてです。しかし、アクセスしたカードを見て、デッキに何が多く眠っているかを数えることができます」

景山「スペルの種類はクリーチャー4×6と《虚空の杯》がほとんどで、 それらに加えて2マナ土地の枚数と1マナ土地の残り枚数を常に頭に入れておくと良いでしょう。引きムラはもちろんあるけれども、偏った引きをしたときでも『 使えるリソースで何ができるか』を考える。このデッキはフラッドに対する受けは強いので、 土地を引きすぎたときはロングゲームを意識すれば良いです」

景山『エルドラージは右手ゲー』とはよく言われることではありますが、全くの誤りだと思います。コンスタントに上位に残る人は存在するし、 なかなか結果がついてこない人もいる。その差はプレイングにあり、練度をあげるには環境を知ることと、確率を素早く処理することが求められると思っています」

景山「初速だけで倒せるマッチはそんなに多くないです。苦しいとき、むらっけが多いときにいかに勝つのかがカギなデッキです。自分の初手が最高ではないときは、裏目を捨てる。対戦相手が100点に近い動きをしたときは、どんな選択をしても大抵勝てません。なので苦しいときは、自分の動きに対して100点の解答は持っていないと割り切って考えて、思い切ってプレイしましょう」

斉藤「ありがとうございます。プレイの大事な考え方ですね。菊池さんはいかがでしょうか?」

菊池「エルドラージは2マナランドからの《虚空の杯》《難題の予見者》《現実を砕くもの》のパワーが飛び抜けて高いデッキです。それだけにどう構築してもある程度ぶん回ってしまうので、リストをコピーするにしても構築するにあたっても信頼できるリストかどうか見極めるのは難しく、リストの強さの信ぴょう性をかなり疑ってかからないといけないアーキタイプだと感じています」

菊池「構築する上では《難題の予見者》《現実を砕くもの》のパワーをどう生かしていくのか、《猿人の指導霊》などのマナ加速を使ってそれらの影響力の強い序盤で押し切るのか、どうしても膠着してしまう中盤以降のために《忘却蒔き》などを入れるのか……いずれにせよ、デッキの穴を埋めるためにどういうカードを採用するべきなのかがポイントです。自分にあった構築を探してみてください」

斉藤「エルドラージは簡単といわれがちなデッキですが、勝っているプレイヤーたちの練りこまれた考えがわかるインタビューを今回はありがとうございました!今後の活躍にも期待しています」

 ということで、チームエルドラージの景山さんと菊池さんでした。

 それでは、また第16回でお会いしましょう!

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