コマンダー塚本の統率者最前線!! Vol.44-バトルボンド、双頭の報酬-

塚本 樹詩

 コマンダー塚本こと、塚本です。

 6月は梅雨の到来もあって個人的には一年で一番嫌いな月なので、日々鬱々と過ごすことになりそうだなと思っていました。

『バトルボンド』Now on sale

 しかし、月頭に発売された『バトルボンド』のリストを見てみると、そんな気分が吹き飛ぶくらいのカードたちに圧倒され、その場で声をあげてしまいました! 自室でこんなに声を出してしまうのは、原稿書いていて行き詰まり、現実が嫌になり幼児退行してフローリングの上で嗚咽交じりに駄々をこねるときくらいなので、ビックリしましたね。

 来月で35にもなるオッサンが部屋で1人何をしているんだという全人類の誰一人として得しないような情報の後なので『バトルボンド』の情報は、より凄く見えることでしょう!

 それでは今回は『バトルボンド』特集ということで、いってみましょう!!

統率者戦に革命が来たぞおお!

雲海変遷の泉特別観覧室
尖塔の庭豪勢な大通り

 多人数戦においては、ほぼデメリットのない友好2色ランドがサイクルで登場! タップ状態で置かれてしまう状況=対戦相手がすでに何人かいなくなっていることなので、このデメリットもあってないようなものではないでしょうか!?

 このサイクルの登場により、序盤に2色確保したいアグロ寄りの統率者には特に嬉しい収穫なのではないでしょうか!? いや、でも序盤から高速で決めに行くようなコンボにも嬉しいし、結局は遅いデッキでも色マナが確保できる土地は嬉しいし……そう考えるとますます凄いサイクルなんですね!

共闘再び!

輝く炎のコルバス輝く槍のシルビア

 『統率者2016』で登場した「共闘」が少し姿を変えて出てきましたね! 今回は相方となるクリーチャーとのみペアで統率者に設定できますが、前回と違って「共闘」のペアとなっているクリーチャー同士、互いを強化するようにデザインされているので、2体とも召喚したくなるのが魅力的です!

 統率者領域にカードがあることで、元々疑似的に1枚手札が担保されている状態の統率者戦ですが、「共闘」はその1枚の枠の数が増やせるので単純に強い! この手数の多さを利用したデッキが組めると尚のこと良いので、「共闘」を使ってデッキを組む場合はそこんとこを意識してみましょう!

 そして例として選んだ《輝く炎のコルバス》《輝く槍のシルビア》のペアですが、どちらも攻撃な能力かつ、2体が揃ったら能力付き過ぎでもう滅茶苦茶!!

鏡の精体ヴェリズ・ヴェルの刃

 この2体の恩恵を最大限に受けるためにデッキには騎士やドラゴンをたくさん入れたいですね! 両方を満たせる「多相」クリーチャーや《ヴェリズ・ヴェルの刃》のように「多相」化させる呪文を入れて遊びたいですね!

微影のビルタズ豪胆のゴルム

 続いては《微影のビルタズ》《豪胆のゴルム》! たった3マナで対戦相手のライフをみるみる減らす《微影のビルタズ》と、ブロックを引き付ける《豪胆のゴルム》のコンビネーションがこれまたおもしろそうなペア! 黒緑の色の組み合わせであれば、半分以下に減らしたライフを詰めるのも難しくなさそうなので、序盤からゲームの主導権を握れて気持ちいいゲーム展開が楽しめそうですね!

暗黒の儀式魔力の墓所

 とにかく! マナ加速から1ターン目に《微影のビルタズ》が出せたら! 気持ちよくて!! 幼児退行してしまうかもしれません!!!!

倍増の季節

 また、統率者戦の大人気カード(?)である《倍増の季節》がカッコイイ絵柄で再録されている『バトルボンド』ですが、なんとカウンターを増やすカードが伝説のクリーチャーでも登場したのです!!! 全俺歓喜!!!!!

空想小僧、ピール空想の友人、トゥーシー

 《空想小僧、ピール》はトークンの数こそ倍にできないものの、パーマネントの上に置くカウンターの数は増やせます。《倍増の季節》には及びませんが、《硬化した鱗》のようなカードとは肩を並べられるので、カウンターをコンセプトとしたデッキがこれでより盤石になりましたね!

 相方である《空想の友人、トゥーシー》もリソースの補充に一役買ってくれそうなので、こちらも中々によいコンビですね!

サイクル無視のパワーカードたちが火を噴く! それが『バトルボンド』!

 『バトルボンド』は「共闘」だけじゃないのです! 各色には双頭巨人戦に留まらず統率者戦やレガシーといった様々なフォーマットに影響を与えるようなパワーカードがたくさん登場!

競技場の首長アカデミーの学長

 《アカデミーの学長》の効果で持ってこれるカードの種類がエンチャントからプレインズウォーカーに変わったのが《競技場の首長》 世間ではいち早く《解放された者、カーン》《精霊龍、ウギン》を出せるのが強い! と騒がれていましたが、《太陽の勇者、エルズペス》《死の宿敵、ソリン》とまだまだ他にも持ってきて強いプレインズウォーカーはいるので、状況にあわせて使い分けもできる素晴らしい1枚となっていますね!!

秘儀の職工

 《秘儀の職工》の起動型能力を使えば、わずか3マナで大型クリーチャーのコピートークンが生成できるチャンスがある可能性の獣!

千年霊薬調和の中心

 いくらタップ能力が強力とはいえ、召喚酔いが解けるまでのラグがあるので、《千年霊薬》《調和の中心》を使ってそのラグを減らせるとすぐに《秘儀の職工》の強さが味わえますね!

大いなる歪み、コジレック墨溜まりのリバイアサン

 生成したいコピートークンの候補としては、自衛手段のある《大いなる歪み、コジレック》のようなクリーチャーや、《墨溜まりのリバイアサン》のように相手から触られにくい能力を持ったタイプのクリーチャーがオススメです!

詐欺師の総督鏡割りのキキジキ

 単体で対処されにくい巨大なクリーチャーのコピートークンを生成するのも楽しいのですが、1回目の能力起動で《詐欺師の総督》のコピートークンを生成して《秘儀の職工》をアンタップ。そして、2回目の能力起動で《鏡割りのキキジキ》をのコピートークンを生成すれば無限トークン、無限ダメージでいきなり勝利! なんてこともできます!

呪文探求者

 ライブラリーからコスト2以下のインスタントかソーサリーなら何でもサーチできる凄いクリーチャー! 選択肢がありすぎてどれを持ってくればいいのか迷っちゃいますね!

一瞬の瞬き現実からの剥離

 《呪文探求者》でチクチクとアドバンテージを取れそうな《一瞬の瞬き》《現実からの剥離》を用意しておくと、特定の持ってきたいカードもなく、出しにくいという状況を回避できるようになります。

激浪の研究室森の占術

 一周回って《呪文探求者》をより使い倒すための《激浪の研究室》をサーチするための《森の占術》というパターンもアリではないでしょうか!?

閃光御霊の復讐

 《閃光》《御霊の復讐》のように、たった2マナとはいえ効果の最大値が高い呪文はたくさんあるので、とりあえず青かったら入りそうな《呪文探求者》は今回塚本イチオシのカードとなっています!

驚愕の逆転劇

 名は体を表す! と言わんばかりに劇的な逆転を演出してくれるカード! 何らかの理由で負けてしまうターンを回避して、大量の手札と来ないはずのターンまでくれるぶっ壊れカード!!!

悪魔の契約ネクロポーテンス

 この呪文を使ってから敗北の条件を満たすと代わりに7枚ドローできるので、《悪魔の契約》のようにテキストに敗北と書いてあるカードと組み合わせて使うか、《ネクロポーテンス》やあるいはコストの中にファイレクシア・マナを含むようなカードを使って、自発的に好きなタイミングでライフを減らせるカードと組み合わせて使うと、よりこのカードの恩恵を受けやすくなりますね。

作戦盗用

 対戦相手が3人いれば毎ターン疑似的に手札が3枚も増える! これだけでも強そうなのに、統率者戦では1枚積みのカードが追放されると「それだけでデッキの勝ち手段がなくなった!」なんてことにも稀に起きるので、5マナにしてはバリューの高いカードに見えますね! マナ加速に専念しすぎて息切れが怖い! というようなデッキでは救世主のような存在!

記憶の欠落予期せぬ不在

 《記憶の欠落》《予期せぬ不在》といったライブラリーの上にカードを置く呪文と組み合わせると、狙ったカードを使えますね!

武勇の場の執政官

 《エメリアの盾、イオナ》のようなロックを狙えるクリーチャー。ただし《エメリアの盾、イオナ》と異なり、指定するのは色でなくカードタイプとなっています!

 本体に加えて4体のコピートークンを作ることができればクリーチャー以外の呪文は全て封じることができるので、後は5/6飛行・警戒・トランプルというサイズで圧倒できそうですね!

幻影の像ファイレクシアの変形者

 クリーチャー以外の呪文が使えなくなることを考えると、コピーを作る手段は《幻影の像》《ファイレクシアの変形者》といったクリーチャーに絞るのが良さそうですね!


 と、こんな感じで双頭巨人戦に留まらず、他のフォーマットにまで影響のあるパワーカードだらけの『バトルボンド』。シングルでカードを揃えるのもいいですが、せっかくならパックを剥きながら友達と双頭巨人戦で遊ぶのも楽しそうでいいですよ! どれだけ楽しいのかはこの動画を見れば一目瞭然!!

 『バトルボンド』と同時に『Commander Anthology Volume II』も発売されているので、統率者戦ユーザーにとっては収穫の多い6月になりましたね!!

 次回には『基本セット2019』も発売されているので、またまたビッグな収穫があることを期待できそうですね! それでは今回はここまで! また次回よろしくお願いします!!

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