週刊デッキウォッチング vol.21 -道極めコントロール etc.-

伊藤 敦

伊藤 敦



 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。



 この連載は【晴れる屋のデッキ検索】から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。






■ スタンダード: 青赤コントロール



Yamazaki Takefumi「青赤コントロール」
平日スタンダード20時の部(3-0)

7 《島》
5 《山》
3 《シヴの浅瀬》
4 《天啓の神殿》
4 《急流の崖》
2 《神秘の僧院》
2 《光輝の泉》

-土地(27)-

1 《真珠湖の古きもの》

-クリーチャー(1)-
4 《焙り焼き》
2 《無効化》
4 《解消》
4 《神々の憤怒》
3 《宿命的火災》
1 《深海からの引き寄せ》
3 《ジェイスの創意》
1 《道極め》
1 《火山の幻視》
3 《時を越えた探索》
4 《危険な櫃》
2 《精霊龍、ウギン》

-呪文(32)-
4 《軽蔑的な一撃》
3 《否認》
2 《精神振り》
1 《嵐の神、ケラノス》
1 《予知するスフィンクス》
1 《霊気渦竜巻》
1 《焼き払い》
1 《パーフォロスの槌》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



道極め真珠湖の古きもの火山の幻視



 《真珠湖の古きもの》の能力は、起動にスタックして起動、さらにスタックして起動……と能力を重ねることで、3の倍数の土地を全て手札に戻すことができる。普段は除去をかわすために使用されることが多いこの能力だが、手札が一瞬で膨れ上がるという点を利用すれば、あらかじめマナを浮かせておいて、《道極め》の一撃で致死量のダメージを与えるといったことも可能となる。

 コントロールのフィニッシャーとして使用する場合、もちろん《真珠湖の古きもの》だけでもゲームに勝つことは十分可能だ。だがあえて《道極め》を使うのは、単なるゲームの勝利を超えた目的……自分だけのテクニックで勝利したいという、ローグの美学があるからだろう。

 その証拠に、このデッキには他にもいくつも特徴的なカードが採用されている。《宿命的火災》《英雄の破滅》の代用品ということになるのだろうが、《深海からの引き寄せ》《火山の幻視》の採用は非常に野心的だ。

 サイドボードの《精神振り》は対戦相手の予測を覆す強力なカウンターパンチとなる。またモダンでも活躍している《嵐の神、ケラノス》をサイドに採用できることは、青黒にはない青赤のメリットの1つと言えるだろう。


【「青赤コントロール」でデッキを検索】





■ モダン: シャーマン



Nakadai Keisuke「シャーマン」
平日モダン14時の部(3-0)

3 《森》
3 《山》
3 《踏み鳴らされる地》
4 《吹きさらしの荒野》
3 《銅線の地溝》
2 《火の灯る茂み》
1 《ペンデルヘイヴン》
1 《魂の洞窟》
1 《変わり谷》

-土地(21)-

4 《火飲みのサテュロス》
3 《炎族の先触れ》
4 《炎樹族の使者》
4 《低木林の旗騎士》
2 《狼骨のシャーマン》
2 《エルフの幻想家》
4 《憤怒の鍛冶工》
3 《炎樹族のシャーマン》
2 《永遠の証人》
1 《ゴーア族の暴行者》

-クリーチャー(29)-
4 《稲妻》
2 《アタルカの命令》
1 《暴走の先導》
3 《集合した中隊》

-呪文(10)-
2 《大爆発の魔道士》
2 《自然の要求》
2 《古えの遺恨》
2 《大祖始の遺産》
1 《難問の鎮め屋》
1 《ゴブリンの廃墟飛ばし》
1 《月の大魔術師》
1 《カメレオンの巨像》
1 《巨森の蔦》
1 《四肢切断》
1 《血染めの月》

-サイドボード(15)-
hareruya



憤怒の鍛冶工集合した中隊炎樹族のシャーマン



 レガシープレイヤーが新セットが出るたびに新しい実用的な「エルフ」や「マーフォーク」「ゴブリン」のクリーチャーがいないかチェックするのに対し、モダンのプレイヤーは新セットが出るたびに「シャーマン」をチェックする(私だけかもしれない)。

 《死儀礼のシャーマン》という最強の「シャーマン」を奪われてからというもの、「シャーマン」フリークたちは次々と強化されていく他のアーキタイプを横目で羨むだけの時期が続いていたが、《集合した中隊》は、他の様々なデッキと同様、「シャーマン」にとっても久しぶりの慈雨となった。《憤怒の鍛冶工》が2体飛び出すようなことがあれば、どんな貧弱な場からでもまくり目が出てくる。

 また、クリーチャーを横に広げるというデッキの性質上、《アタルカの命令》はこのデッキにとても噛み合っているように見える。このカードがあれば《狼骨のシャーマン》の「族系」で出てきたトークンさえも無駄になることはない。他にも《炎樹族のシャーマン》は、ナチュラルに《欠片の双子》デッキ対策になるグッドカードだ。

 サイドボードも《大爆発の魔道士》をはじめとして非常に強力な「シャーマン」が揃っている。このデッキがモダンの第一線に姿を現すのも、時間の問題かもしれない。


【「シャーマン」でデッキを検索】





■ レガシー: 青黒緑コントロール



Okada Takuma「青黒緑コントロール」
晴れる屋レガシー杯(4-0-1)

2 《島》
1 《森》
1 《沼》
3 《Tropical Island》
2 《Bayou》
2 《Underground Sea》
3 《霧深い雨林》
3 《汚染された三角州》
2 《新緑の地下墓地》
3 《忍び寄るタール坑》

-土地(22)-

4 《老練の探険者》
1 《ヴェンディリオン三人衆》

-クリーチャー(5)-
4 《陰謀団式療法》
4 《渦まく知識》
3 《思案》
3 《思考囲い》
2 《ギタクシア派の調査》
4 《突然の衰微》
2 《対抗呪文》
2 《毒の濁流》
2 《時を越えた探索》
2 《破滅的な行為》
3 《精神を刻む者、ジェイス》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《原初の狩人、ガラク》

-呪文(34)-
3 《Force of Will》
2 《強情なベイロス》
2 《外科的摘出》
2 《青霊破》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《無垢の血》
1 《払拭》
1 《根絶》
1 《ゴルガリの魔除け》
1 《水没》

-サイドボード(15)-
hareruya



老練の探険者精神を刻む者、ジェイス世界を目覚めさせる者、ニッサ



 Nic Fitといえば《老練の探険者》《陰謀団式療法》のシナジーを利用したボードコントロールデッキが想起されるが、はたしてここまでクリーチャーが少ないものをそう呼んでいいものか迷っている。

 しかし、ともあれこのデッキは【グランプリ・静岡15のサイドイベントでもトップ8に入賞】したほか、つい最近【グランプリ・千葉】のサイドイベントとして開催された【日本レガシー選手権】でもトップ8に入賞しており、その戦略がレガシー環境において有効であることは既に証明済だ。

 クリーチャーを出さないというだけでボードコントロールとしての性質に大差はない。ほぼノンクリーチャーとすることで、《毒の濁流》《破滅的な行為》といった全体除去を遠慮なく搭載できているのが強みだ。

 そして極めつけは豊富な妨害にバックアップされた、レガシー環境においては超強力なフィニッシャーといって差し支えないであろう《世界を目覚めさせる者、ニッサ》《忍び寄るタール坑》と合わせて、コントロールらしからぬ速度で対戦相手を撲殺できる。

 青をメインカラーとすることで、豊富な軽量ドローソースによる安定した展開はもちろん、サイドボードの《Force of Will》による瞬殺コンボ耐性も期待できる。新時代のNic Fitとして、要注目のデッキだ。


【「青黒緑コントロール」でデッキを検索】






 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、是非色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!


【晴れる屋でデッキを検索する】



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