コマンダー塚本の統率者最前線!! vol.47 -友に寄せて-

塚本 樹詩

 みなさん、こんばんは! コマンダー塚本こと、塚本です!!

 最近個人的なトピックとして、とても嬉しい出来事がありました。それはあの”まつがん”の『基本セット2019』環境名人戦優勝!

伊藤 敦

 使っていたデッキの内容やプレイングの上手さはもちろん、あの大会を見て再確認したのは、やはりまつがんの試合中の所作は良いなということ。

 あの日は実際に決勝ラウンドから晴れる屋のフィーチャー席に張り付いて観戦したのですが、まつがんの所作を見ているうちに気がついたら試合が終わっていたので、あと100試合くらい続かないかな? と思っていました!

練達飛行機械職人、サイ

 そして、試合を見ているうちにもう一つ思ったのが《練達飛行機械職人、サイ》というカードの恐ろしいまでの強さ。マナコストが軽くタフネスもそこそこあり伝説のクリ―チャーであるので、「もしかして統率者戦でもいけるのでは?」と思うように!

 というわけで、今回はまつがんリスペクトの念を込めて《練達飛行機械職人、サイ》の統率者デッキを組むに至りました!!

※編注:本記事をご覧になる前に、『基本セット2019』環境名人戦でまつがん(伊藤 敦)さんが使用されていたこちらのデッキリストをご覧いただくとよりお楽しみいただけるかと思います。

らしさを残すために。

 《練達飛行機械職人、サイ》を使ってデッキを組むにあたって、アーティファクトをデッキにたくさん採用することになりそうです。

ウェザーライトの艦長、ジョイラアーカム・ダグソン

 しかし、統率者戦の世界には《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》《アーカム・ダグソン》といったアーティファクトデッキのスペシャリストとも言える存在がすでにいるので、0マナのアーティファクトを連打してガチャガチャしたり、高コストで強力な《パラドックス装置》のようなカードを高速で設置するようなコンセプトだとちょっと新鮮味に欠けると思いました。

 なので、まつがんのデッキのキーカードである《鼓舞する彫像》《霊気貯蔵器》に焦点を当てつつも、統率者戦のカードプール内で《練達飛行機械職人、サイ》と相性の良いカードを探して採用するという方針にすることにしました!

鼓舞する彫像

 《練達飛行機械職人、サイ》《鼓舞する彫像》を組み合わせ、大量に生成された飛行機械・トークンを「即席」のコストに当てるということがコンセプトの一つになりそうなので、まずは「即席」できたら強そうなカードを探していくことに。

暗記+記憶時のらせん

 試合を見ていて、枯渇したリソースを一気に復活させることができる《記憶》が特に強いなと思ったので、これに加えて《時のらせん》のような7枚ドロー系の呪文をできるだけ採用していきましょう。

主任技師前兆の時計ミラディン人のスパイ

 トークン大量生成からの「即席」が強いデッキの流れになるということは、《主任技師》による「召集」の付与や《前兆の時計》でマナアーティファクトをアンタップしまくる動きも強そうですね。

 《ミラディン人のスパイ》のような相性の良いカードもあるので、これらのカード群を使ってアーティファクト呪文を同一ターンに連打すれば《霊気貯蔵器》の回復量も担保できそう!

風見明神

 そして「即席」できる状況なら飛行機械・トークンの数も相当なものになっているだろうという想定の下に《風見明神》を採用! このカードに辿り着ければそのまま勝ちに繋がるくらいドローさせてくれるでしょう!!

運命のきずな旗印

 また、まつがんのデッキでは飛行機械・トークンを並べて戦闘ダメージで勝つという動きもあったので《運命のきずな》のような追加ターンを得る呪文と組み合わせてダメージを稼ぐ動きをデッキに組み込みました。追加ターン呪文もコストの高いものが多いので、ここでも「即席」が光りますね。

 打点を確保するカードとして《旗印》もぜひとも採用したい1枚です!

逆説的な結果エーテリウムの彫刻家師範の占い独楽

 また、まつがんのデッキの動きの中で忘れてはいけないのが《逆説的な結果》の存在です。アーティファクト呪文を連打できないと飛行機械・トークンの大量生成に繋がらないので、《エーテリウムの彫刻家》のようなカードも採用してアーティファクトの大量展開をサポートしていきます。

 また、これにより《師範の占い独楽》が0マナで唱えられるようになるので《未来予知》とのコンボで任意の回数ドローできるようになります! この動きに《練達飛行機械職人、サイ》を組み合わせると飛行機械・トークンも出る出る!!

統率者戦にまつがんをオーバー〇ウル!!

 《鼓舞する彫像》《霊気貯蔵器》《逆説的な結果》といったデッキのコンセプトとなるカードをフィーチャーしつつ統率者戦に適応できたので、次は100枚に収めるという作業に移行します!

 統率者戦のデッキは枚数が多く種類数も多いので、構築の段階で100枚以上になってしまい、何を削るのか考える作業に追われることが多いと思います。組み始めの段階では「これだ」と100枚きっちり決めず、ふんわりと100枚に収めて溢れたカードも一緒に持ち歩き、対戦毎にカードを入れ替えられる体制を作ると正解の構築に辿り着きやすいのでオススメです!!

 ということで、今回構築したデッキはこちら!!

  • コマンダー塚本の統率者最前線!! vol.47
記憶の壁水晶の破片

 「即席」を活かして《記憶の壁》で追加ターンの呪文を墓地から拾うギミックもデッキに組み込みました! さらに《記憶の壁》《水晶の破片》で手札に戻せばずっと俺のターンとなります!

 デッキの核となる《鼓舞する彫像》をサーチする手段として《Transmute Artifact》《作り直し》のようなサーチ呪文マシマシな構成に加えて《戦利品の魔道士》まで採用しており、これによって上述の《水晶の破片》もサーチすることができます。もしこの動きを特化させたい場合は《移ろいの門》まで採用してみるのもいいですね!!

ザルファーの魔道士、テフェリー防御の光網

 コンボを妨害から守る青の定番カード《ザルファーの魔道士、テフェリー》が今回も採用されていますが、加えて《練達飛行機械職人、サイ》と相性の良い《防御の光網》も採用しています!! このデッキではほとんど相手のターンに動くことがないので、このカードをコンボのスタートに使っても良し、先に設置してみても良しと使い勝手の良いカードになっています。

トロウケアの敷石アカデミーの廃墟ヴォルラスの要塞溶鉄の尖峰、ヴァラクートガイアの揺籃の地

 単色デッキは多色のデッキと比べて強いテキストを持った土地を採用しにくいという問題点があります。色事故に困らないというメリットにセットで付いてまわるこの問題点を解消すべく、単色デッキでは多色デッキに比べて特に土地のスロットには注意が必要となります。

 まつがんのデッキでは土地の総数18枚に対し、無色のマナしか生み出さないながらも別の役割を持った土地が5枚も採用されていた(《ザルファーの虚空》が4枚《発明博覧会》が1枚)のを見ると、その重要性が伝わりますね。

精霊龍の墓

 今回は《練達飛行機械職人、サイ》のデッキで特に活躍をみせるカードとして《精霊龍の墓》を採用しています! 《霊気貯蔵器》の起動コストを確保するために重宝するだけでなく、デッキが回り始めるまでの準備ターンの間のライフを確保してくれるので、序盤に引けたら嬉しいカードとなっています。

 大量に生成される飛行機械・トークンを使って様々な動きができる《練達飛行機械職人、サイ》のデッキ。統率者戦ではこんな風になりましたが、スタンリーガルの統率者なので、ブロールで組んでも楽しそうですね!!

 ということでサンプルレシピを公開!

金属製の巨像カーンの経時隔離

 まつがんのデッキに入っていたカードを全て加えるところからスタートして、軽量のアーティファクトを追加しています。打点の確保用に《金属製の巨像》《カーンの経時隔離》を採用していますが、飛行機械・トークン大量生成からの追加ターン+《機械化製法》で勝利を狙うアプローチも楽しそうですね! デッキの自由度も高く楽しい《練達飛行機械職人、サイ》の魅力は伝わりましたか?

 今回はここまでですが来月には新エキスパンションである『ラヴニカのギルド』の発売も控えており、次回は多色のデッキの紹介になりそうなので意図せず単色のデッキの紹介をタイミング良く行えてよかったです!!

 最後に、まつがん改めて環境名人おめでとう!

この記事内で掲載されたカード

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