週刊デッキウォッチング vol.27 -後見ライブラリーアウト etc.-

伊藤 敦

伊藤 敦


 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。



 この連載は【晴れる屋のデッキ検索】から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。






■ スタンダード: ライブラリー破壊



Andrew Cuneo「ライブラリー破壊」
プロツアー『マジック・オリジン』(6-4)

5 《山》
4 《島》
1 《血染めのぬかるみ》
1 《溢れかえる岸辺》
4 《天啓の神殿》
4 《シヴの浅瀬》
4 《急流の崖》
4 《光輝の泉》

-土地(27)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》

-クリーチャー(4)-
4 《マグマの洞察力》
4 《苦しめる声》
2 《眠りへの誘い》
1 《焙り焼き》
4 《神々の憤怒》
2 《圧倒的な波》
4 《宝船の巡航》
1 《時を越えた探索》
4 《スフィンクスの後見》
2 《クルフィックスの指図》
1 《アルハマレットの書庫》

-呪文(29)-
4 《否認》
3 《焦熱の衝動》
3 《テレパスの才能》
1 《反論》
1 《分散》
1 《大地の断裂》
1 《氷固め》
1 《トーモッドの墓所》

-サイドボード(15)-
hareruya



スフィンクスの後見マグマの洞察力アルハマレットの書庫



 無類のコントロール好きとして知られる”Gainsay”ことAndrew Cuneoが【プロツアー『マジック・オリジン』】に持ち込んだのは、何とスタンダード版のライブラリーアウトだった。

 鍵となるのは新時代の《石臼》こと《スフィンクスの後見》。自分がカードを引けば引くほどライブラリーが削れる速度が高まるこのカードは、毎ターンのドロー回数が増える《ヴリンの神童、ジェイス》《ケイラメトラの指図》といったカードはもちろん、《マグマの洞察力》《苦しめる声》《宝船の巡航》などの軽いマナで枚数が引けるドロースペルとも相性が抜群だ。

 さらに通常ドロー以外のドロー枚数が2倍になる《アルハマレットの書庫》まで設置すれば、対戦相手のライブラリーは一瞬で空になることだろう。

 サイドボードには青黒対策と思われる《テレパスの才能》などもとられており、『マジック・オリジン』尽くしとなっているこのデッキ。一風変わったデッキが使いたいという方はぜひお試しあれ。


【「ライブラリー破壊」でデッキを検索】





■ モダン: 親和



Satou Kenji「親和」
PPTQ2016#1 – 横浜西公会堂(トップ8)

1 《島》
3 《空僻地》
4 《墨蛾の生息地》
4 《ちらつき蛾の生息地》
4 《ダークスティールの城塞》

-土地(16)-

4 《羽ばたき飛行機械》
3 《メムナイト》
4 《電結の荒廃者》
3 《大霊堂のスカージ》
3 《鋼の監視者》
2 《搭載歩行機械》
2 《呪文滑り》
4 《刻まれた勇者》

-クリーチャー(25)-
3 《感電破》
4 《オパールのモックス》
2 《溶接の壺》
4 《バネ葉の太鼓》
4 《頭蓋囲い》
2 《ボーラスの工作員、テゼレット》

-呪文(19)-
3 《古えの遺恨》
2 《払拭》
2 《思考囲い》
2 《瞬間凍結》
2 《鞭打ち炎》
2 《一日のやり直し》
1 《頑固な否認》
1 《倦怠の宝珠》

-サイドボード(15)-
hareruya



搭載歩行機械ボーラスの工作員、テゼレット一日のやり直し



 【プロツアー『マジック・オリジン』】《搭載歩行機械》のカードパワーを知らしめる結果となったが、ならばモダンでも活躍の可能性があると考えるのは当然だろう。

 特に「親和」デッキにおいては、《電結の荒廃者》の「接合」や《鋼の監視者》で「+1/+1カウンター」を増やす手段があるのと、《電結の荒廃者》で能動的に生け贄に捧げることができるため、一瞬にして複数体の飛行機械トークンをバラまくことも可能だ。

 サイドボードには《一日のやり直し》も採用されており、リソースを削ってくるデッキ相手への切り札ともなりうる。

 『マジック・オリジン』がモダンにもたらした影響は決して小さくはない。9月に開催されるモダンの【ワールドマジックカップ予選】に備えて、最新デッキをチェックしておこう。


【「親和」でデッキを検索】





■ レガシー: 青黒赤ジャンク



Takashima Ryuuichi「青黒赤ジャンク」
平日レガシー14時の部(3-0)

1 《島》
1 《沼》
3 《Volcanic Island》
2 《Underground Sea》
1 《Badlands》
4 《汚染された三角州》
4 《沸騰する小湖》
2 《溢れかえる岸辺》

-土地(18)-

4 《死儀礼のシャーマン》
4 《若き紅蓮術士》
2 《悪意の大梟》
2 《瘡蓋族の狂戦士》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(14)-
4 《渦まく知識》
4 《稲妻》
4 《思案》
2 《ギタクシア派の調査》
2 《思考囲い》
2 《呪文貫き》
2 《陰謀団式療法》
1 《紅蓮破》
1 《対抗呪文》
1 《コラガンの命令》
3 《Force of Will》
2 《時を越えた探索》

-呪文(28)-
2 《紅蓮破》
2 《陰謀団式療法》
2 《Hymn to Tourach》
2 《終止》
2 《対抗呪文》
1 《真の名の宿敵》
1 《外科的摘出》
1 《Force of Will》
1 《真髄の針》
1 《大祖始の遺産》

-サイドボード(15)-
hareruya



瘡蓋族の狂戦士死儀礼のシャーマン若き紅蓮術士



 《ヴリンの神童、ジェイス》のほかにも、レガシーに影響を与えうる『マジック・オリジン』のカードは存在する。

 《瘡蓋族の狂戦士》がひとたび「高名」を達成すれば、対戦相手は《渦まく知識》すらもプレイしづらくなる。特にブロッカーのいない《実物提示教育》デッキ相手には《全知》からドロースペルを連打するパターンを牽制できるし、「奇跡」相手も相当なクロックとなるだろう。そのほか、ナチュラルな「ANT」対策にもなる。

 2/2速攻というサイズはスタンダードやモダンにおいては容易に攻撃が通るものではないが、青いデッキが隆盛するレガシーならば話は別だ。

 近い将来、《瘡蓋族の狂戦士》こそが構築フォーマットに置いて最も実用的な「高名」クリーチャーとして、名を馳せることになるかもしれない。


【「青黒赤ジャンク」でデッキを検索】






 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、是非色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!


【晴れる屋でデッキを検索する】



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