先週末はSCG Invitational ColumbusとSCG Premier IQ Columbus、そしてTCG Player Invitationalと充実した週末でしたね。
筆者もSCG Invitational Columbusに参加しましたが、初日落ちという残念な結果でした。来週参加予定のSCGO Indianapolis(スタンダード)ではもっと上を目指したいところです。
さて、今回の記事ではSCG Invitational Columbus、SCG Premier IQ Columbus、TCG Player Invitationalの結果を見ていきたいと思います。
SCG Invitational Columbus トップ8
~2011年度の全米チャンピオンが優勝!~
2015年6月7日
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1位 Naya Dragons/白赤緑ビートダウン
2位 GR Dragons/緑信心
3位 Abzan Megamorph/白黒緑コントロール
4位 Mardu Dragons/白黒赤ビートダウン
5位 GR Devotion/緑信心
6位 GR Devotion/緑信心
7位 GR Devotion/緑信心
8位 Esper Dragons/青黒コントロール
SCG Invitational Columbusはスタンダードとモダンの混成フォーマットで行われました。
プレイオフがモダンで行われたことと、上位に入賞した多くのプレイヤーはスイスラウンドのモダン部門で好成績を収めたプレイヤーが多かったので、スタンダード部門で6-1-1以上の成績を残したデッキを中心に見ていきたいと思います。
SCGO Invitational Columbus デッキ解説
「Naya Dragons」「Abzan Control」
5 《森》 2 《平地》 1 《山》 3 《吹きさらしの荒野》 2 《樹木茂る山麓》 4 《奔放の神殿》 4 《豊潤の神殿》 3 《精霊龍の安息地》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《爪鳴らしの神秘家》 4 《森の女人像》 2 《隠れたる龍殺し》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《囁きの森の精霊》 2 《歓楽の神、ゼナゴス》 3 《龍王ドロモカ》 3 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(30)- |
2 《勇敢な姿勢》 3 《歓楽者ゼナゴス》 1 《英雄の導師、アジャニ》 -呪文(6)- |
4 《ドロモカの命令》 3 《スズメバチの巣》 3 《見えざるものの熟達》 3 《双雷弾》 1 《高木の巨人》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
今大会見事に優勝を収めたAli Aintraziはスタンダード部門でも優秀な成績でプレイオフへの進出を果たしました。
《龍王アタルカ》と《龍王ドロモカ》の2種類のドラゴンをフィーチャーしたNayaカラーのミッドレンジで、クリーチャーだけでなくPWも採用しているため異なる角度から攻めることも可能です。
☆注目ポイント
過去のスタンダードのRG Monstersで見られた《歓楽の神、ゼナゴス》は飛行、トランプルを持つ《龍王アタルカ》との組み合わせが強力です。
白の大変異クリーチャーの《隠れたる龍殺し》はこのデッキにとって各種ドラゴンを初めとした大型クリーチャーに対する貴重な除去です。
Mono Redのような高速アグロとは相性があまりよくないため、サイドには《ドロモカの命令》が4枚、《スズメバチの巣》が3枚、小型クリーチャーをインスタントスピードで処理できる《双雷弾》が3枚採られています。
コントロールに対しても《見えざるものの熟達》が3枚投入されるためサイド後は有利が付きます。
2 《森》 2 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《疾病の神殿》 4 《静寂の神殿》 2 《コイロスの洞窟》 2 《ラノワールの荒原》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(25)- 4 《羊毛鬣のライオン》 3 《棲み家の防御者》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 1 《ドロモカの命令》 4 《アブザンの魔除け》 4 《英雄の破滅》 1 《骨読み》 1 《信者の沈黙》 2 《対立の終結》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(20)- |
3 《正義のうねり》 3 《悲哀まみれ》 2 《究極の価格》 1 《強迫》 1 《骨読み》 1 《信者の沈黙》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 1 《英雄の導師、アジャニ》 1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
今大会のスタンダード部門で6-1-1以上の優秀な成績を収めたJacob Geeoのリストは以前から存在するAbzan Controlに近い型でした。
最近主流となっている《死霧の猛禽》と《棲み家の防御者》のエンジンは不採用のようです。
☆注目ポイント
このリストで印象に残ったのは採用されている除去の種類です。《死霧の猛禽》と《棲み家の防御者》のエンジンに対抗すべく追放系除去の《信者の沈黙》がメインから採用されています。
マナがあれば一度に2体以上のクリーチャーを追放することが可能なためアドバンテージを取れて、授与クリーチャーを除去できるのも地味に嬉しいおまけです。
他のミッドレンジに強いことで増加傾向にある緑信心や《龍王オジュタイ》対策にスイーパーの《対立の終結》もメインから見られます。
サイドに採られている除去スペルの《正義のうねり》は対象に取れるのは赤か黒のクリーチャーのみですが、2マナと軽く、ライフゲインもできるのでMono Redなど高速アグロ対策になります。
《英雄の導師、アジャニ》、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》、《真面目な訪問者、ソリン》、《精霊龍、ウギン》の4種類のPWが採られており《英雄の破滅》が減少傾向にあるので追加の勝ち手段兼アドバンテージ獲得手段として活躍が期待できそうです。
SCG Premier IQ Columbus トップ8
~MOのストリーマーが個性的なMardu Aggroで優勝~
2015年6月7日
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1位 Mardu Aggro/白黒赤ビートダウン
2位 Esper Dragons/白青黒コントロール
3位 Abzan Control/白黒緑コントロール
4位 UB Control/青黒コントロール
5位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
6位 Mono Red/赤単
7位 Abzan Control/白黒緑コントロール
8位 GR Devotion/緑信心
Abzan Control、GR Devotion、Mono Red 、Esper Dragonsなど混沌としたメタの中優勝を収めたのはMarduカラーのアグロデッキでした。
Interview With Jeff Hoogland
Jeff HooglandはMOのストリーマーとしても精力的に活動しており、SCGOやSCG Invitationalでコンスタントに結果を残し続けている強豪プレイヤーです。
The Meaderyの著者でもあり、個性的なデッキを使うことで知られています。
今大会でも特徴的なMardu Aggroを持ち込み見事に優勝を収めました。
3 《山》 1 《沼》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《遊牧民の前哨地》 3 《凱旋の神殿》 2 《静寂の神殿》 4 《戦場の鍛冶場》 3 《コイロスの洞窟》 -土地(24)- 4 《僧院の速槍》 4 《道の探求者》 3 《魂火の大導師》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 -クリーチャー(15)- |
3 《乱撃斬》 4 《稲妻の一撃》 4 《はじける破滅》 2 《マルドゥの魔除け》 3 《かき立てる炎》 1 《残忍な切断》 4 《前哨地の包囲》 -呪文(21)- |
4 《思考囲い》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 2 《異端の輝き》 2 《神々の憤怒》 2 《対立の終結》 1 《龍語りのサルカン》 1 《静寂の神殿》 -サイドボード(15)- |
■ Mardu Aggroというデッキを使用した経緯
Jeff: 軽いクリーチャーやスペルが多く、それでいて打点も高い。そして中盤から終盤にかけて強いカードが多いからこのデッキを使うことにした。
--なるほど。確かに《僧院の速槍》から始まって軽い除去、火力も充実しているし、《前哨地の包囲》もあるから息切れし難くて中盤以降も強そうだね。
各デッキとのマッチアップは?相性のいいマッチや悪いマッチはある?
Jeff: コントロールとの相性は特にいいね。他のマッチも今のところ特にキツイマッチはなかったね。
■Abzan Megamorphとのマッチアップ
Jeff: 今大会2回当たったけど2回とも勝った。多くの場合、軽いクリーチャーで序盤からプレッシャーをかけられるから相性は悪くないと思うよ。
--《太陽の勇者、エルズペス》や《神々の憤怒》があるからサイド後はAbzan Megamorphに特に強そうだね。
Jeff: ああ、サイド後は特に有利だね。
--サイドからMardu Midrangeに変形するみたいだけど、どのマッチアップでサイドボードされるの?
Jeff: Heroic、Mono Red、UB Control以外のデッキとの殆どのマッチでサイドインした。
速攻デッキだと思って《悲哀まみれ》や 《胆汁病》のようなクリーチャー除去をサイドインしてきたプレイヤーにはPWが対処されにくいからね。
--今回は質問に答えてくれてありがとう。優勝おめでとう!次の大会も頑張って!
TCG Player Invitational トップ8
~SCG Invitational Columbusの裏番組的イベントは強豪揃い!~
2015年6月7日
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1位 GR Devotion/緑信心
2位 Esper Dragons/白青黒コントロール
3位 Mono Red/赤単
4位 GR Devotion/緑信心
5位 Abzan Midrange/白黒緑ビートダウン
6位 GR Devotion/緑信心
7位 Mardu Dragons/白黒赤ビートダウン
8位 UB Control/青黒コントロール
TCG Player.com主催の招待制イベント「TCG Player Invitational」がアメリカ、Las Vegasで開催されました。
TCG Player.com MaxPoint Seriesでの上位入賞者が参加権を得ることができるイベントです。
SCG Invitational Columbusと日程が重なっていたことや、あまり大きく宣伝されていなかったこともあり、参加者は100人程だったようですが、優勝者のChris FennellやPaulo Vitor Damo da Rosa、Adrian Sullivan、Owen Turtenwaldといったプロプレイヤーがこぞって参加していたため、プレイヤーの密度は非常に高い大会だったようです。
今大会には殿堂プレイヤーで日本人プロの中村修平選手も参加していました。
TCG Player Invitational デッキ解説
「GR Devotion」「UB Control」
10 《森》 1 《山》 4 《樹木茂る山麓》 4 《奔放の神殿》 1 《岩だらけの高地》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《爪鳴らしの神秘家》 4 《森の女人像》 3 《起源のハイドラ》 4 《クルフィックスの狩猟者》 3 《死霧の猛禽》 3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《囁きの森の精霊》 2 《女王スズメバチ》 3 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(34)- |
2 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(2)- |
3 《ナイレアの信奉者》 2 《スズメバチの巣》 2 《高木の巨人》 2 《垂直落下》 2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《棲み家の防御者》 1 《再利用の賢者》 1 《歓楽者ゼナゴス》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
多くのプロが参加していたことでレベルの高い大会となったTCG Player Invitationalで見事優勝を飾ったChris Fennellは緑信心を使用していました。
今大会で最も人気があったデッキだったようで、プレイオフに3名のプレイヤーを輩出しています。
☆注目ポイント
このデッキを使用する理由の一つに、Abzanを初めとした緑ミッドレンジに強いことが挙げられます。
《ニクスの祭殿、ニクソス》から出る大量のマナにバックアップされた《起源のハイドラ》、《女王スズメバチ》、《龍王アタルカ》といった高コストの強力なカードを対処しきることは困難でしょう。
特に《龍王アタルカ》はAbzan側の切り札である《太陽の勇者、エルズペス》に対する回答であり、このデッキの数少ない除去です。
カウンターと除去など軽いスペルで脅威を捌いていくことを得意とするEsper Dragonsは少し不利なマッチになりますが、《死霧の猛禽》やスイーパーに耐性を付ける《囁きの森の精霊》がアドバンテージ面でも非常に優秀です。
PWの《歓楽者ゼナゴス》やサイドの追加のPWである《世界を目覚めさせる者、ニッサ》といった、カウンター以外では対処しにくい脅威や、フィニッシャーのドラゴンを除去する《垂直落下》のおかげで特にサイド後は相性も改善されそうです。
3 《島》 3 《沼》 4 《汚染された三角州》 4 《陰鬱な僻地》 4 《欺瞞の神殿》 3 《疾病の神殿》 1 《啓蒙の神殿》 1 《華やかな宮殿》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 3 《光輝の泉》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
2 《胆汁病》 1 《否認》 4 《解消》 4 《英雄の破滅》 1 《雲散霧消》 2 《信者の沈黙》 2 《ジェイスの創意》 1 《霊気渦竜巻》 1 《命運の核心》 1 《龍王の大権》 1 《啓示の解読》 3 《時を越えた探索》 3 《危険な櫃》 4 《悪夢の織り手、アショク》 1 《リリアナ・ヴェス》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(33)- |
3 《悲哀まみれ》 2 《思考囲い》 2 《胆汁病》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《黄金牙、タシグル》 1 《真珠湖の古きもの》 1 《頭蓋書庫》 1 《否認》 1 《ファリカの療法》 1 《霊気渦竜巻》 -サイドボード(15)- |
コントロールを得意とし、プロツアー『タルキール龍紀伝』でもトップ8入賞を経験している強豪プレイヤーのAdrian Sullivanは今大会でもUB Controlで見事にプレイオフ進出を果たしています。
Esper Dragonsよりもコントロール要素が強く、メインは完全ノンクリーチャーなためドラゴンの恩恵は受けられず《シルムガルの嘲笑》や《忌呪の発動》といったカードは不採用です。
7枚採用されたPWが勝ち手段で、カウンターと除去を大量に積んでいるため今大会でも人気があった緑信心系のデッキに強いデッキです。
☆注目ポイント
ノンクリーチャーのメインボードは相手のクリーチャー除去を腐らせることで疑似的なアドバンテージを得られるのが強みです。
3種類のPWが特徴的で、特にメインから4枚採用されている《悪夢の織り手、アショク》は今大会の上位に多く見られた緑信心や最近復権してきているEsper Dragons、常に一定数存在するAbzan系とのマッチアップで強いPWです。
《雲散霧消》は打ち消したカードを追放するため《死霧の猛禽》が幅を利かせている現在のメタでは《解消》よりも優先して採用してもいいかもしれません。
追放系の除去、スイーパーの《信者の沈黙》と《危険な櫃》も現在のメタにフィットしています。
総括
3大会の結果から現在安定した成績を残しているのはGR DevotionとAbzan系で、GR Devotionに強いEsper Dragonsも復権してきています。
Magic Originsのリリースも近づき環境も終盤に向かっていますが、SCG Premier IQで優勝を収めたMardu Aggroのような新しいタイプのデッキが結果を残すなど、現在のスタンダードは絶えず変化を続けており、停滞とは程遠い環境と言えます。
以上USA Standard Express vol.48でした。次回の記事ではSCG 5K Premier IQ ChicagoとSCGO Indianapolisの結果をカバーしていく予定です。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php
『TCG Player.com』
TCG Player.com
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