USA Standard Express vol.49 -GP Providence etc.-

Kenta Hiroki

みなさんこんにちは!

新セットで最後の基本セットとなる『マジック・オリジン』のスポイラーが公開され始めました。クリーチャーからPWに変身する両面カードなどが確認できます。
毎年夏にリリースされる基本セットは環境を激変させる高いインパクトを持ったカードが刷られる傾向にあるので楽しみです。

さて、今回の記事ではGP ProvidenceSCGO Indianapolisの結果を見ていきたいと思います。



GP Providence トップ8
~Green DevotionがTCG Championshipに続いて優勝!~


2015年6月22日

Sky Mason


1位 GR Devotion/緑信心
2位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
3位 Bant Midrange/白青緑ビートダウン
4位 4C Reanimator/シディシウィップ
5位 RG Dragons/赤緑ビートダウン
6位 GR Devotion/緑信心
7位 5C Dragons/多色ビートダウン
8位 Abzan Midrange/白黒緑ビートダウン

参加者1000人弱と最近の北米のGPにしては小規模だったGP Providenceの上位はGreen DevotionやAbzan Midrange、GR Devotionなど緑のミッドレンジが幅を利かせていました。
優勝を収めたのはTCG Championshipを制したGreen Devotionで、今大会でも安定したパフォーマンスを見せています。


GP Providence デッキ解説

「GR Devotion」「4C Reanimator」「Abzan Midrange」



Sky Mason「GR Devotion」
GP Providence (1位)

11 《森》
1 《山》
4 《樹木茂る山麓》
4 《奔放の神殿》
3 《ニクスの祭殿、ニクソス》
1 《精霊龍の安息地》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《爪鳴らしの神秘家》
4 《起源のハイドラ》
3 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
4 《囁きの森の精霊》
3 《龍王アタルカ》
3 《女王スズメバチ》

-クリーチャー(32)-
2 《歓楽者ゼナゴス》
1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文(4)-
2 《スズメバチの巣》
2 《ナイレアの信奉者》
2 《高木の巨人》
2 《垂直落下》
2 《大地の断裂》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
2 《精霊龍、ウギン》
1 《歓楽者ゼナゴス》

-サイドボード(15)-
hareruya


TCG Championshipでも優勝を収めるなど安定した成績を残し続けているGreen Devotion。
《ニクスの祭殿、ニクソス》からのマナブーストによるパワーカードによって爆発力があると同時にロングゲームにも強く、高い人気を維持しているデッキの一つです。


ニクスの祭殿、ニクソス精霊龍、ウギン世界を目覚めさせる者、ニッサ



☆注目ポイント


緑デッキには当たり前のように採用されている《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》は不採用で《起源のハイドラ》《女王スズメバチ》が増量され、PWの《世界を目覚めさせる者、ニッサ》《精霊龍、ウギン》までもメインから採用されるなど、全体的に重めの構成でカードパワーが重視されています。

特に《精霊龍、ウギン》はカバレージのインタビューでも最高のカードと評されていました。先に展開した側が有利になりやすい傾向にあるミラーマッチでは強力なリセットボタンとして働きます。
《世界を目覚めさせる者、ニッサ》によって4/4トランプルのクリーチャーとなった土地は《精霊龍、ウギン》の「-X」能力で流れないので、相手の盤面を平らにした後に4/4でアタックするということも可能です。



Pedro Carvalho「4C Reanimator」
GP Providence (4位)

3 《森》
2 《沼》
1 《島》
1 《汚染された三角州》
4 《ラノワールの荒原》
4 《華やかな宮殿》
3 《疾病の神殿》
2 《開拓地の野営地》
1 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《マナの合流点》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(23)-

4 《サテュロスの道探し》
4 《森の女人像》
3 《棲み家の防御者》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《死霧の猛禽》
1 《苦悶の神、ファリカ》
4 《血の暴君、シディシ》
1 《アンデッドの大臣、シディシ》
1 《奔流の精霊》
2 《龍王アタルカ》
1 《女王スズメバチ》

-クリーチャー(27)-
3 《思考囲い》
2 《英雄の破滅》
3 《残忍な切断》
2 《エレボスの鞭》

-呪文(10)-
2 《龍王シルムガル》
2 《軽蔑的な一撃》
2 《悲哀まみれ》
2 《英雄の破滅》
2 《精霊龍の安息地》
1 《イニストラードの魂》
1 《スゥルタイの魔除け》
1 《命運の核心》
1 《時を越えた探索》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya


《龍王アタルカ》のために赤をタッチした4色のSidisi Whip。
コントロールよりも緑のミッドレンジが幅をきかせている現環境では《エレボスの鞭》によって《女王スズメバチ》《龍王アタルカ》といった高コストの強力なクリーチャーを再利用する戦略は強く、エンチャント対策の《ドロモカの命令》の数が減ってきているのもこのデッキにとっては追い風です。


☆注目ポイント


クリーチャーやPWの除去にもなる《龍王アタルカ》を使い回せるのがこのデッキの強みで、サイドには《精霊龍の安息地》も採られています。
《苦悶の神、ファリカ》は相手の《死霧の猛禽》《精霊龍の安息地》対策になります。

他の緑ミッドレンジの脅威を打ち消す《軽蔑的な一撃》にアクセスできるのもこの型の魅力です。


エレボスの鞭龍王アタルカ苦悶の神、ファリカ





Josh McClain「Abzan Midrange」
GP Providence (8位)

2 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《ラノワールの荒原》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
3 《静寂の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(24)-

4 《サテュロスの道探し》
4 《棲み家の防御者》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《死霧の猛禽》
4 《包囲サイ》
1 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(21)-
3 《思考囲い》
1 《究極の価格》
4 《アブザンの魔除け》
3 《英雄の破滅》
2 《命運の核心》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(15)-
2 《アラシンの僧侶》
2 《風番いのロック》
2 《究極の価格》
2 《悲哀まみれ》
1 《強迫》
1 《思考囲い》
1 《胆汁病》
1 《ドロモカの命令》
1 《異端の輝き》
1 《対立の終結》
1 《英雄の導師、アジャニ》

-サイドボード(15)-
hareruya


GPでの優勝経験もある強豪プレイヤーのJosh McClainは今大会では市川ユウキ選手がGP上海で優勝を収めていた《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》の大変異クリーチャーを活用したAbzan Megamorphで上位入賞を収めました。
《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》によって消耗戦やコントロールにも強くなりましたが、《羊毛鬣のライオン》などの2マナクリーチャーや《胆汁病》といった軽い除去スペルの不在で、赤系のアグロに対してメインでは不利になっています。


☆注目ポイント


RG Dragonsのように、ドラゴンクリーチャーに加えて《ゴブリンの熟練扇動者》など非ドラゴンクリーチャーによる脅威も展開してくるデッキには《命運の核心》では捌き切れない場合があるため、追加のスイーパーとして《対立の終結》がサイドに採用されています。
Green Devotionを相手にした際にも《龍王アタルカ》とその他の脅威をまとめて流せます。

《英雄の導師、アジャニ》はカードアドバンテージを稼げるため、コントロールとのマッチアップで活躍が期待できます。
自軍のクリーチャーを強化する能力は《棲み家の防御者》の回避能力とも相性良好です。


死霧の猛禽対立の終結英雄の導師、アジャニ




SCGO Indianapolis トップ8
~Eric RillがRG Dragonsで5つ目のオープンのタイトル獲得~


2015年6月22日

Eric Rill


1位 RG Dragons/赤緑ビートダウン
2位 Mardu Dragons/白黒赤ビートダウン
3位 Abzan Midrange/白黒緑ビートダウン
4位 GB Dragons/多色ビートダウン
5位 Bant Heroic/白青英雄
6位 GR Devotion/赤緑ビートダウン
7位 GW Devotion/白青英雄
8位 Mardu Dragons/白黒赤ビートダウン

Green DevotionとRG Dragonsは今大会でも高い2日目進出率を誇り、GP Providenceと同様に緑系のミッドレンジがメタを支配していました。
そんな中、トップ8にはMardu Dragonsなど非緑デッキも2名の入賞者を出すという活躍を見せています。

優勝を収めたのはRG Dragonsで、使用者のEric Rillはなんと今回で5回目のオープン優勝だそうです。


GP Providence デッキ解説

「RG Dragons」「GB Dragons」



Eric Rill「RG Dragons」
SCGO Indianapolis (1位)

6 《森》
5 《山》
4 《樹木茂る山麓》
4 《奔放の神殿》
2 《マナの合流点》
1 《岩だらけの高地》
1 《精霊龍の安息地》

-土地(23)-

4 《エルフの神秘家》
2 《棲み家の防御者》
4 《爪鳴らしの神秘家》
4 《死霧の猛禽》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
4 《雷破の執政》
2 《灰雲のフェニックス》
4 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(28)-
4 《龍詞の咆哮》
3 《火口の爪》
2 《焙り焼き》

-呪文(9)-
2 《弧状の稲妻》
2 《石弾の弾幕》
2 《歓楽者ゼナゴス》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《棲み家の防御者》
1 《再利用の賢者》
1 《乱撃斬》
1 《焙り焼き》
1 《双雷弾》
1 《前哨地の包囲》
1 《紅蓮の達人チャンドラ》

-サイドボード(15)-
hareruya


《嵐の息吹のドラゴン》《雷破の執政》の2種類の赤いドラゴンを軸にした緑赤のミッドレンジ。
デッキ自体はプロツアー『タルキール龍紀伝』直前のSCGOでも結果を残していましたが、《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》を採用することによってコントロールとの相性の改善を図っています。


☆注目ポイント


《森の女人像》《クルフィックスの狩猟者》といったカードが抜け、マナクリーチャーであると同時にパワー2のクロックにもなる《爪鳴らしの神秘家》や、《エルフの神秘家》経由で最速2ターン目から戦場に出てプレッシャーを与える《ゴブリンの熟練扇動者》など、ドラゴン以外の脅威を採用することで《命運の核心》に耐性を付けています。

《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》も入ったことによってミッドレンジというよりはアグロ寄りになり、以前よりもコントロールに対して有利になったようです。
《灰雲のフェニックス》《爪鳴らしの神秘家》《棲み家の防御者》と変異クリーチャーを多数積んでいるため《死霧の猛禽》を復活させる手段にも事欠きません。
このデッキの《棲み家の防御者》は回避能力により相手を火力射程圏内までライフを削ることを容易にし、除去の《焙り焼き》や火力の《火口の爪》を回収する活躍をします。

《焙り焼き》はGreen DevotionやAbzanなど高タフネスのクリーチャーを多数採用したデッキ相手に高い効果を発揮するので、緑ミッドレンジが人気の現環境では4枚目を追加してもよいかもしれません。
また、ミラーマッチや《龍王ドロモカ》《龍王シルムガル》といった他のドラゴンに対抗するために《垂直落下》も検討の余地があります。


ゴブリンの熟練扇動者棲み家の防御者焙り焼き





Kent Ketter「GB Dragons」
SCGO Indianapolis (4位)

2 《森》
1 《平地》
3 《吹きさらしの荒野》
4 《精霊龍の安息地》
4 《ラノワールの荒原》
4 《華やかな宮殿》
1 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
1 《欺瞞の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

4 《サテュロスの道探し》
4 《森の女人像》
3 《棲み家の防御者》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《死霧の猛禽》
3 《龍王オジュタイ》
2 《龍王ドロモカ》
1 《龍王シルムガル》
2 《龍王アタルカ》

-クリーチャー(27)-
3 《思考囲い》
2 《英雄の破滅》
1 《忌呪の発動》
2 《残忍な切断》

-呪文(8)-
3 《究極の価格》
3 《忌呪の発動》
2 《黄金牙、タシグル》
2 《強迫》
2 《悲哀まみれ》
1 《龍王ドロモカ》
1 《龍王シルムガル》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya


今回SCGの強豪プレイヤーのKent Ketterが持ち込み入賞を収めたデッキは日本人殿堂プレイヤーの三原槙仁選手がGP上海で使用し、惜しくもトップ8は逃したもののトップ16という成績を収めたドラゴン・大変異と呼ばれているデッキです。
4種類の龍王により他の緑ミッドレンジよりもカードパワーで勝り、過去のスタンダードのメタを支配したタイタンを彷彿させます。
コントロールやミッドレンジに強い反面、軽い除去が少ないため、やはり赤系の速いアグロは苦手とするようです。


☆注目ポイント


《龍王アタルカ》《龍王ドロモカ》《龍王オジュタイ》《龍王シルムガル》の4種類の龍王を採用したデッキです。
4枚採用された《精霊龍の安息地》は龍王のキャストを容易にすると同時に、《サテュロスの道探し》で落ちた龍王を回収する役割も果たします。

Green Devotionなど様々なデッキに採用されている《龍王アタルカ》はクリーチャーやPWを除去し、戦場を制圧します。
8/8飛行、トランプルというサイズは強力で、このデッキでもエンドカードになります。

《龍王ドロモカ》はここ最近評価が上がってきているクリーチャーで、5/7というサイズに加え飛行、絆魂持ちと過去のスタンダードにおいて白いフィニッシャーとして活躍した《悪斬の天使》を彷彿させるクリーチャーです。
それに加えカウンターされない能力と、自分のターンの間に対戦相手のスペルを封じるという能力を持っているためコントロールに対しても強く、相手にとっては優先的に除去していきたいクリーチャーなので、結果的に他のドラゴンクリーチャーが生き残りやすくなります。
特に《龍王オジュタイ》とのシナジーは凶悪で、この2体が揃えば《龍王オジュタイ》アタックする際に除去されることがなくなり、安定してアドバンテージが稼げるようになります。

《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》はこのデッキでも当然のように採用されており、ドラゴンをキャストし始めるまで地上の守りを固めます。墓地を肥やす《サテュロスの道探し》との相性も抜群です。


精霊龍の安息地龍王ドロモカ龍王オジュタイ



総括


TCG ChampionshipやSCG Invitationalで結果を残すなど、復権の兆しを見せていたEsper DragonsはGP ProvidenceSCGO Indianapolisの両大会で活躍していたRG GragonsやGreen Devotionに比較的有利とされていましたが、《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》のコンビにより消耗戦において不利になりやすく、使用人数は多かったものの勝ちきれなかったようです。

筆者もSCGO IndianapolisにEsper Dragonsで参加しましたが上記と同様の理由で残念な結果となってしまいました。
現在の環境では、コントロールよりも能動的で緑系のデッキに強い飛行クリーチャーを多数採用したRG Dragonsなどがベストなチョイスのようです。GP ProvidenceSCGO Indianapolisの両大会で結果を残していることからもその強さがうかがえます。
現環境最後のオープンとなる今週末のSCGO Baltimoreでも緑デッキが勝ち続けるのか要注目です。

以上で今回の記事を終わります。
次回の記事ではSCGO Baltimoreの結果を中心にカバーしていく予定です。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!



※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php


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