USA Standard Express vol.54 -世界選手権2015 etc.-

Kenta Hiroki


みなさんこんにちは!

アメリカ・ワシントン州シアトルで大規模なゲームイベントの【PAX Prime2015】が行われ、新セットの『戦乱のゼンティカー』がいち早く紹介されました。

エルドラージや「上陸」といった懐かしいものから「覚醒」「収斂」といった新たなメカニック、2色の基本土地タイプを持った新デュアルランド、PWの《Gideon, Ally of Zendikar》などが見られ、新環境で試すのが楽しみです。




さて、今回の記事では【SCG Premier IQ Charlotte】【SCG Invitational New Jersey】【SCGO New Jersey】【GP Prague 2015】【世界選手権2015】の結果を見ていきたいと思います。



SCG Premier IQ Charlotte トップ8
~スタンダードでは珍しくコンボデッキ同士の決勝~


2015年8月23日

Nicholas Charland
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。

1位 Abzan Rally/先祖の結集コンボ
2位 Ascendency Combo/ジェスカイの隆盛コンボ
3位 Mardu Dragons/白黒赤ビートダウン
4位 Abzan Control/白黒緑コントロール
5位 WU Heroic/白青英雄
6位 Abzan Control/白黒緑コントロール
7位 WG Devotion/緑白ビートダウン
8位 WU Heroic/白青英雄

AbzanやGR Devotionなどアグロやミッドレンジなどが活躍する現在のスタンダードですが、【SCG Premier IQ Charlotte】の決勝戦ではAbzan LallyとAscendency Comboという2つのコンボデッキが優勝を争いました。

【プロツアー『マジック・オリジン』】直前に開催された【SCGO Richmond】でも結果を残したことで一気に知名度を上げたAbzan Lallyはコンボ要素を搭載したミッドレンジクリーチャーデッキです。

2位に入賞したAscendency Comboは現在のスタンダードでは珍しいオールインコンボデッキです。



SCG Invitational New Jersey トップ8
~多くのプレイヤーが安定のGR Devotionを選択~


2015年8月30日

Alex Bastecki
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。

1位 GR Devotion/緑信心
2位 GR Devotion/緑信心
3位 Mono Red Aggro/赤単
4位 Jeskai Aggro/白青赤ビートダウン
5位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
6位 UB Control/青黒コントロール
7位 GR Devotion/緑信心
8位 BR Dragons/黒赤ビートダウン




スタンダード部門 7-1以上の成績
デッキ名
使用者数
デッキ検索
Abzan Aggro 5人 白黒緑ビートダウン
GR Devotion 3人 緑信心
Jeskai Aggro 2人 白青赤ビートダウン
Mono Red(Aggro/Thopter)  2人 赤単
Sultai Rally 1人 先祖の結集コンボ
RB Dragons 1人 黒赤ビートダウン
UB Control 1人 青黒コントロール


スタンダードとレガシーでそれぞれ8ラウンドずつ競い、プレイオフはレガシーで行われたSCG Invitational Season 3。

GR Devotionを選択したプレイヤーが多く上位入賞を収めており、環境でも最も安定した成績が望めるデッキであるAbzan系、Jeskai Aggroと共に使用率が高めだったようです。

特に【GP London】を制した《搭載歩行機械》を採用したAbzan Aggroはスタンダード部門で最も勝率の高かったデッキでした。



SCG Invitational New Jersey デッキ紹介

「UB Control」



Gerard Fabiano「UB Control」
SCG Invitational New Jersey (6位)

5 《島》
3 《沼》
4 《汚染された三角州》
2 《進化する未開地》
4 《欺瞞の神殿》
4 《陰鬱な僻地》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
2 《光輝の泉》
1 《精霊龍の安息地》

-土地(26)-

1 《漂う死、シルムガル》

-クリーチャー(1)-
4 《思考囲い》
2 《意思の激突》
3 《胆汁病》
1 《究極の価格》
4 《解消》
4 《英雄の破滅》
3 《衰滅》
2 《ジェイスの創意》
4 《時を越えた探索》
2 《危険な櫃》
3 《悪夢の織り手、アショク》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文(33)-
3 《ファリカの療法》
2 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《層雲の踊り手》
2 《黄金牙、タシグル》
2 《龍王シルムガル》
2 《強迫》
2 《軽蔑的な一撃》

-サイドボード(15)-
hareruya



コントロールを好んで使うGerard Fabianoは今大会ではUB Controlを持ち込み入賞を果たしています。

このデッキのフィニッシャーの1枚でもあり、彼のトレードマーク的なPWの《悪夢の織り手、アショク》もしっかり採用されています。


☆注目ポイント


前環境では軽いカウンターが不足していましたが、『マジック・オリジン』で序盤から使っていけるカウンターの《意思の激突》と、4マナのスイーパーである《衰滅》が追加されたことで強化されました。

《衰滅》《黄金牙、タシグル》《包囲サイ》といった高タフネスクリーチャーには効きませんが、このデッキは序盤を押し切られると脆く、5マナの《命運の核心》では巻き返せないことも多々ありました。
4マナの《衰滅》であれば間に合うケースも格段に増えるため、このデッキにフィットしています。

マイナス修正のスイーパーなので、このデッキにとって頭痛の種だった「怪物化」した《羊毛鬣のライオン》の対処も以前と比べて大分楽になりました。

序盤され凌げば《精霊龍、ウギン》《危険な櫃》を設置して盤面をコントロールすることができます。


意思の激突衰滅精霊龍、ウギン


メインはほぼノンクリーチャーなので相手も除去を減らしてくる可能性が高く、サイドから《ヴリンの神童、ジェイス》《黄金牙、タシグル》などクリーチャーを多く投入する変形プランを取っています。

《ヴリンの神童、ジェイス》はサイド後は比較的生き残りやすく、「探査」のために墓地を肥やしつつ手札の質を高めてくれます。

PWに「変身」すれば、除去やハンデスを使い回すことでアドバンテージを稼いだりフィニッシャーとしても使えます。


ヴリンの神童、ジェイス黄金牙、タシグル




SCGO New Jersey トップ8
~優勝はJeskai Aggro~


2015年8月30日

Rob Sabol
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。

1位 Jeskai Aggro/白青赤ビートダウン
2位 Mono Red Aggro/赤単
3位 Abzan Constellation/エンチャントレス
4位 Mono Red aggro/赤単
5位 Abzan Rally/先祖の結集コンボ
6位 Abzan Control/白黒緑コントロール
7位 GR Devotion/緑信心
8位 Jeskai Aggro/白青赤ビートダウン

環境も終盤に差し掛かっているため各自が使い慣れているデッキを使っていたようで、様々なデッキが勝ち残っていました。

そんな中優勝を収めたのはJeskai Aggroでした。



SCGO New Jersey デッキ紹介

「Jeskai Aggro」



Robert Sabol「Jeskai Aggro」
SCGO New Jersey (1位)

2 《平地》
2 《島》
1 《山》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《神秘の僧院》
4 《シヴの浅瀬》
4 《凱旋の神殿》
2 《戦場の鍛冶場》
2 《天啓の神殿》

-土地(25)-

4 《魂火の大導師》
4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《カマキリの乗り手》
4 《雷破の執政》
2 《嵐の息吹のドラゴン》
1 《龍王オジュタイ》

-クリーチャー(19)-
2 《マグマのしぶき》
1 《乱撃斬》
3 《勇敢な姿勢》
3 《龍詞の咆哮》
1 《焙り焼き》
2 《かき立てる炎》
2 《オジュタイの命令》
2 《時を越えた探索》

-呪文(16)-
3 《軽蔑的な一撃》
2 《アラシンの僧侶》
2 《異端の輝き》
2 《神々の憤怒》
2 《悲劇的な傲慢》
1 《賢いなりすまし》
1 《存在の破棄》
1 《否認》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-サイドボード(15)-
hareruya



新戦力の《ヴリンの神童、ジェイス》によって強化されたデッキで、Abzan Controlと同様に応用力が高く、メタの変化に応じて構成を変化させられることが強みです。
コンスタントに結果を残し続けているアーキタイプで、今大会では見事に優勝を飾りました。


☆注目ポイント


Abzan Aggroに対抗するために調整されており、除去耐性のある《嵐の息吹のドラゴン》《龍王オジュタイ》、除去されても相手にダメージを与える《雷破の執政》といった飛行を持つドラゴンが多めに採られているのが特徴です。


嵐の息吹のドラゴン龍王オジュタイ雷破の執政


メインから見られる 《マグマのしぶき》は現環境のスタンダードを席巻する《搭載歩行機械》に対する回答となります。

また、【プロツアー『マジック・オリジン』】で優勝を果たして以来根強い人気のあるMono Red Aggroの序盤の猛攻を止めたり、GR Devotionの《エルフの神秘家》や、同系でも《ヴリンの神童、ジェイス》を除去したりと見た目以上に受けの広い除去スペルです。

現在のメタでは 《乱撃斬》よりも優先して採用される傾向にあるようですが《ドロモカの命令》の軽減を無効化したりと《乱撃斬》にしかない利点もありメインに1枚だけ残されています。


マグマのしぶき乱撃斬




GP Prague トップ8
~BR DragonsがUB Controlを破って優勝~


2015年8月30日

Eliott Boussaud
※画像は【マジック:ザ・ギャザリング 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。

1位 BR Dragons/黒赤ビートダウン
2位 UB Control/青黒コントロール
3位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
4位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
5位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
6位 Jeskai Aggro/白青赤ビートダウン
7位 Jeskai Aggro/白青赤ビートダウン
8位 Esper Dragons/白青黒コントロール

Abzan AggroやJeskai Aggroが多数入賞を収める中、決勝はBR DragonsとUB Controlと最近のスタンダード環境ではあまり見かけなかったデッキでした。
UB Controlは【SCG Invitational New Jersey】でもGerard Fabianoが使用していたことからも要注目です。



GP Prague デッキ紹介

「Abzan Control」



Eliott Boussaud「BR Dragons」
GP Prague 2015 (1位)

6 《山》
5 《沼》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《悪意の神殿》
3 《血溜まりの洞窟》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
2 《精霊龍の安息地》

-土地(25)-

2 《搭載歩行機械》
4 《雷破の執政》
4 《嵐の息吹のドラゴン》
2 《嵐の憤怒、コラガン》

-クリーチャー(12)-
4 《思考囲い》
2 《マグマのしぶき》
4 《龍詞の咆哮》
2 《胆汁病》
4 《英雄の破滅》
4 《コラガンの命令》
1 《命運の核心》
1 《残忍な切断》
1 《前哨地の包囲》

-呪文(23)-
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
3 《忌呪の発動》
2 《強迫》
2 《神々の憤怒》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》
1 《命運の核心》
1 《前哨地の包囲》

-サイドボード(15)-
hareruya



赤黒のドラゴンクリーチャーを多数採用したミッドレンジ。
《雷破の執政》など3種類のドラゴンクリーチャーによる空からの攻撃は緑系のミッドレンジに強く、赤黒らしく除去も多いのが特徴です。


☆注目ポイント


SCGOで優勝を収めていたJeskai Aggroと同様に《搭載歩行機械》対策になる《マグマのしぶき》がメインから採用されています。

《コラガンの命令》《搭載歩行機械》などのクリーチャーを墓地から回収しつつ相手の小型クリーチャーを除去したり、《前哨地の包囲》と共にアドバンテージ獲得手段として活躍します。

《嵐の憤怒、コラガン》はドラゴンが攻撃するたびに自軍のクリーチャーのパワーを全体強化します。
「疾駆」持ちなので奇襲性に優れ、ソーサリースピードの除去にも耐性があります。サイド後に投入される《ゴブリンの熟練扇動者》との相性も良好です。


マグマのしぶきコラガンの命令嵐の憤怒、コラガン




世界選手権2015 トップ8
《包囲サイ》の強さ揺るがず、決勝はAbzanのミラーマッチ~


2015年8月30日

Seth Manfield
※画像は【マジック:ザ・ギャザリング 日本語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。

1位 Abzan Control/白黒緑コントロール
2位 Abzan Control/白黒緑コントロール
3位 Abzan Aggro/白黒緑コントロール
4位 Mono White Devotion/白単

年間を通して最も活躍したトッププロ24名という限られたプレイヤーのみが参加できる【世界選手権2015】

GR Devotionの活躍が目立ったSCG Invitationalのメタと大きく異なり、トップ4の内3名のプレイヤーが《包囲サイ》を使ったAbzanで決勝戦もAbzan Controlのミラーマッチでした。

『タルキール覇王譚』リリース以来トップメタデッキとして活躍し続けているAbzanは環境終盤まで形を変えつつ結果を残し続けています。



世界選手権2015 デッキ紹介

「Abzan Control」「Mono White Devotion」



Seth Manfield「Abzan Control」
世界選手権2015 (優勝)

3 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《静寂の神殿》
2 《コイロスの洞窟》
2 《ラノワールの荒原》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(26)-

3 《棲み家の防御者》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《包囲サイ》
1 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(14)-
4 《思考囲い》
1 《胆汁病》
1 《究極の価格》
4 《アブザンの魔除け》
3 《英雄の破滅》
2 《衰滅》
1 《信者の沈黙》
1 《悲劇的な傲慢》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(20)-
2 《羊毛鬣のライオン》
2 《異端の輝き》
2 《悲哀まみれ》
1 《強迫》
1 《胆汁病》
1 《究極の価格》
1 《霊気のほころび》
1 《ドロモカの命令》
1 《悲劇的な傲慢》
1 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《英雄の導師、アジャニ》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya




Owen Turtenwald「Abzan Control」
世界選手権2015 (準優勝)

4 《森》
1 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《静寂の神殿》
3 《コイロスの洞窟》
1 《ラノワールの荒原》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(26)-

4 《棲み家の防御者》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《包囲サイ》
1 《龍王ドロモカ》

-クリーチャー(15)-
4 《思考囲い》
2 《胆汁病》
1 《究極の価格》
4 《アブザンの魔除け》
3 《英雄の破滅》
2 《衰滅》
1 《残忍な切断》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(19)-
2 《アラシンの僧侶》
2 《勇敢な姿勢》
2 《ドロモカの命令》
2 《骨読み》
2 《対立の終結》
1 《強迫》
1 《究極の価格》
1 《悲哀まみれ》
1 《宮殿の包囲》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



今大会で決勝戦まで勝ち残ったSeth ManfieldとOwen Turtenwaldは共にAbzan Controlを使用していました。

除去、ハンデス、スイーパー、優秀なフィニッシャーと揃ったコントロール寄りのミッドレンジで、『タルキール覇王譚』リリース直後から結果を残し続けており、環境の変化に合わせて柔軟に対応していくことで常に上位に留まり続けていました。


☆注目ポイント


Seth ManfieldとOwen Turtenwaldの両プレイヤーのリストの共通点は、軽い除去の《胆汁病》がメインから採用されていることです。

Mono Red Aggroの序盤の猛攻を止めたり、最近上位に入賞し続けているJeskai Aggroの《カマキリの乗り手》《魂火の大導師》、多くの青いデッキに採用されている《ヴリンの神童、ジェイス》、Abzan Aggroの《羊毛鬣のライオン》など的には困りません。

色拘束が少し強いのが難点ですが、多少無理をしてでも採用する価値はありそうです。


Seth Manfieldのリストは【プロツアー『マジック・オリジン』】でトップ4入賞を収めたMatt Sperlingのリストをベースにメインから《搭載歩行機械》対策になる 《信者の沈黙》やGR DevotionやUR Thopters、Enchantlessなど様々なデッキ相手に劇的な効果が期待できる《悲劇的な傲慢》がメインから採用されています。


胆汁病信者の沈黙悲劇的な傲慢


Owen Turtenwaldのリストの特徴はメインから《龍王ドロモカ》です。
3枚目の《太陽の勇者、エルズペス》よりも優先して採用されているこの緑白の龍王は除去耐性のなさがネックとなりますが、UR ThoptersやMono Red Aggro、Jeskai Aggroに強いクリーチャーです。

Owenは同系やコントロールとのマッチアップも意識していたようで《棲み家の防御者》もメインから4枚採用しています。


サイドボードはPWや《羊毛鬣のライオン》といった追加の勝ち手段を多く積んでいるSeth Manfieldに対し、Owen Turtenwaldは《対立の終結》《ドロモカの命令》《勇敢な姿勢》など除去が多めで、Mono Red Aggro対策の《アラシンの僧侶》も見られ、全体的に軽めの構成です。

追加のカードアドバンテージ獲得手段に《骨読み》《宮殿の包囲》が採られているなどコントロールとのマッチアップも意識しています。


龍王ドロモカ対立の終結宮殿の包囲





Samuel Black「Mono White Devotion」
世界選手権2015 (4位)

21 《平地》
3 《ニクスの祭殿、ニクソス》
1 《領事の鋳造所》

-土地(25)-

3 《搭載歩行機械》
4 《万神殿の兵士》
2 《アクロスの英雄、キテオン》
4 《白蘭の騎士》
1 《族樹の精霊、アナフェンザ》
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》
4 《徴税の大天使》
4 《風番いのロック》

-クリーチャー(25)-
3 《勇敢な姿勢》
4 《見えざるものの熟達》
3 《払拭の光》

-呪文(10)-
3 《天界のほとばしり》
2 《異端の輝き》
2 《正義のうねり》
2 《悲劇的な傲慢》
2 《太陽の勇者、エルズペス》
1 《アラシンの上級歩哨》
1 《存在の破棄》
1 《勇敢な姿勢》
1 《払拭の光》

-サイドボード(15)-
hareruya



ユニークなデッキを好んで使う傾向のあるSamuel Blackは今大会では「信心」をフィーチャーした白単色デッキという珍しいデッキを持ち込み、スタンダード部門で4-0という優秀な成績を収めています。

白好きとして知られるアメリカのプロのCraig WescoeもWMCQでトップ4入賞を収めており、【彼のリスト】を参考にしたようです。

このタイプのデッキは除去を多めに搭載したコントロールとのマッチアップに苦戦する印象がありますが、《搭載歩行機械》やメインから4枚採用された《見えざるものの熟達》のおかげで見た目よりも相性は悪くないようです。


☆注目ポイント


「信心」デッキだけあって『マジック・オリジン』からの新カード《徴税の大天使》と再録カード《白蘭の騎士》も含めた色拘束の強いパーマネントでまとめられています。

《徴税の大天使》は4マナ3/5飛行に加えて攻守において役に立つ能力を持つという高いポテンシャルを有しながら、色拘束の強さからあまり見かけませんでした。しかし、このデッキでは色拘束の強さは長所となります。

また、言うまでもなくMono Red Aggroに対して有効なクリーチャーです。


「信心」を集めて《ニクスの祭殿、ニクソス》によって得た大量のマナを利用して《見えざるものの熟達》で大量の「予示」クリーチャーを展開したり、巨大な《搭載歩行機械》で相手を圧倒します。


徴税の大天使白蘭の騎士見えざるものの熟達


《アクロスの英雄、キテオン》は1マナパワー2に加えてマナを払えば破壊不能を得る能力を持ち、基本性能は良好です。

クリーチャーの多いこのデッキでは「変身」させるのも比較的容易で、「変身」後の「+1」能力で自軍のクリーチャーを守ったり、攻撃後にクリーチャーをアンタップさせて疑似警戒として使用したり《搭載歩行機械》2度起動させて強化するといった芸当がが可能です。

特にこのデッキの主力クリーチャーである《徴税の大天使》とのシナジーには注目です。


アクロスの英雄、キテオン搭載歩行機械




総括

【SCG Premier IQ Charlotte】【SCG Invitational New Jersey】【SCGO New Jersey】【GP Prague】【世界選手権2015】と5つの異なる大会結果を見ていきましたが、それぞれ大会の仕組みが異なるためメタにも違いが見られました。

【SCG Invitational New Jersey】【SCGO New Jersey】【世界選手権2015】ではGR Devotion、Jeskai、Abzanなど定番のデッキが結果を残していたのに対し【GP Prague】ではBR DragonsやUB Controlといった環境のメタに対応したコントロールデッキがAbzan AggroやJeskai Aggroを抑えて結果を残しています。


現環境のスタンダードも残りわずかとなり、新セットの『戦乱のゼンティカー』のスポイラーも公開され始め、新環境のスタンダードのデッキを考えるのが楽しい時期です。

次回の記事ではSCG Premier IQ CincinnatiとSCGO Worcesterの結果を解説予定です。
以上USA Standard Express vol.54でした。

それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!



この記事内で掲載されたカード

Twitterでつぶやく

Facebookでシェアする

関連記事

このシリーズの過去記事