みなさんこんにちは。
早いもので今年も残りわずかとなりました。【The Last Sun 2015】も終了し、来年1月下旬にはいよいよ待ちに待った新セット『ゲートウォッチの誓い』がリリースされます。無色マナシンボルなどの新要素で話題になっています。
さて、今回の記事では年内最後の大規模なイベントである【SCG Invitational Las Vegas】、【SCGO Las Vegas】、【The Last Sun 2015】の結果を見ていきたいと思います。
SCG Invitational Las Vegas トップ8
~ANTのエキスパートがAbzan AggroでスタンダードのInvitationalを優勝~
2015年12月13日
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。 |
1位 Abzan Aggro
2位 Esper Dragons
3位 4C Rally
4位 BR Dragons
5位 Jeskai Black
6位 4C Bring to Light
7位 Esper Midrange
8位 Abzan Aggro
トップ8のデッキリストは【こちら】
スイスラウンドはスタンダードとモダンの2つのフォーマットで競われ、プレイオフはスタンダードで行われた【SCG Invitational Las Vegas】。優勝は環境のトップメタの一角であるAbzan Aggroで、メインから4枚採用されている《噛み付きナーリッド》が印象的です。
他には4C Rally、Esper Dragons、Jeskai Blackといった定番のデッキから環境初期に結果を残していた4C Bring to Light、個性的な構成のEsper Midrange、BR Dragonsが見られます。
SCG Invitational Las Vegas デッキ紹介
「Esper Dragons」「4C Bring to Light」「Abzan Aggro」
5 《島》 1 《平地》 1 《沼》 3 《大草原の川》 3 《窪み渓谷》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 3 《乱脈な気孔》 1 《精霊龍の安息地》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《龍王オジュタイ》 2 《龍王シルムガル》 -クリーチャー(10)- |
2 《強迫》 4 《シルムガルの嘲笑》 2 《究極の価格》 3 《忌呪の発動》 3 《苦い真理》 1 《風への散乱》 2 《完全なる終わり》 2 《命運の核心》 1 《残忍な切断》 3 《時を越えた探索》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(24)- |
3 《僧院の導師》 2 《アラシンの僧侶》 2 《黄金牙、タシグル》 2 《強迫》 2 《否認》 2 《自傷疵》 1 《究極の価格》 1 《衰滅》 -サイドボード(15)- |
現環境のコントロールデッキ。コントロールと言ってもハンデスやカウンターでバックアップしつつ、除去されにくいフィニッシャーの《龍王オジュタイ》で速やかに殴り勝つことも可能です。
最近は《はじける破滅》をメインから採用したJeskai Blackが復権してきたのもあって厳しくなってきましたが、ハンデスとカウンターもあり、サイドの追加のフィニッシャーの《僧院の導師》があるのでまだまだ活躍できるデッキです。
☆注目ポイント
ここ最近注目を集めている《苦い真理》ですが、このデッキにもメインから3枚採用されています。4枚目の《時を越えた探索》よりも優先して採用されていることからも、この黒いドロースペルの強さが物語られています。最速3ターン目にドロー3することで4枚目以降の土地を置きやすくなります。
サイドには追加の勝ち手段として《僧院の導師》が3枚採用されています。Esperは勝ち手段の少なさから勝つのに時間が掛ってしまうことがあるため、サイド後に追加のクリーチャーを採用するのが主流です。
相手側もサイド後は《乱撃斬》や《焦熱の衝動》といった除去を減らしてくるので、《僧院の導師》が生き残る確率も高めです。軽いスペルである《強迫》や手数を増やせる《苦い真理》との相性も良好です。
2 《森》 2 《沼》 1 《島》 1 《平地》 1 《梢の眺望》 1 《燃えがらの林間地》 1 《大草原の川》 1 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《汚染された三角州》 3 《血染めのぬかるみ》 3 《樹木茂る山麓》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《吹きさらしの荒野》 1 《伐採地の滝》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《棲み家の防御者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(13)- |
1 《払拭》 1 《否認》 4 《アブザンの魔除け》 2 《完全無視》 1 《はじける破滅》 1 《コラガンの命令》 1 《光輝の炎》 2 《完全なる終わり》 1 《衰滅》 3 《白日の下に》 1 《シルムガルの命令》 3 《宝船の巡航》 -呪文(21)- |
4 《正義のうねり》 2 《神聖なる月光》 2 《苦い真理》 2 《光輝の炎》 1 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 1 《払拭》 1 《否認》 1 《無限の抹消》 1 《テレパスの才能》 -サイドボード(15)- |
環境初期にGerry Thompsonによって生み出された《白日の下に》をフィーチャーした多色コントロールデッキ。《白日の下に》によって状況に応じたスペルをサーチしていく(多くの場合《包囲サイ》がサーチされる)コントロールデッキで、Abzanなどミッドレンジ全般に強く、Atarka Redのような速いデッキを苦手とします。Joe Lossettは【SCGO Denver】でも同デッキでトップ4入賞を果たしています。
☆注目ポイント
《白日の下に》から状況に応じたスペルをサーチすることでフレキシブルに対応できるのがこのデッキの強みであり、おもしろいところでもあります。使用者によっても個性も出てくるデッキで、Joe Lossettはサイドに見慣れないカードを1枚挿しています。
《テレパスの才能》はライブラリーから相手のスペルを奪い取るソーサリーで、「魔巧」達成後なら最大2枚奪い取ることができるため、かなりのアドバンテージを稼げる可能性があります。《コラガンの命令》《オジュタイの命令》《宝船の巡航》といった強力なスペルを多数積んでいるJeskai Blackとのマッチアップで活躍しそうです。
このデッキにも《苦い真理》が採用されています。残念ながら「収斂」のルールの関係で《白日の下に》からサーチしてきた際は払った色マナの数は0になってしまいますが、コントロールとの対戦では強力なドロースペルなことは変わりないためサイドに採用されています。同様の理由で《光輝の炎》も《白日の下に》と相性のよくないスペルになりますが、このデッキが苦戦するアグロデッキ対策として3マナで撃てるスイーパーとして採用されています。
他にはサイドには《先頭に立つもの、アナフェンザ》《神聖なる月光》《無限の抹消》といったRally対策が多めに積んであります。《白日の下に》でサーチしてこれるため《先頭に立つもの、アナフェンザ》はわずか1枚の採用となっています。
Interview With Caleb Scherer
【レガシーのSCG Premier IQをANTで優勝】して以来、【SCGO New Jersey】で準優勝、そして今大会では優勝と立て続けに結果を残し続けている強豪プレイヤー、Caleb Schererにインタビューすることができました。
2 《森》 2 《平地》 2 《梢の眺望》 1 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 4 《乱脈な気孔》 2 《ラノワールの荒原》 -土地(26)- 4 《始まりの木の管理人》 4 《噛み付きナーリッド》 3 《棲み家の防御者》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 2 《風番いのロック》 -クリーチャー(21)- |
2 《ドロモカの命令》 4 《アブザンの魔除け》 2 《残忍な切断》 2 《絹包み》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(13)- |
4 《冷酷な軍族》 3 《強迫》 2 《自傷疵》 2 《苦い真理》 2 《湧き上がる瘴気》 2 《次元の激高》 -サイドボード(15)- |
--【この前】のレガシーのインタビュー以来【SCGO New Jersey】で準優勝、今大会でも優勝と勝ち続けているけど、大会に向けての準備はどのようにしていたの?
Caleb: スタンダードはAbzan Aggroを【SCGO Denver】で使って10位に入賞して好感触だったから今大会に向けてMOで調整を続けたんだ。練習の多くはMOでしているよ。
--なるほど。結果を残している多くのプレイヤーはMOで練習して強くなったって聞くけど、やっぱりネットさえ繋がっていればいつでも練習ができるのは便利だね。
Caleb: そうだね。特に僕みたいにショップや他のマジック仲間とも遠く離れたアメリカ中西部の田舎に住んでいるプレイヤーにとっては唯一のまともな練習手段だね。
■ デッキについて
--メインの《噛み付きナーリッド》はおもしろいテクニックだけど使ってみてどうだった?
Caleb: Abzan Aggroを使い始めた【SCGO Kansas City】では2マナ域のクリーチャーに《荒野の後継者》を採用していたんだけど、EsperやLallyに対抗するためによりアグレッシブな展開がしたくなったんだ。
Caleb: メインの4枚の《噛み付きナーリッド》は2ターン目《噛み付きナーリッド》、3ターン目《先頭に立つもの、アナフェンザ》とカーブを描くように展開することを可能にし、フェッチを切らずに置いておけば《噛み付きナーリッド》は相手のターンにもタフネスを3にすることができて、2点火力で除去されにくくなる。
--決勝戦のEsper Dragonsとのマッチアップも見たけど《噛み付きナーリッド》は大活躍だったね。サイドボードの話になるけど、4枚入ってる《冷酷な軍族》はどのマッチアップでサイドインされるの?
Caleb: 《冷酷な軍族》は主にEsperに対してサイドインされるクリーチャーだけど、Rallyやエルドラージとのマッチアップでも使える。RallyやエルドラージとのマッチアップではAbzan Aggro側は素早いクロックで短期戦を挑む必要があるからね。
--なるほど。確かに「疾駆」はスイーパーで流された返しに5点アタックができて、インスタントタイミングの除去が少ない環境では強そうだね。
Caleb: そうだね。エルドラージランプとの対戦では《精霊龍、ウギン》で流された返しのターンに「疾駆」して撃ち落とすことができた。
--2種類のスイーパー《次元の激高》《湧き上がる瘴気》はどのマッチでサイドインされるの?
Caleb: 《湧き上がる瘴気》はAtarka Redとのマッチアップのためのカードで、Atarka Red側のサイド後のプランは《ドラゴンの餌》や《軍族童の突発》で戦場をトークンで埋め尽くすことだからスイーパーで対処する。トークンデッキに対しても効くし、Rallyに対しても《先頭に立つもの、アナフェンザ》と組み合わせることで相手のクリーチャーを追放することができる。
Caleb: 《次元の激高》は主に同系でサイドインされるカードだ。同系ではコントロールとして立ち回ることが多くなるからね。トークンデッキやBW Warriorsのように小型のクリーチャーを場に並べて攻めてくるデッキに対してもサイドインされる。
--なるほど。同系では相手に《風番いのロック》を出されても流すことができるから強そうだね。ちなみに「覚醒」付きでキャストしたことはどれぐらいあるの?
Caleb: 今大会では「覚醒」付きでキャストするチャンスがなかったね。でも【SCGO Denver】では2度「覚醒」付きでキャストしたよ。
--《苦い真理》は最近EsperやJeskai Blackなど色々なデッキで見られるようになったドロースペルだけど使ってみてどうだった?
Caleb: 素晴らしいカードだね。アドバンテージ源として同系やコントロールとのマッチアップでサイドインされる。今後も使いたいカードの1枚だね。
--今大会を優勝したことによって【Player’s Championship 2015】の参加権を獲得したことについてはどんな気分?
Caleb: ちょっと緊張もしているけど、3週間前まではランキング上でも望みが薄かったからとても楽しみにしているよ。
--改めて優勝おめでとう。今回は記事のためのインタビューに付き合ってくれてありがとう。これからの活躍にも期待してるよ。またアメリカの何処かで会おう!
シーズンエンドにブレイクを果たしたCaleb Scherer。彼の主な練習方法はMOだそうで、やはりいつでも好きなときに世界中の強豪プレイヤー相手に練習ができたことと、多くのイベントに参加をして経験を重ねていったことが今回の結果に繋がったようです。彼の今後の動向にも要注目です。
SCGO Las Vegas トップ8
~BBDが遂に念願のSCGOのタイトル獲得~
2015年12月13日
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。 |
1位 Jeskai Black
2位 Abzan Aggro
3位 Abzan Aggro
4位 Abzan Aggro
5位 Jeskai Black
6位 Mardu Midrange
7位 Mardu Midrange
8位 4C Rally
トップ8のデッキリストは【こちら】
【SCG Invitational Las Vegas】と併催されていた【SCGO Las Vegas】。Invitationalで惜しくも2日目に残れなかったプレイヤーも多く参加していました。
上位は定番のAbzan Aggro、Jeskai Black、4C Rallyの他にもMarduも2名のプレイヤーをトップ8に輩出するという活躍を見せました。優勝を収めたのは《僧院の導師》と《苦い真理》がメインから採用されたJeskai Blackでした。
SCGO Las Vegas デッキ紹介
「Jeskai Black」
1 《島》 1 《山》 1 《平地》 1 《沼》 2 《大草原の川》 2 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《汚染された三角州》 3 《溢れかえる岸辺》 3 《神秘の僧院》 2 《乱脈な気孔》 -土地(25)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《魂火の大導師》 2 《僧院の導師》 2 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(12)- |
4 《焦熱の衝動》 1 《払拭》 2 《焙り焼き》 4 《はじける破滅》 3 《コラガンの命令》 3 《苦い真理》 2 《オジュタイの命令》 2 《完全なる終わり》 2 《宝船の巡航》 -呪文(23)- |
3 《アラシンの僧侶》 3 《否認》 2 《強迫》 2 《焙り焼き》 2 《光輝の炎》 1 《払拭》 1 《影響力の行使》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
念願のSCGOで初トロフィーを獲得したSCGのプレミア記事のライターのBBD。
GP(優勝も含める)、SCGO、SCG Invitationalなど数々のイベントで上位入賞を収めていた強豪プレイヤーでしたが、なぜかSCGOのタイトルとは無縁でした。しかし、それも今大会での優勝により過去のものとなりました。
彼の使用していたJeskai Blackは同じくSCGのプレミア記事のライターであるTodd Andersonも調整、使用していたリストで《カマキリの乗り手》が抜けて《僧院の導師》がメインから採用されているなど今までのJeskai Blackと異なる構成です。Todd AndersonもInvitationalでスタンダード部門7-1という好成績を収めています。
☆注目ポイント
以前よりも長期戦向けに調整されているようで、Jeskaiの定番とされていた《カマキリの乗り手》が不採用でEsper Dragonsでも採用されているドロースペルの《苦い真理》とモダン、レガシー、ヴィンテージと多くのフォーマットで活躍している《僧院の導師》が採用されています。
軽いスペルを多数採用しているこのデッキにフィットしたクリーチャーで、4ターン目以降に《払拭》や《強迫》といったスペルのマナを残しつつ出すという動きが強そうです。
《苦い真理》は3点のライフを支払うというのが少し痛いときがありますが、3マナ3ドローは破格の性能と言えます。《時を越えた探索》も不採用で、代わりに《宝船の巡航》が採用されています。
軽いスペルが多数採用されているこのデッキでは特定のカードを探すよりも《僧院の導師》の「果敢」を活かすためにもより多くのカードをドローできる《宝船の巡航》の方が優先されるようです。あと、《宝船の巡航》のもう一つの利点として、ソーサリーなため《払拭》で打ち消されないことが挙げられます。《苦い真理》も同様です。
《魂火の大導師》は最近までは序盤にそこまでインパクトがなかったため、2枚ほどの採用でしたが、このクリーチャーと《焙り焼き》などの火力除去でライフゲインすることで《苦い真理》で失ったライフを回復させることが可能なため4枚フルに採用されています。
The Last Sun 2015 トップ8
~今年殿堂プレイヤーに選出された八十岡選手が優勝を収める~
2015年12月20日
1位 Esper Dragons
2位 Jeskai Black
3位 Jeskai Black
4位 Abzan Aggro
5位 Esper Mentor
6位 Mardu Midrange
7位 Esper Tokens
8位 Abzan Aggro
トップ8のデッキリストは【こちら】
各地の厳しい予選を勝ち抜いた強豪やプロがスタンダードとレガシーの2種類のフォーマットで競い合う完全招待制のイベントである【The Last Sun 2015】。今大会で見事に優勝を収めたのは今年度の殿堂プレイヤーに選出された八十岡選手でした。【プロツアー『タルキール龍紀伝』】で準優勝、【GP京都】トップ8など充実した2015年の最後を飾るのに相応しい結果となりました。
完全招待制のイベントだけあって、プレイオフにはなんとGP優勝の経験者が4名と非常に濃い面子でした。
The Last Sun 2015 デッキ紹介
「Mardu Midrange」
3 《平地》 2 《山》 1 《沼》 2 《燻る湿地》 1 《梢の眺望》 1 《大草原の川》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《汚染された三角州》 4 《樹木茂る山麓》 3 《乱脈な気孔》 -土地(25)- 4 《搭載歩行機械》 4 《道の探求者》 4 《軍族の解体者》 2 《オジュタイの模範》 1 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(15)- |
1 《焙り焼き》 4 《はじける破滅》 4 《マルドゥの魔除け》 2 《苦い真理》 3 《チャンドラの灯の目覚め》 2 《残忍な切断》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(20)- |
2 《アラシンの僧侶》 2 《引き裂く流弾》 2 《自傷疵》 2 《精神背信》 2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 1 《強迫》 1 《焦熱の衝動》 1 《正義のうねり》 1 《苦い真理》 1 《絹包み》 -サイドボード(15)- |
BIG MAGIC所属プロで【GP千葉2015】でも優勝を収めている強豪プレイヤーの松本 友樹選手は今大会では自身のオリジナルのMarduカラーのミッドレンジデッキを使用しています。《はじける破滅》、《残忍な切断》、《焙り焼き》、《マルドゥの魔除け》そしてデッキ名にもなっている《チャンドラの灯の目覚め》と除去の種類が多いのが特徴です。
Abzanに強いデッキですが、Esper Dragonsのようなコントロールには全体的に除去が腐りやすく、相性が悪くなりそうです。
☆注目ポイント
《オジュタイの模範》はあまり見かけないクリーチャーですが、軽いスペルの多いこのデッキでは能力を活かしやすく、インスタントスペルを構えることで相手の除去から守ることが可能で、クリーチャーをタップする能力は攻守に渡って使える能力です。
《マルドゥの魔除け》の赤のモードは現環境では貴重なインスタントタイミングで撃てる除去スペルになり、白のモードはインスタントタイミングで1/1トークンを2体出し、さらに先制攻撃を付けるので小型のクリーチャーで殴ってくる赤系のアグロに対して強いスペルです。少し重い《強迫》としても使えるので、コントロールに対しても腐りにくく、総合的に見て優秀なスペルです。
《チャンドラの灯の目覚め》は対象にした自軍のクリーチャーのパワー分だけダメージを与える全体火力スペルで、除去耐性の高いクリーチャー化した《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》との組み合わせが強力です。インスタント除去が少なくなった現環境では特に強さを発揮しそうです。
このデッキでも《苦い真理》がメインに2枚、サイドにも1枚採られています。除去で1対1交換しつつドロー3で一気に引き離すことが可能です。今大会の【デッキテク】でも取り上げられています。
総括
「SCG Invitational」や「The Last Sun」のように2つの異なる構築フォーマットで行われる大会ではスタンダードとレガシー(モダン)の2つの構築フォーマットに精通していなければならず、勝つのは決して簡単なことではありません。
スタンダードはJeskai Blackが遂に完成形に辿り着いたようです。元々多色なこともあり、使用者の個性が反映されやすいデッキで、採用されるカードの選択肢も多かったのと、受動的なスペルの多さもあり、ある程度パーツの固定されているAbzan Aggroなどと異なり環境がある程度固まるまでに時間を要したようです。
《苦い真理》は環境初期でこそあまり使われていなかったカードでしたが、現在では再評価され、黒を使う多くのデッキで2枚以上採用されています。筆者も今スタンダードの大会に参加するとしたら《苦い真理》と《僧院の導師》を使ったデッキを使おうと考えています。
以上USA Standard Express vol.62でした。年内最後の記事になりましたが、来年も楽しくマジックをしましょう!
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを、そして良いお年を!
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