USA Standard Express vol.66 -Magic Online Championship Series etc.-

Kenta Hiroki


(スマートフォンの方は【こちら】)


 みなさんこんにちは。

 先週末は各地でRPTQが開催され、スタンダード的に充実した週末でしたね。

 さて今回の記事では【Magic Online Championship Series(Playoff Event)】(以下: MOCS)と【SCG Classics Louisville】【RPTQ in 東京】【RPTQ in California】の結果を見ていきたいと思います。



MOCS トップ8 ~4C Rallyの強さ揺るがず~

2016年2月21日


1位 4C Rally
2位 Eldrazi Ramp
3位 4C Rally
4位 Bant Company
5位 Jeskai Black
6位 Bant Company
7位 Jeskai Black
8位 Jeskai Black

トップ8のデッキリストは【こちら】

 先々週末にMOCSが開催され、プラチナプロも多数参戦するなど大変濃い面子となりました。

 Bant CompanyやEldrazi Rampといった『ゲートウォッチの誓い』加入によって強化されたアーキタイプが勝ち残る中、優勝を収めたのは現環境のトップメタに位置する「4C Rally」でした。



MOCS トップ8 デッキ紹介

「Bant Company」「Eldrazi Ramp」「Jeskai Black」「Atarka Red」



FFFREAK「Bant Company」
STANDARD MOCS #9370561 ON 02/13/2016(2位)

3 《平地》
2 《森》
1 《島》
2 《梢の眺望》
2 《大草原の川》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《吹きさらしの荒野》
1 《樹木茂る山麓》
4 《伐採地の滝》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地(25)-

4 《森の代言者》
3 《棲み家の防御者》
3 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《層雲の踊り手》
4 《死霧の猛禽》
4 《空中生成エルドラージ》
4 《反射魔道士》
2 《跳ねる混成体》
2 《風番いのロック》

-クリーチャー(28)-
3 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》

-呪文(7)-
3 《払拭》
3 《軽蔑的な一撃》
2 《アラシンの僧侶》
2 《勇敢な姿勢》
1 《潮流の先駆け》
1 《隠れたる龍殺し》
1 《層雲の踊り手》
1 《正義のうねり》
1 《絹包み》

-サイドボード(15)-
hareruya



 多くのプロが選択した「Bant Company」。Bantカラーのミッドレンジで【SCGO Columbus】でAndy Fergusonがこのデッキを使用し、準優勝を収めたことで注目を集めていました。


 FFFREAKはアメリカのプロでSCGのプレミア記事のライターでもあるBrad NelsonのMOのアカウントネームです。

 今大会で彼は独自に調整を施したBant Companyを持ち込み、惜しくも今大会準優勝を収めたTOMBSIMONに敗れてしまったものの(スイスラウンドでも当たり一度敗れている)多くのプロに今大会でもトップクラスの完成度と評価されていました。


☆注目ポイント

 もうすっかりお馴染みとなった新カード《反射魔道士》このデッキを選択する理由になるほどの重要なクリーチャーです。墓地対策クリーチャーなどをバウンスする受動的な使い方をする「4C Rally」と異なり、このデッキの《反射魔道士》は相手のブロッカーをバウンスする能動的な使い方が主になります。

 長期戦向けの《死霧の猛禽》《棲み家の防御者》の「大変異」エンジンと《反射魔道士》によるテンポアドバンテージの組み合わせがこのBant Companyの強みです。《空中生成エルドラージ》はBrad Nelsonのイノベーションで、飛行能力を持ちETB能力で末裔トークンを出すため、単体除去が中心のデッキに対してアドバンテージが取りやすく、末裔トークンの恩恵で《風番いのロック》を4ターン目にキャストすることも可能になります。


反射魔道士死霧の猛禽空中生成エルドラージ


 《ヴリンの神童、ジェイス》はこのデッキではドローを進めつつ《死霧の猛禽》を墓地に落として「大変異」クリーチャーを利用して復活させるという使い方が可能です。多くのデッキでは4枚採用されていますがJeskaiなどと異なりインスタント、ソーサリーもそれほど多く採用されておらず、「4C Rally」と異なり特定のカードを必要とするシチュエーションも少ないため3枚となっています。

 《層雲の踊り手》は「4C Rally」のキーカードである《集合した中隊》《先祖の結集》、多くの除去スペルをカウンターする「大変異」能力を持ち、本体も飛行持ちと優秀なクリーチャーです。

 飛行クリーチャーを多数採用することで《死霧の猛禽》などで地上を固めて空から攻めるということが可能になり、他の緑のミッドレンジに対して強くなりました。飛行対策が薄い「4C Rally」に対しても強く、飛行クリーチャーでプレッシャーをかけつつ《層雲の踊り手》やサイドから投入される《払拭》《集合した中隊》《先祖の結集》を妨害します。


ヴリンの神童、ジェイス層雲の踊り手払拭





TOMBSIMON「Eldrazi Ramp」
STANDARD MOCS #9370561 ON 02/13/2016(2位)

14 《森》
1 《荒地》
4 《ウギンの聖域》
4 《見捨てられた神々の神殿》
1 《崩壊する痕跡》

-土地(24)-

4 《爪鳴らしの神秘家》
3 《荒野の囁く者》
2 《面晶体の這行器》
3 《難題の予見者》
4 《世界を壊すもの》
2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー(18)-
4 《ニッサの巡礼》
4 《爆発的植生》
4 《ニッサの誓い》
4 《面晶体の記録庫》
2 《精霊龍、ウギン》

-呪文(18)-
4 《ジャディの横枝》
3 《搭載歩行機械》
3 《カル・シスマの風》
2 《次元の歪曲》
2 《回収蔦》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



 【GP Brussels 2015】でも準優勝を収めていたヨーロッパの強豪プレイヤーのSimon Nielsenは『ゲートウォッチの誓い』によって大幅に強化された緑単色の「エルドラージランプ」で惜しくも優勝は逃したものの準優勝という好成績を残しました。


☆注目ポイント

 緑単色ということで《コジレックの帰還》は不採用ですが、単色なことを活かして《爪鳴らしの神秘家》《荒野の囁く者》といった緑のマナ加速が多めに採られており、安定性が向上しています。

 《面晶体の這行器》を含めて2マナのマナクリーチャーが合計9枚採用されているので安定して4マナ域に加速することが可能で、《難題の予見者》で相手のゲームプランを妨害したり《爆発的植生》《面晶体の記録庫》に繋げてさらに加速することもできます。


爪鳴らしの神秘家面晶体の這行器難題の予見者


 《爆発的植生》《荒地》もサーチできるので無色マナに困ることは少なくなります。最速で4ターン目に出てくる《世界を壊すもの》は多くのデッキにとって脅威となります。


爆発的植生世界を壊すもの





BEENA「Jeskai Black」
STANDARD MOCS #9370561 ON 02/13/2016(5位)

1 《島》
1 《山》
1 《平地》
1 《沼》
2 《大草原の川》
2 《燻る湿地》
1 《窪み渓谷》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
2 《鋭い突端》
2 《乱脈な気孔》
1 《戦場の鍛冶場》

-土地(26)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《魂火の大導師》
4 《僧院の導師》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》

-クリーチャー(12)-
4 《強迫》
3 《焦熱の衝動》
2 《焙り焼き》
4 《はじける破滅》
4 《苦い真理》
1 《残忍な切断》
2 《時を越えた探索》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(22)-
3 《軽蔑的な一撃》
2 《アラシンの僧侶》
2 《光輝の炎》
1 《否認》
1 《焙り焼き》
1 《正義のうねり》
1 《精神背信》
1 《オジュタイの命令》
1 《影響力の行使》
1 《見えざるものの熟達》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-サイドボード(15)-
hareruya



 BEENAは【Team Cygames】所属の日本人プロ・渡辺 雄也さんのアカウントネームで、彼は今大会に《僧院の導師》型の「Jeskai Black」を持ち込み入賞を収めています。メインからフル搭載されたドロースペルの《苦い真理》やPWの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》などコントロール寄りの構成です。


☆注目ポイント

 《ゲトの裏切り者、カリタス》は「4C Rally」がトップメタの現環境ではメイン採用も納得です。絆魂も4枚採用されている《苦い真理》によって失ったライフを回復させるため地味ながら重要な能力です。


ゲトの裏切り者、カリタス苦い真理


 《苦い真理》によるアドバンテージと《強迫》のような軽いスペルの組み合わせは《僧院の導師》を活かしやすく、墓地も肥えるので「探査」もしやすくなります。

 《ゲトの裏切り者、カリタス》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《時を越えた探索》、サイド後は《炎呼び、チャンドラ》各色のダブルシンボルが要求されることが多くなるこのデッキのマナベースは非常にタイトで、《苦い真理》によるカードドローは必要なマナの出る土地を探すのにも一役買っています。


強迫ゼンディカーの同盟者、ギデオン時を越えた探索





WRAPTER「Atarka Red」
STANDARD MOCS #9370561 ON 02/13/2016(9位)

11 《山》
1 《森》
2 《燃えがらの林間地》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《樹木茂る山麓》
1 《吹きさらしの荒野》

-土地(23)-

4 《僧院の速槍》
3 《鐘突きのズルゴ》
4 《ケラル砦の修道院長》
4 《無謀な奇襲隊》
3 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》

-クリーチャー(18)-
4 《焦熱の衝動》
3 《多勢》
4 《アタルカの命令》
4 《ドラゴンの餌》
4 《軍族童の突発》

-呪文(19)-
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》
3 《吹きさらしの荒野》
3 《棲み家の防御者》
2 《龍爪のヤソヴァ》
2 《弧状の稲妻》
1 《燃えがらの林間地》

-サイドボード(15)-
hareruya



 WRAPTER(Josh Utter-Leyton)は惜しくもトップ8入賞は逃したものの、非常に個性的なAtarkaデッキを使用していました。

 「Atarka Red」をベースに《ピア・ナラーとキラン・ナラー》がトップカーブに採用されているなどトークン戦略に重点を置いており、「Atarka Red」というよりは「Atarka Token」デッキです。


☆注目ポイント

 《強大化》《ティムールの激闘》のコンボや《タイタンの力》といった「Atarka Red」の定番のクリーチャー強化スペルが《ピア・ナラーとキラン・ナラー》《多勢》に差し替えられています。《多勢》はトークンを多数戦場に並べるこのデッキでは有用な除去スペルです。

 《無謀な奇襲隊》【SCGO Atlanta】で優勝を収めて以来「Atarka Red」の新たな勝ち手段として定着しており、このデッキがクリーチャー強化スペルのコンボからトークン戦略にシフトしていった理由となったクリーチャーです。


ピア・ナラーとキラン・ナラー多勢無謀な奇襲隊


 Josh Utter-Leytonのイノベーションはサイドボードにあります。サイドには《棲み家の防御者》《龍爪のヤソヴァ》、そして《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》といった緑のカードが多数忍ばせてあります。また、安定して(緑)(緑)を捻出するために4枚の追加の土地がサイドに積まれています。

 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》は「+1」能力でカードアドバンテージと忠誠度を稼ぎつつ、必要ならば《アタルカの命令》《無謀な奇襲隊》でトークンを強化して攻撃に参加させることもできます。

 サイド後はロングゲームを見越してミッドレンジに変形する構成なため、《コジレックの帰還》《鞭打つ触手》といったスイーパーに対しても耐性があります。 


ゼンディカーの代弁者、ニッサ龍爪のヤソヴァアタルカの命令




SCG Classics Louisville トップ8
~Bant Companyの制作者が栄冠~


2016年2月21日

Andy Ferguson
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。


1位 Bant Company
2位 GR Eldrazi
3位 Jeskai Black
4位 4C Rally
5位 Bant Company
6位 Mardu Green
7位 4C Rally
8位 GR Eldrazi

トップ8のデッキリストは【こちら】

 【SCGO Louisville】と併催されたSCG Classicsは【MOCS】の結果と同様に「エルドラージランプ」、「4C Rally」、「Bant Company」といった『ゲートウォッチの誓い』で強化されたデッキが中心でした。

 優勝を収めたのはCompanyデッキの名手で「Bant Company」を制作し、【SCGO Columbus】でも準優勝という好成績を残しているAndy Fergusonでした。



RPTQ「マドリード」in 東京 トップ8
~4C Rallyがプレイオフに3名、独特の構成のGrixis Controlも入賞~


2016年2月21日

プロツアー『イニストラードを覆う影』
権利獲得者4名


1位 Grixis Control
2位 4C Rally
3位 Rogue Aggro
4位 4C Rally
5位 Mardu Green
6位 Abzan Aggro
7位 Jeskai Black
8位 4C Rally

※トップ4が権利獲得

トップ8のデッキリストは【こちら】

 SCGOや【MOCS】での活躍で現環境のトップメタデッキとして君臨する「4C Rally」は今大会でもプレイオフに3名、権利獲得者を2名輩出する強さを見せます。

 多くのデッキが《ゲトの裏切り者、カリタス》《先頭に立つもの、アナフェンザ》といった対策クリーチャーをメインから採用している中での入賞です。



RPTQ「マドリード」in 東京 トップ8 デッキ紹介

「Grixis Control」



松本 友樹「グリクシスコントロール」
RPTQ「マドリード」in東京(スイスラウンド2位)

4 《沼》
2 《島》
1 《山》
2 《窪み渓谷》
2 《燻る湿地》
4 《汚染された三角州》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《さまよう噴気孔》

-土地(27)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》

-クリーチャー(7)-
2 《強迫》
1 《焦熱の衝動》
4 《闇の掌握》
2 《意思の激突》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《究極の価格》
4 《虚空の粉砕》
1 《苦い真理》
1 《破滅の道》
1 《残忍な切断》
1 《荒廃の一掴み》
4 《時を越えた探索》
3 《炎呼び、チャンドラ》

-呪文(26)-
3 《精神背信》
2 《否認》
2 《焙り焼き》
2 《光輝の炎》
1 《竜使いののけ者》
1 《焦熱の衝動》
1 《引き裂く流弾》
1 《強迫》
1 《苦い真理》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
hareruya


 毎回個性的なデッキを持ち込むことで知られている【BIGMAGIC】所属プロの松本 友樹選手は今大会でもオリジナルの「Grixis Control」を持ち込み、見事にプロツアー権利獲得を果たしました。


☆注目ポイント

 《闇の掌握》《焦熱の衝動》《究極の価格》といった軽いインスタント除去やカウンターで時間を稼ぐコントロールデッキです。カウンターを構えつつカードを補充できる《時を越えた探索》が多めに採用されています。

 トップメタの「4C Rally」を意識した構成で《ゲトの裏切り者、カリタス》《虚空の粉砕》といったカードがメインから採用されています。1枚だけ採用された《荒廃の一掴み》は6マナという重さを許容できるならインスタントスピードのアドバンテージが取れる除去で、土地をインスタントタイミングで除去できるので各種ミシュラランドを除去したり、「覚醒」スペルを妨害することも可能です。


闇の掌握虚空の粉砕荒廃の一掴み


 メインから3枚採用されている《炎呼び、チャンドラ》はこのデッキにとって最も重要なカードでスイーパー、カードドロー、フィニッシャーとあらゆる場面で活躍するPWです。特に《ゲトの裏切り者、カリタス》との組み合わせは強力で相手の場を一掃しつつ2/2ゾンビトークンを多数生産します。


炎呼び、チャンドラゲトの裏切り者、カリタス




RPTQ in California
~トップ8はRally、Abzan祭り~


2016年2月21日


1位 4C Rally
2位 Abzan Blue
3位 Abzan
4位 Esper Dragons
5位 4C Rally
6位 Abzan
7位 4C Rally
8位 4C Rally

※トップ4が権利獲得

トップ8のデッキリストは【こちら】

 Chanel Fireball主催のアメリカ・カリフォルニア州で開催されたRPTQはトップ8の半数が「4C Rally」で、その他「Abzan」が3名、「Esper Dragons」が1名という結果でした。「Esper Dragons」は久々に上位で見かけるアーキタイプで、苦手な赤いアグロが少なくミッドレンジが多い現環境ではいいチョイスです。



RPTQ in California トップ8 デッキ紹介

「Esper Dragons」



Soohwang Yeem「Esper Dragons」
RPTQ in California(4位)

4 《島》
2 《沼》
1 《平地》
3 《窪み渓谷》
2 《大草原の川》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
3 《血染めのぬかるみ》
2 《乱脈な気孔》
1 《精霊龍の安息地》

-土地(26)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
4 《龍王オジュタイ》
1 《龍王シルムガル》

-クリーチャー(11)-
2 《強迫》
4 《シルムガルの嘲笑》
3 《闇の掌握》
3 《忌呪の発動》
2 《苦い真理》
1 《衰滅》
1 《完全なる終わり》
2 《命運の核心》
1 《残忍な切断》
4 《時を越えた探索》

-呪文(23)-
3 《アラシンの僧侶》
1 《僧院の導師》
1 《保護者、リンヴァーラ》
1 《黄金牙、タシグル》
1 《払拭》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《神聖なる月光》
1 《精神背信》
1 《無限の抹消》
1 《絹包み》
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



 久々に上位で見かける「Esper Dragons」。

 「Atarka Red」や《はじける破滅》を採用した「Jeskai Black」や「Mardu」が存在する現環境ではフィニッシャーの 《龍王オジュタイ》の強さを活かしにくく苦戦を強いられましたが、「Abzan」のように単体除去が中心のデッキには強いデッキです。クリーチャーをあまり採用していないので「4C Rally」、「Bant Company」、「Abzan Blue」など多くのデッキが採用している《反射魔道士》の影響を受けにくいのも強みです。


☆注目ポイント

 基本的なところは前環境と同様ですが《ゲトの裏切り者、カリタス》がメインから採用されているなど「4C Rally」を意識しています。《闇の掌握》は(黒)(黒)と色拘束の強さがネックとなりますが、このデッキにとって念願の軽いインスタント除去です。《カマキリの乗り手》《先頭に立つもの、アナフェンザ》といった脅威にわずか2マナで対処できるようになりました。


ゲトの裏切り者、カリタス闇の掌握


 サイドの《保護者、リンヴァーラ》は多くのマッチでサイドインされる強力な追加のフィニッシャーです。《空中生成エルドラージ》《地下墓地の選別者》を使ってくる相手に対しては天使トークンを出すETB能力も誘発しやすくなります。


保護者、リンヴァーラ




総括

 各デッキがメインから対処法を採用しているのにも関わらず、「4C Rally」の躍進は止まる気配を見せません。

 現環境の墓地対策カードは主にクリーチャーで、「4C Rally」側にとっては《反射魔道士》《シディシの信者》でバウンスすることで容易に対策することが可能なため、デッキとしての地力の高さもあり一筋縄にはいきません。


反射魔道士シディシの信者


 《炎呼び、チャンドラ》は徐々に人気を上げてきているPWで、「RG Eldrazi」、「Jeskai Black」、「Grixis Control」、「Mardu」といった多くのデッキで見かけます。《ゲトの裏切り者、カリタス》と相性がよく、「Bant Comapny」や「4C Rally」のようにタフネス3以下のクリーチャーが中心のデッキに対して無類の強さを発揮します。


炎呼び、チャンドラゲトの裏切り者、カリタス


 今週末には【GP Houston】が開催されます。果たして「4C Rally」の快進撃は続くでしょうか?

 以上USA Standard Express vol.66でした。次回の記事では【GP Houston】の結果を中心にカバーしていく予定です。

 それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!



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