USA Standard Express vol.67 -GP Houston etc.-

Kenta Hiroki

Kenta Hiroki


(スマートフォンの方は【こちら】)


 みなさんこんにちは。

 新セット『イニストラードを覆う影』の情報が公開され始めています。両面カードや「マッドネス」といった懐かしいメカニズムや「昂揚」や「潜伏」など新メカニズムが紹介されています。スポイラーも一部公開されておりリリースの日が楽しみですね。

 さて、今回の記事では【グランプリ・ヒューストン2016】【GPT東京】の入賞デッキを見ていきたいと思います。



グランプリ・ヒューストン2016 トップ8
~勝ち続けるRally。少し変わったデッキも~


2016年2月28日

Owen Turtenwald
※画像は【MAGIC: THE GATHERING英語公式サイト】より引用させていただきました。


1位 4C Rally
2位 Jeskai Black
3位 Hardened Scales
4位 Mardu Green
5位 Grixis Dragons
6位 4C Rally
7位 Hardened Scales
8位 4C Company

トップ8のデッキリスト【こちら】

 現環境の王者の「4C Rally」が数多くの対策を乗り超え優勝を飾りました。《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》という新戦力を獲得したことで大幅に強化された「Hardened Scales」や、飛行クリーチャーを多数搭載した「Grixis Dragons」など新しいデッキも見られましたが、優勝まではあと一歩届いていません。

 「4C Rally」はデッキの挙動も安定しており、コンボによる勝利以外にもミッドレンジビートダウンとしても十分戦える地力の高さを持ち合わせているため、完全に対策されにくいのが主な勝因です。



グランプリ・ヒューストン2016 デッキ紹介

「4C Rally」「Jeskai Black」「Hardened Scales」「Mardu Green」「Grixis Dragons」



Owen Turtenwald「4C Rally」
グランプリ・ヒューストン2016(1位)

1 《森》
1 《島》
1 《平地》
1 《沼》
2 《梢の眺望》
2 《窪み渓谷》
1 《大草原の川》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
4 《吹きさらしの荒野》
3 《進化する未開地》

-土地(24)-

2 《シディシの信者》
4 《エルフの幻想家》
4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《ズーラポートの殺し屋》
1 《永代巡礼者、アイリ》
4 《地下墓地の選別者》
4 《ナントゥーコの鞘虫》
4 《反射魔道士》
1 《不気味な腸卜師》

-クリーチャー(28)-
4 《先祖の結集》
4 《集合した中隊》

-呪文(8)-
4 《払拭》
3 《アラシンの僧侶》
3 《残忍な切断》
2 《蔑み》
2 《強迫》
1 《苦痛の公使》

-サイドボード(15)-
hareruya



 アメリカのトッププロであるOwen Turtenwaldは環境のトップメタである「4C Rally」を持ち込み、見事に優勝を収めました。前環境の【GP Oakland】から使い続けているようです。前環境では《先頭に立つもの、アナフェンザ》をメインから搭載した「Abzan Aggro」に苦戦を強いられましたが、『ゲートウォッチの誓い』から加入した《反射魔道士》によって相性も改善されました。

 《先祖の結集》による瞬殺コンボ以外にも《集合した中隊》《反射魔道士》によるアドバンテージで押すことが可能で、対策は困難です。しかし、その分使いこなすにはある程度の慣れも必要で《神聖なる月光》など相手の対策カードをうまく掻い潜りつつ、必要ならばクリーチャーによるビートダウンでコツコツと地道にダメージを与えていくなど臨機応変に対応していく必要が出てきます。


☆注目ポイント

 Owenのリストは他でよく見られるリストと比べると《永代巡礼者、アイリ》《不気味な腸卜師》の枚数が削られ、キャントリップつきの《エルフの幻想家》や、マナブーストを担いつつ占術でドローの質を向上させる《地下墓地の選別者》、コンボパーツの《ナントゥーコの鞘虫》がそれぞれフル搭載されており、より安定性を重視しています。


エルフの幻想家地下墓地の選別者ナントゥーコの鞘虫


 サイドの《苦痛の公使》《軍族童の突発》《ドラゴンの餌》《空中生成エルドラージ》といったタフネス1のクリーチャーやトークンを並べる戦略に有効なクリーチャーです。

 ミラーマッチや「Bant Company」なども相当意識していたようで、サイドには《払拭》も4積みされています。相手の《神聖なる月光》など対策スペルをカウンターすることでコンボを無理やり通すこともできます。

 《蔑み》は追加の《強迫》のような役割ですが、《強迫》と違って「Eldrazi Ramp」とのマッチアップでは《世界を壊すもの》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》も落とすことができるため重宝します。


苦痛の公使払拭蔑み





Andrew Cuneo「Jeskai Black」
グランプリ・ヒューストン2016(2位)

1 《島》
1 《山》
1 《平地》
1 《沼》
2 《大草原の川》
2 《燻る湿地》
2 《窪み渓谷》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
2 《鋭い突端》
2 《乱脈な気孔》

-土地(26)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
3 《魂火の大導師》
4 《カマキリの乗り手》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(14)-
3 《焦熱の衝動》
1 《強迫》
2 《軽蔑的な一撃》
2 《焙り焼き》
4 《はじける破滅》
4 《苦い真理》
2 《時を越えた探索》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(20)-
2 《アラシンの僧侶》
2 《強迫》
2 《精神背信》
2 《光輝の炎》
1 《焦熱の衝動》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《否認》
1 《焙り焼き》
1 《コラガンの命令》
1 《影響力の行使》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
hareruya



 青いコントロールを得意とするアメリカ人プロのAndrew Cuneo。今大会では「Jeskai Black」を持ち込み、惜しくも優勝は逃したものの準優勝という好成績を残しています。

 《ゲトの裏切り者、カリタス》をメインから搭載したバージョンで、【MOCS】でもトップ8には残れなかったものの17位に入賞していたリストのアップデート版です。


☆注目ポイント

 最近の「Jeskai Black」は《僧院の導師》メイン型が主流でしたが《コジレックの帰還》《反射魔道士》の影響で前環境ほどの強さを発揮しにくくなりました。

 《カマキリの乗り手》は飛行を持つため「4C Rally」や「Bant Company」に対して安定して攻撃を通すことが可能で、環境に2/3のクリーチャーが多いため、攻守に渡って活躍が期待できます。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や最近よく見られるようになった 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》を牽制することも可能です。

 《集合した中隊》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《ゴブリンの闇住まい》《ゲトの裏切り者、カリタス》《炎呼び、チャンドラ》《精霊龍、ウギン》など4マナ以上の脅威が多く存在するため、《軽蔑的な一撃》がメインから採用されています。


カマキリの乗り手軽蔑的な一撃


 サイドの《精神背信》はクリーチャーも落とすことができ、追放するため「Mardu Green」、「Bant Company」、「Eldrazi Ramp」、「4C Rally」など多くのデッキに対しては《強迫》よりも効果的です。

 《光輝の炎》は環境にタフネス3が多いためメインボードでも強さを発揮でき、《ゲトの裏切り者、カリタス》との組み合わせは特に強力です。


精神背信光輝の炎ゲトの裏切り者、カリタス





Mark Jacobson「Hardened Scales」
グランプリ・ヒューストン2016(3位)

10 《森》
1 《平地》
2 《梢の眺望》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《樹木茂る山麓》
2 《溢れかえる岸辺》

-土地(23)-

4 《果てしなきもの》
4 《搭載歩行機械》
4 《鱗の召使い》
4 《毅然さの化身》
4 《アブザンの鷹匠》
4 《マナ喰らいのハイドラ》

-クリーチャー(24)-
4 《ドロモカの命令》
1 《勇敢な姿勢》
4 《硬化した鱗》
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》

-呪文(13)-
4 《絹包み》
3 《神聖なる月光》
2 《アブザンの戦僧侶》
2 《勇敢な姿勢》
2 《進化の飛躍》
1 《荒野の確保》
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-サイドボード(15)-
hareruya



 今大会でブレイクを果たしたデッキで、多くのプロが持ち込んでいたことから今大会で最も注目を集めていたデッキでした。

 《硬化した鱗》を軸にした緑白のミッドレンジアグロで、1ターン目の《硬化した鱗》から《果てしなきもの》《搭載歩行機械》といった「+1/+1」カウンターが乗るクリーチャー、《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》に繋がる高速展開が魅力です。


☆注目ポイント

 《硬化した鱗》が戦場にある状況下では《果てしなきもの》《鱗の召使い》を「+1/+1」カウンターが追加で乗った状態で出すことができ、《鱗の召使い》が死亡した際にはさらに追加のカウンターを他のクリーチャーに乗せることができます。

 《毅然さの化身》はこのデッキにおいては2ターン目に出てくる4/3トランプルというスペックです。《マナ喰らいのハイドラ》はプレイヤーがスペルをキャストする度に「+1/+1」カウンターが乗り、《硬化した鱗》の助けを借りることで容易にフィニッシャークラスのサイズにまで成長します。このクリーチャーを強化するために《搭載歩行機械》《果てしなきもの》を「X=0」でキャストするという選択肢もあります。


硬化した鱗毅然さの化身マナ喰らいのハイドラ


 《アブザンの鷹匠》は「+1/+1」カウンターが乗ったクリーチャーに飛行を与えるので、このデッキではエンドカードになります。《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》はこのデッキにとって最も重要なカードで、このPWなしでこの戦略は成立しません。トークンを生み出すことで自身を守り、「-2」能力で全軍を強化し、《硬化した鱗》が組み合わさったときの強さは言うまでもありません。

 「4C Rally」や「Bant Company」を意識した《神聖なる月光》がサイドに多めに積まれています。また、メインの除去の薄さを補うために《絹包み》《勇敢な姿勢》といった除去が見られます。《絹包み》はミラーマッチでも有効な除去として機能し、《勇敢な姿勢》《ゴブリンの闇住まい》《ゲトの裏切り者、カリタス》《包囲サイ》などの高タフネスクリーチャーを処理します。


アブザンの鷹匠ゼンディカーの代弁者、ニッサ神聖なる月光





Brock Mosley「Mardu Green」
グランプリ・ヒューストン2016(4位)

2 《沼》
1 《森》
1 《山》
1 《平地》
2 《燃えがらの林間地》
2 《燻る湿地》
1 《梢の眺望》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《樹木茂る山麓》
3 《吹きさらしの荒野》
4 《乱脈な気孔》
1 《遊牧民の前哨地》

-土地(26)-

3 《森の代言者》
1 《棲み家の防御者》
4 《包囲サイ》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《ゴブリンの闇住まい》

-クリーチャー(12)-
3 《焦熱の衝動》
2 《焙り焼き》
2 《精神背信》
1 《ムラーサの胎動》
4 《はじける破滅》
2 《アブザンの魔除け》
2 《骨読み》
1 《コラガンの命令》
1 《光輝の炎》
1 《破滅の道》
1 《衰滅》
1 《残忍な切断》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-呪文(22)-
3 《神聖なる月光》
2 《先頭に立つもの、アナフェンザ》
2 《強迫》
1 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》
1 《精神背信》
1 《無限の抹消》
1 《コラガンの命令》
1 《光輝の炎》
1 《穢れた療法》
1 《悪性の疫病》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-サイドボード(15)-
hareruya



 「Mardu Midrange」に緑を足したデッキで、除去で1対1交換しつつ《アブザンの魔除け》《骨読み》《ゴブリンの闇住まい》でアドバンテージを稼ぎ、《森の代言者》やそれによって強化されたミシュラランド、《炎呼び、チャンドラ》などによってゲームを終らせます。


☆注目ポイント

 今までのMarduデッキは全体的にもっさりしていましたが、《森の代言者》2マナと軽くブロッカーとしても優秀なため、中盤以降は地上を固めながら《はじける破滅》などの除去を構えたり《骨読み》でアドバンテージを広げるというアクションを取りやすくなりました。

 サイド後も「4C Rally」や「Bant Company」などに対して早い段階でクロックを展開できるため《神聖なる月光》を構えやすく、序盤に《反射魔道士》でバウンスされてしまっても後のターンには2マナ4/5として再キャストされます。

 以前採用されていた《魂火の大導師》は2/3が多く存在する現環境では活躍の機会が少なくなりました。《森の代言者》は攻守に渡って活躍し、土地を6枚コントロールしていれば《乱脈な気孔》のパワーが4になるので《骨読み》も使いやすくなります。


森の代言者乱脈な気孔骨読み


 《ムラーサの胎動》《ゴブリンの闇住まい》《包囲サイ》、サイド後は《ピア・ナラーとキラン・ナラー》を回収することでカードアドバンテージを稼ぐことを可能にし、6点ゲインは《骨読み》《アブザンの魔除け》からのライフロスによる負担を軽減させます。

 トップメタの「4C Rally」に対して有効なゲームプランは相手の場を一掃した後に速やかにゲームを終らせることなので《炎呼び、チャンドラ》はこのデッキにとって理想のフィニッシャーです。《光輝の炎》と共に 《ゲトの裏切り者、カリタス》と相性がよく、相手の場だけ更地にしつつこちらの場にはゾンビトークンを並べます。

 緑が濃くなり本格的な4色になったためマナベースに不安が残りそうですが《骨読み》《アブザンの魔除け》などのドロースペルは事故やフラッドのリスクを軽減し、このデッキにとって重要な6枚目の土地にも到達しやすくなっています。


ムラーサの胎動ゴブリンの闇住まい炎呼び、チャンドラ




Interview With Daniel Ward


Daniel Ward
※画像は【Magic: the Gathering 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。

 Daniel Wardは【Kirwan’s Game Store】【コンテンツ】の制作にも関わっており、筆者と交流のあるプレイヤーで過去のGPでも結果を残している強豪プレイヤーです。先週開催された【グランプリ・デトロイト2016】でシルバーレベルに到達し、念願のプロツアーへのカムバックを果たしています。

 主な戦績としては【グランプリ・フェニックス2014】Top8、【グランプリ・バンクーバー2015】Top8などがあります。

 スイスラウンド最終戦に敗れ、惜しくもトップ8は逃したものの「Grixis Dragons」という今まではあまり見かけなかったおもしろいデッキを使用していたため話を聞いてみることにしました。



Daniel Ward「Grixis Dragons」
グランプリ・ヒューストン2016(20位)

2 《島》
2 《山》
2 《沼》
3 《燻る湿地》
2 《窪み渓谷》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《汚染された三角州》
4 《樹木茂る山麓》
3 《さまよう噴気孔》

-土地(26)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《雷破の執政》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《嵐の憤怒、コラガン》

-クリーチャー(13)-
2 《強迫》
2 《焦熱の衝動》
4 《龍詞の咆哮》
1 《焙り焼き》
3 《忌呪の発動》
2 《苦い真理》
2 《光輝の炎》
1 《コラガンの命令》
2 《残忍な切断》
2 《時を越えた探索》

-呪文(21)-
3 《払拭》
3 《精神背信》
2 《軽蔑的な一撃》
2 《究極の価格》
2 《前哨地の包囲》
1 《光輝の炎》
1 《命運の核心》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-サイドボード(15)-
hareruya




■ Grixis Dragonsを選択した理由



Daniel: 元々ドラゴンが好きだったのと、現在のトップメタの「4C Rally」や「Bant Company」に対して飛行が強いから、今大会に向けては「RB Dragons」を考えていたんだ。そこでどんなバージョンがいいかリサーチしているときに、Chanelfireballのサイトにアップされていた【Reid Dukeの記事】を読んだ。

 記事に挙げられていたリストを見てこれだと思って調整を始めて、MOのリーグでも4-1以上の成績を何度も残すことができて好感触だったんだ。タッチ青はとてもいいアイディアで、現在のスタンダードで最高の2マナクリーチャーである《ヴリンの神童、ジェイス》が入ることで必要なカードや土地を引き当てやすくなるし、《軽蔑的な一撃》のようなカウンターも現在のスタンダードのメタでは良いポジションにある。


--なるほど。確かに飛行は「4C Rally」や「Bant Company」といったデッキに強いから、そういったデッキがトップメタの現在ではよさそうな選択だね。


Daniel: 「4C Rally」と「Bant Company」に強くて、《光輝の炎》をメインから採用しているから「Atarka Red」との相性も悪くない。今大会で注目を集めていた「Hardened Scales」は勝てないマッチではないと思うけど、互角~微不利だと思う。「Grixis」よりもカードパワーが高い「Eldrazi Ramp」とのマッチは苦戦しそうだね。

 「Bant Company」には(スイス最終戦の「4C Company」を除いて)勝てた。


--Rallyとは一度も当たらなかった?


Daniel: 不思議なことに、今大会では一度も当たらなかったんだよ。 


■ 各カードの解説



嵐の憤怒、コラガン雷破の執政ゲトの裏切り者、カリタス


Daniel: 《嵐の憤怒、コラガン》《雷破の執政》が主なフィニッシャーで《ゲトの裏切り者、カリタス》はメインから無理なく入る「4C Rally」対策だ。《光輝の炎》との組み合わせはすばらしいよ。


忌呪の発動苦い真理


Daniel: 《忌呪の発動》は現在のメタではあまり強そうな除去には見えないけど、《苦い真理》を有効に使うためにライフゲインはとても重要で、まだまだ人気のあるAbzan Aggroなどには有効な除去スペルだ。


炎呼び、チャンドラ前哨地の包囲


Daniel: 《炎呼び、チャンドラ》はベストなカードの1枚で採用しない理由が見当たらなかった。

 《前哨地の包囲》は今回最も活躍したカードの1枚で、コントロールやミッドレンジとのマッチで投入される。現環境では過小評価されているカードだけど、エンチャント対策が薄く《ドロモカの命令》もこのデッキに対してはあまり強くないから多くの場合サイドアウトされているのもあって対策もされにくい。


究極の価格


Daniel: 《究極の価格》は今大会でポピュラーだった「Hardened Scales」に対して有効な除去スペルだった。提案してくれた友人のPedro Carvalhoには感謝しているよ。


軽蔑的な一撃払拭


Daniel: 《軽蔑的な一撃》は「4C Rally」、「Bant Company」、「Mardu Green」、ミラーマッチなど多くのマッチで使われるカウンターで、《払拭》も「4C Rally」や「Bant Company」に対しても有効な妨害スペルだけど、この1マナのカウンターは《嵐の憤怒、コラガン》《雷破の執政》《残忍な切断》などのインスタントスピードの除去から守るために使うことの方が多かったね。


--なるほど。《炎呼び、チャンドラ》《ゲトの裏切り者、カリタス》と相性も良くて《究極の価格》は「Hardened Scales」のように単色のクリーチャーが中心のデッキに対しては必須カードになりそうだね。


Daniel: 《炎呼び、チャンドラ》《ゲトの裏切り者、カリタス》を同時に引き当てる機会はなかったけど、それらのカードを採用していた理由の一つだね。


--今後同じデッキを使うとして何か変更したい点とかある?


Daniel: 今回のリストはコントロール寄りだったから少しアグロ寄りにしてみようと考えている。《冷酷な軍族》《黄金牙、タシグル》を入れて、《頑固な否認》もメインから採用するのもありかな。まだ調整段階だけどね。


--今回はインタビューに協力してくれてありがとう。改めてシルバーレベル獲得おめでとう!プロツアーでも頑張って。



 大型の飛行クリーチャーがフィニッシャーの「Grixis Dragons」は飛行対策の薄い現環境ではたしかに強そうです。「4C Rally」や「Bant Company」といった王道のデッキ以外のデッキを使いたいという方にもお勧めできるアーキタイプです。



GPT東京 in 晴れる屋トーナメントセンター トップ8
~Abzan Aggroが再び頂点に~


2016年3月5日

カベヤ アツシ
※画像は【GPT東京0305(スタンダード) カバレージ】より引用。


1位 Abzan Aggro
2位 Jeskai Dragons
3位 4C Rally
4位 4C Rally
5位 4C Company
6位 Grixis Control
7位 4C Rally
8位 Jeskai Black

トップ8のデッキリストは【こちら】

 伝統的な「Abzan Aggro」が久々に優勝を収めたGPT東京。現スタンダードのトップメタの「4C Rally」は優勝こそ逃したもののプレイオフに3名送り込むなど相変わらず安定したパフォーマンスを見せます。他には「Grixis Control」や「Jeskai Dragons」、「4C Company」などが見られ、「Eldrazi Ramp」や「Atarka Red」は見られませんでした。

 普段はGPTを取り扱っておりませんが、今回は参加者166名と非常に多くの参加者が集まったため、記事に取り上げさせていただきました。



GPT東京 デッキ紹介

「Jeskai Dragons」




シンハマ タカヒコ「Jeskai Dragons」
GPT東京0305(スタンダード)(2位)

2 《島》
2 《山》
1 《平地》
2 《大草原の川》
2 《燻る湿地》
1 《窪み渓谷》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
4 《さまよう噴気孔》

-土地(26)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《カマキリの乗り手》
4 《雷破の執政》
2 《龍王オジュタイ》
1 《漂う死、シルムガル》

-クリーチャー(15)-
3 《払拭》
4 《龍詞の咆哮》
4 《シルムガルの嘲笑》
2 《焙り焼き》
3 《残忍な切断》
3 《時を越えた探索》

-呪文(19)-
4 《軽蔑的な一撃》
3 《精神背信》
3 《光輝の炎》
2 《コラガンの命令》
2 《龍王シルムガル》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
hareruya



 惜しくも優勝は逃したものの、飛行クリーチャーを多数採用したJeskai Dragonsは現在有利なポジションに位置しています。ドラゴンクリーチャーを多数採用しているため《龍詞の咆哮》《シルムガルの嘲笑》といったドラゴンボーナススペルを無理なく運用できるため全体的にデッキパワーが高めになっています。


☆注目ポイント

 《カマキリの乗り手》《雷破の執政》《龍王オジュタイ》《漂う死、シルムガル》メインから合計11体の飛行クリーチャーを採用しているこのデッキは、飛行対策の薄い「4C Rally」や「Bant Company」などに対して安定して攻撃を通すことを可能です。

 メインから採用されている《払拭》《シルムガルの嘲笑》の2種類の軽いカウンターがクロックを守ると同時に相手の決定的なスペルを妨害します。


カマキリの乗り手雷破の執政龍王オジュタイ


 サイドには追加の妨害スペルに《軽蔑的な一撃》《精神背信》が見られ、「4C Rally」や「Eldrazi Ramp」を強く意識しているようです。


軽蔑的な一撃精神背信




総括

 「4C Rally」の勢いは衰える気配を見せず、ローテーションまでトップメタに留まり続けそうです。

 《反射魔道士》を使ったデッキが強いため、その影響を受けない「Eldrazi Ramp」や「Grixis Control」は有効な選択肢になるでしょう。他にも「Hardened Scales」や「BR(Grixis) Dragons」のように「4C Rally」や「Bant Company」の飛行対策の薄いという弱点を突いた戦略が中心です。

 果たして環境終盤に開催される【GP Paris】、SCGO Indianapolisではどのような結果になるのでしょうか。

 以上USA Standard Express vol.67でした。次回の記事では【GP Paris】、SCGO Indianapolisの結果をカバーしていく予定です。

 それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!



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