USA Standard Express vol.72 -GP New York2016 etc.-

Kenta Hiroki





 皆さんこんにちは。

 【グランプリ・東京2016】も終了しましたが、SCGのイベントや海外のグランプリなど、まだまだ現環境のスタンダードは続きます。

 さて、今回の記事では【グランプリ・ニューヨーク2016】とグランプリ・東京2016の入賞デッキを見ていきたいと思います。



【グランプリ・ニューヨーク2016】
~現世界チャンピオンがBW Controlでタイトル獲得!~


2016年5月7-8日

Seth Manfield
※画像は【Magic: the Gathering 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。


1位 BW Control
2位 4C Rites
3位 4C Rites
4位 GW Tokens
5位 GW Tokens
6位 BW Midrange
7位 GW Tokens
8位 Grixis Control


トップ8のデッキリストは【こちら】


 グランプリ・トロント2016と同様にGW Tokensが人気のアーキタイプで、プレイオフにも3名を送り込むという安定したパフォーマンスを見せます。

 また、《集合した中隊》のバリエーションの一つで《謎の石の儀式》によって爆発力を高めた4C Ritesも結果を残しています。

 そんな中、優勝を収めたのはBW Controlです。各種CompanyやHumansなどのクリーチャーを並べるデッキが主流となっている現在のスタンダードは、《衰滅》を使ったデッキにとって有利な環境です。



グランプリ・ニューヨーク2016 デッキ紹介

「BW Control」「4C Rites」「BW Midrange」



Seth Manfield「BW Control」
グランプリ・ニューヨーク2016(優勝)

6 《沼》
3 《平地》
4 《コイロスの洞窟》
4 《放棄された聖域》
4 《乱脈な気孔》
3 《ウェストヴェイルの修道院》
1 《荒廃した湿原》

-土地 (25)-


-クリーチャー (0)-
3 《荒野の確保》
3 《闇の掌握》
2 《精神背信》
2 《神聖なる月光》
2 《究極の価格》
4 《骨読み》
3 《苦渋の破棄》
2 《破滅の道》
4 《衰滅》
1 《次元の激高》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
3 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
2 《死の宿敵、ソリン》

-呪文 (35)-
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《強迫》
2 《精神背信》
2 《死の重み》
1 《静寂を担うもの》
1 《変位エルドラージ》
1 《難題の予見者》
1 《神聖なる月光》
1 《究極の価格》

-サイドボード (15)-
hareruya



 メインは完全にノンクリーチャーのBW Control。相手の除去が無駄になる分だけ実質上のアドバンテージに繋がり、メインから合計5枚搭載されているスイーパーによってクリーチャーを並べる4C Company Ritesなどに対して有利となるデッキです。

 クリーチャーを採用していない分、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》《死の宿敵、ソリン》といった合計9枚のプレインズウォーカーが採用されており、どれもそれ1枚でゲームを決定付けられるほどのカードパワーです。


ゼンディカーの同盟者、ギデオン灯の再覚醒、オブ・ニクシリス死の宿敵、ソリン




☆注目ポイント

 《荒野の確保》はこのデッキの主な勝ち手段の一つで、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《ウェストヴェイルの修道院》との組み合わせによって一気に決着を付けることができます。


荒野の確保


 このデッキのフィニッシャーであるプレインズウォーカーを守るための5枚のスイーパーに加え、《闇の掌握》《究極の価格》《苦渋の破棄》《破滅の道》と除去が多めに採用されています。


闇の掌握究極の価格苦渋の破棄破滅の道


 《苦渋の破棄》は多目的な解答として活躍する除去で、ライフロスが痛いこともありますが環境の数少ないインスタントスピードの除去として相手のプレインズウォーカーや《搭載歩行機械》に対して有効です。また、《龍王シルムガル》のETB能力にスタックしてプレインズウォーカーを奪われる前に除去することも可能です。

 このデッキの最大の特徴は何と言ってもメインから採用されている《神聖なる月光》です。前環境ではRallyやBant Companyが幅を利かせていたためメインでも見られるカードでしたが、現環境でもBant COmpanyや4C Ritesといった《集合した中隊》デッキが存在し、GW Tokensや同型の《荒野の確保》対策にもなり、最悪でもキャントリップなので無駄になることもありません。

 気を付けておきたいのは《神聖なる月光》の効果は双方に及ぶので、これをキャストしたことを忘れてうっかり自分の《荒野の確保》などを無効化させないように注意しましょう。


神聖なる月光


 サイドには追加の勝ち手段として《変位エルドラージ》《難題の予見者》《ゲトの裏切り者、カリタス》といったクリーチャーが見られます。除去の少ないGW Tokensなどにサイドインされます。

 《静寂を担うもの》はEsper Dragonsの《龍王オジュタイ》対策で、普通に2マナのクロックとして出しても強いクリーチャーです。


変位エルドラージ難題の予見者ゲトの裏切り者、カリタス静寂を担うもの




Louis Deltour「4C Rites」
グランプリ・ニューヨーク2016(3位)

3 《森》
1 《島》
1 《平地》
1 《沼》
4 《進化する未開地》
3 《コイロスの洞窟》
4 《ラノワールの荒原》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》
3 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (24)-

4 《壌土のドライアド》
4 《エルフの幻想家》
4 《薄暮見の徴募兵》
2 《ズーラポートの殺し屋》
4 《変位エルドラージ》
4 《反射魔道士》
4 《地下墓地の選別者》
3 《血統の観察者》

-クリーチャー (29)-
4 《集合した中隊》
3 《謎の石の儀式》

-呪文 (7)-
4 《森の代言者》
4 《現実を砕くもの》
2 《難題の予見者》
2 《否認》
2 《精神背信》
1 《悟った苦行者》

-サイドボード (15)-
hareruya



 現在のプロシーンで活躍するチームEast West Bowlが制作した4色の《集合した中隊》デッキ。4色のデッキは現在のスタンダードのマナ基盤では無理がある印象ですが《謎の石の儀式》がそれを可能にします。


謎の石の儀式


 Bant Companyがミッドレンジ《集合した中隊》デッキなら、4C Ritesはコンボ型《集合した中隊》デッキです。

 トークンや《搭載歩行機械》を無効化させる《変位エルドラージ》《反射魔道士》も合わさることによってGW Tokensに対してはメインでは有利です。サイド後は《悲劇的な傲慢》に気を配りつつ《薄暮見の徴募兵》でアドバンテージを取っていきます。


変位エルドラージ反射魔道士


 GW Tokensよりは難しくなりますがBant Companyも相性がいいデッキの一つです。

 苦手なデッキはスイーパーを搭載したBW Controlなどで、クロックの速いHumansもやや不利なマッチとなります。



☆注目ポイント

 基本的にはAbzanカラーですが、このデッキが苦手とするコントロールのスイーパーなどを打ち消す《否認》やスタンダード環境を定義するほどの優秀なETB能力を持つ《反射魔道士》のために青をタッチしています。

 《反射魔道士》《変位エルドラージ》は除去が少ないGW TokensやBant Companyに対して無類の強さを発揮します。

 このデッキのメインの勝ち手段は《変位エルドラージ》《ズーラポートの殺し屋》《血統の観察者》による無限コンボです。


変位エルドラージズーラポートの殺し屋血統の観察者


 これらのパーツを探すカードが多く採用されており、《集合した中隊》はコンボパーツの《変位エルドラージ》《ズーラポートの殺し屋》を引っ張ってくることはもちろん、それらを探すことに貢献する《エルフの幻想家》《地下墓地の選別者》《薄暮見の徴募兵》といったクリーチャーや、マナ基盤をサポートする《壌土のドライアド》などを集合させます。


エルフの幻想家地下墓地の選別者薄暮見の徴募兵壌土のドライアド


 コンボパーツの《血統の観察者》はETB能力によってトークンを3体生み出すのでアドバンテージを取りやすく、単体でも十分な強さを持ち、《謎の石の儀式》によって更に展開していくことも可能です。

 苦手なコントロールなどに対しては、サイド後にコンボパーツを減らして《現実を砕くもの》《難題の予見者》といったエルドラージクリーチャーや、《森の代言者》を投入するという変形サイドプランを採っています。特に《現実を砕くもの》は5/5というサイズに加えて速攻、除去耐性持ちと優秀なクロックとして活躍します。


現実を砕くもの難題の予見者森の代言者




Interview With Daniel Ward

Daniel Ward
※画像は【Magic: the Gathering 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。

 グランプリに精力的に参加し、コンスタントにプロポイントを稼いでいるシルバープロのDaniel Wardは今大会で見事にトップ8入賞を果たし、プロツアーへの参加権を手に入れました。【以前もインタビューに協力してくれた】プレイヤーで、今回も彼の使用していたデッキについてお話を聞くことができました。

 Daniel Wardは【Kirwan’s Game Store】にて【コンテンツ】を提供しているプレイヤーでもあります。

 メインノンクリーチャーのSethのBW Controlと異なりプレインズウォーカーやスイーパーは少なめで、《ゲトの裏切り者、カリタス》など中堅クリーチャーが多めのミッドレンジ寄りの構成です。



Daniel Ward「BW Midrange」
グランプリ・ニューヨーク2016(6位)

5 《沼》
3 《平地》
4 《コイロスの洞窟》
4 《放棄された聖域》
4 《乱脈な気孔》
3 《荒廃した湿原》
3 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (26)-

3 《搭載歩行機械》
2 《永代巡礼者、アイリ》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (10)-
2 《荒野の確保》
3 《精神背信》
2 《究極の価格》
2 《闇の掌握》
1 《石の宣告》
3 《骨読み》
3 《苦渋の破棄》
2 《衰滅》
1 《悲劇的な傲慢》
1 《絹包み》
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《死の宿敵、ソリン》

-呪文 (24)-
3 《現実を砕くもの》
3 《強迫》
2 《難題の予見者》
2 《神聖なる月光》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《衰滅》
1 《悲劇的な傲慢》
1 《絹包み》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード (15)-
hareruya





■ BW Midrangeを選択した理由

Daniel: 【グランプリ・トロント2016で15-0していたリスト】を見て(グランプリ・トロント2016でJosh Buitenhuisは初のグランプリにも関わらず、BW Controlを使用して予選ラウンド15-0というレコードでプレイオフに進出していた)、これだと思って白黒を調整した。《ゲトの裏切り者、カリタス》は現環境でベストなクリーチャーの一枚だと思い、このカードを使いたかったのも黒いコントロールを選択した理由の一つだ。

――《搭載歩行機械》《ズーラポートの殺し屋》対策になる《ゲトの裏切り者、カリタス》は現環境ではたしかに強いね。

Daniel: そうだね。特にアグロに対して強いクリーチャーだ。3/4絆魂は2/3クリーチャーが多い環境において、除去されずに生き残れば一方的に場を支配することができる。


ゲトの裏切り者、カリタス


――《永代巡礼者、アイリ》はあまり見かけないクリーチャーだけど、使ってみた感想を聞かせてもらえる?

Daniel: 《永代巡礼者、アイリ》はとても強いクリーチャーで、この環境に必要な様々な要素を持ち合わせている。早い段階で出された《森の代言者》をブロックできるし、後のターンでは《大天使アヴァシン》を「変身」させることができる。《搭載歩行機械》とのシナジーも無視できない要素だね。


永代巡礼者、アイリ


――除去の種類も多めで《悲劇的な傲慢》《石の宣告》といった1枚挿しも多いね。

Daniel: メタが固まり切っていない環境でコントロールを組むには様々な状況に対応できるようにする必要があるから、可能な限り色々な種類の除去を採用した。1枚挿しの中でも《絹包み》は特に気に入っている。《搭載歩行機械》などの様々なクリーチャーを追放することができるからね。

《悲劇的な傲慢》をメインからプレイしているからあまり多くエンチャントは入れなかったけど、1枚だけならそこまで影響はないと思った。他の白黒と比べるとクリーチャーを多めに採っているからスイーパーの《衰滅》も少なめに採用している。


石の宣告悲劇的な傲慢絹包み


――サイドボードについても説明お願いできる?特にエルドラージクリーチャーについて。

Daniel: デッキ内の脅威の種類をより多様化したかったから、エルドラージクリーチャー(《現実を砕くもの》《難題の予見者》)をサイドに採用した。

《現実を砕くもの》は除去するのが難しく、速攻はアグロプランに適している。他のコントロールやミッドレンジとの対戦でプレインズウォーカー対策にもなる。《難題の予見者》もコントロール、ミッドレンジ、ランプのようにロングゲームを挑んでくる相手に妨害手段を持ち合わせた追加の脅威としてサイドインされる。あとは相手に合わせて追加の除去やスイーパー、妨害をサイドインする。


難題の予見者現実を砕くもの


――環境に存在するデッキとのマッチアップについてはどう?

Daniel: 相性のいいマッチアップはクリーチャーデッキ全般(Humans、Company)で、GrixisやEsperとのマッチアップも悪くない。GW Tokensは50/50でランプやエルドラージは相性の悪いマッチになるね。

――なるほど。GW TokensやCompany系のデッキはまだまだ人気のあるデッキだから白黒にとっていい環境みたいだね。

――最後に、今シーズンの目標は?

Daniel: 今シーズンはゴールドレベルを狙っていきたいね。

――それはとても素晴らしいね。今回はインタビューに協力してくれてありがとう。次のグランプリも頑張って!



【グランプリ・東京2016】
~3000人を超えるプレミアイベントを制したのはオリジナルのNaya Midrange~


2016年5月7-8日

熊谷 陸
※画像は【マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト】より引用させていただきました。


1位 Naya Midrange
2位 Grixis Control
3位 GW Tokens
4位 GW Tokens
5位 BG Husk
6位 WB Humans
7位 Grixis Control
8位 4C Rites


トップ8のデッキリストは【こちら】


 参加者3335名という記録的な数字を出し、大盛況のうちに幕を閉じたグランプリ・東京2016。

 多種多様なデッキが活躍できる環境であることがプロツアーで証明され、今大会でもオリジナルのNaya Midrangeが優勝を収めました。他にはGW TokensやGrixis Control、グランプリ・ニューヨーク2016でも準優勝を収めていた4C Ritesなどが結果を残しています。



グランプリ・東京2016 デッキ紹介

「Naya Midrange」「Human Bant Company」



熊谷 陸「Naya Midrange」
グランプリ・東京2016(優勝)

5 《森》
5 《平地》
1 《山》
4 《梢の眺望》
3 《燃えがらの林間地》
4 《進化する未開地》
1 《戦場の鍛冶場》
1 《要塞化した村》
2 《鋭い突端》

-土地 (26)-

4 《森の代言者》
1 《エルフの幻想家》
4 《不屈の追跡者》
3 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《大天使アヴァシン》
1 《保護者、リンヴァーラ》
2 《龍王アタルカ》

-クリーチャー (19)-
1 《光輝の炎》
4 《ニッサの誓い》
2 《絹包み》
4 《停滞の罠》
3 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-呪文 (15)-
3 《光輝の炎》
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 《死天狗茸の栽培者》
2 《悲劇的な傲慢》
1 《ラムホルトの平和主義者》
1 《翼切り》
1 《邪悪な囁き》
1 《絹包み》
1 《山》

-サイドボード (15)-
hareruya



 オリジナルデッキで見事に優勝を果たした熊谷選手。プロツアーにも数回参加経験のある強豪プレイヤーです。

 《森の代言者》《不屈の追跡者》《大天使アヴァシン》、そして《龍王アタルカ》といった各色から優秀なクリーチャーで構成されており、《炎呼び、チャンドラ》《先駆ける者、ナヒリ》、サイドには 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といったプレインズウォーカーも多めに積んであるのでデッキパワーが高く、流行りのGW TokensやGrixis Controlなどに強い構成です。



☆注目ポイント

 《先駆ける者、ナヒリ》はリリース当初こそあまり高い評価はされていなかったプレインズウォーカーでしたが、最近はモダンでも通用するカードパワーであることが証明されています。タップ状態限定ですが除去としても機能し、《永遠の見守り》《停滞の罠》《紅蓮術師のゴーグル》《謎の石の儀式》といった置物への対策としても活躍します。《龍王アタルカ》というフィニッシャーを採用しているので奥義も脅威となります。


先駆ける者、ナヒリ


 このデッキは《先駆ける者、ナヒリ》やサイド後の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、フィニッシャーの《龍王アタルカ》に繋げるために毎ターン土地を置くことが重要となります。

 多めに採用された《巨森の予見者、ニッサ》《森》を手札に加えることでカードアドバンテージとともに4枚目以降の土地を保証します。《ニッサの誓い》も必要な土地を探すことに貢献します。


巨森の予見者、ニッサニッサの誓い


 《龍王アタルカ》はコストこそやや重いものの、8/8飛行・トランプルという性能に加えてプレインズウォーカーとクリーチャーにダメージが入るので、これ一体で場を制圧することが可能です。多くのデッキに採用されている《闇の掌握》《究極の価格》《衰滅》《ドロモカの命令》などの環境の多くの除去が効かないこともこの龍王の強みです。


龍王アタルカ


 タフネス3以下のクリーチャーが中心の現環境では《光輝の炎》も強力なスイーパーとして活躍が期待できるので、メイン採用も納得です。



渡辺 雄也「Human Bant Company」
グランプリ・東京2016(10位)

5 《平地》
3 《森》
1 《島》
3 《梢の眺望》
3 《大草原の川》
4 《進化する未開地》
4 《要塞化した村》
1 《港町》
1 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地 (25)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《ラムホルトの平和主義者》
4 《サリアの副官》
3 《薄暮見の徴募兵》
3 《白蘭の騎士》
4 《反射魔道士》
3 《不屈の追跡者》

-クリーチャー (25)-
4 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》
2 《オジュタイの命令》

-呪文 (10)-
3 《否認》
3 《グリフの加護》
2 《棲み家の防御者》
2 《死者を冒涜するもの》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《ランタンの斥候》
1 《不屈の追跡者》
1 《優雅な鷺、シガルダ》

-サイドボード (15)-
hareruya



 プラチナプロの渡辺 雄也選手は今大会ではタイブレーカー争いに敗れ惜しくもトップ8は逃したものの、オリジナルのHuman Bant Companyでトップ16に入賞しています。

 Bant CompanyとHumansという環境初期の二つのトップメタデッキを一つのデッキにしたような構成で、《ヴリンの神童、ジェイス》《跳ねる混成体》といった青いクリーチャーや《森の代言者》の代わりに《サリアの副官》《スレイベンの検査官》《白蘭の騎士》といった「人間」クリーチャーを多数採用しています。


サリアの副官スレイベンの検査官白蘭の騎士




☆注目ポイント

 《スレイベンの検査官》《白蘭の騎士》は低マナコストながらアドバンテージを提供し、《サリアの副官》の恩恵を受ければクロックとしても十分に活躍します。

 《サリアの副官》《集合した中隊》からめくれた際にはコンバットトリックとしても機能します。元々Bant Companyの主力としていた《薄暮見の徴募兵》《反射魔道士》《不屈の追跡者》が人間クリーチャーであることから、《サリアの副官》はこのデッキで最も重要なクリーチャーの一枚となります。また、2マナクリーチャーであることを利用して《オジュタイの命令》相手のクリーチャーをカウンターしつつ墓地から釣り上げて全体強化することも可能です。

 サイドの《死者を冒涜するもの》は「濫用」することで相手のクリーチャーをバウンスすることが可能で、クリーチャーを並べてくるHumansやトークンの群れを一掃するのに役立ちます。


死者を冒涜するもの


 コントロール相手に軸をずらした戦略としては《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》も見られます。「-4」能力で全体強化したりとHumansの要素を持ち合わせたこのデッキの方向性にフィットしています。


ゼンディカーの同盟者、ギデオン




総括

 GW Tokensはプロツアーでの優勝以来トップメタに留まり続けています。環境初期でトップメタであったBant Companyは数を減らし、最近ではサクリファイスエンジンによるコンボに特化した4C RitesがCompany系のメインストリームとして各大会で結果を残し続けています。BW ControlやGrixis Controlといった環境のデッキをメタったコントロールデッキも上位で見かけるようになりました。

 グランプリ・東京2016で優勝したNaya Midrangeが採用していた《龍王アタルカ》は現環境に存在する多くのデッキに対して強さを発揮するフィニッシャーで、今後も赤緑というカラーにアクセスができるミッドレンジやコントロールなどで見かけることになりそうです。

 今月末に開催されるグランプリ・ミネアポリス2016とグランプリ・マンチェスター2016ではどのようなデッキが結果を残すのか?絶えず変化を続けるスタンダードから目が離せません。

 以上、USA Standard Express vol.72でした。

 それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!



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