週刊デッキウォッチング vol.99 -ゴンティ忍者エヴォリューション-

伊藤 敦

伊藤 敦



 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。



 この連載は【晴れる屋のデッキ検索】から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。






■ スタンダード: ローグ



Maeda Akihiro「ローグ」
FNM17時の部(3-0)

3 《山》
2 《島》
1 《平地》
2 《感動的な眺望所》
1 《植物の聖域》
1 《尖塔断の運河》
3 《伐採地の滝》
1 《さまよう噴気孔》
4 《霊気拠点》

-土地 (18)-

4 《光り物集めの鶴》
3 《鋳造所の検査官》
3 《コジレックの伝令》
1 《金属製の巨像》

-クリーチャー (11)-
3 《霊気との調和》
2 《光輝の炎》
3 《逆説的な結果》
2 《白日の下に》
1 《燻蒸》
1 《チャンドラの誓い》
2 《縫い師の移植》
3 《予言のプリズム》
3 《金属紡績工の組細工》
2 《耕作者の荷馬車》
1 《行き詰まりの罠》
4 《霊気貯蔵器》
2 《面晶体の記録庫》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《サヒーリ・ライ》

-呪文 (31)-
3 《金線の使い魔》
2 《神聖な協力》
2 《光輝の炎》
2 《失跡》
1 《金属製の巨像》
1 《縫い師の移植》
1 《行き詰まりの罠》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-サイドボード (15)-
hareruya



霊気貯蔵器逆説的な結果コジレックの伝令



 《霊気貯蔵器》を使ったデッキは【vol.94】でも紹介したが、今回は《霊気貯蔵器》への新たなアプローチを紹介しよう。

 《鋳造所の検査官》《コジレックの伝令》でアーティファクトを軽くし、並べていく……それ自体は《金属製の巨像》デッキで見られた手法だが、このデッキはそれを《霊気貯蔵器》デッキに混ぜ込んだ。

 0マナのアーティファクトを採用していないため、コストが軽くなった状態でないと呪文の連続プレイは難しいが、その分単品で場を支えられるものが増えているため、コントロールのように振る舞える。役目を終えた《光り物集めの鶴》にも《縫い師の移植》を装備すれば立派なブロッカーだ。

 さらに《白日の下に》は呪文を2回プレイすることになるため、複数枚の《霊気貯蔵器》が設置してあればものすごいライフを獲得できる。見た目は歪だが、《霊気貯蔵器》の新たな使い方を追求した力作だ。


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■ モダン: ローグ



Shinohara Gen「ローグ」
晴れる屋モダン杯(5-1)

1 《森》
1 《島》
1 《沼》
2 《草むした墓》
1 《繁殖池》
1 《湿った墓》
4 《汚染された三角州》
4 《新緑の地下墓地》
3 《忍び寄るタール坑》
4 《花盛りの湿地》
1 《植物の聖域》

-土地 (23)-

4 《とぐろ巻きの巫女》
4 《根の壁》
1 《漁る軟泥》
1 《呪文滑り》
2 《深き刻の忍者》
2 《深淵の迫害者》
2 《豪華の王、ゴンティ》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《墓所のタイタン》
1 《老いたる深海鬼》

-クリーチャー (20)-
4 《コジレックの審問》
3 《思考囲い》
3 《突然の衰微》
2 《集団的蛮行》
3 《異界の進化》
1 《大渦の脈動》
1 《残忍な切断》

-呪文 (17)-
3 《失われた遺産》
2 《虚無の呪文爆弾》
1 《再利用の賢者》
1 《沈黙の調停者》
1 《誘惑蒔き》
1 《概念泥棒》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《エレンドラ谷の大魔導師》
1 《スラーグ牙》
1 《膨らんだ意識曲げ》
1 《最後の望み、リリアナ》
1 《生命の力、ニッサ》

-サイドボード (15)-
hareruya



豪華の王、ゴンティ深き刻の忍者深淵の迫害者



 世の中にはわけのわからないデッキというものが存在する。

 確かに《豪華の王、ゴンティ》《深き刻の忍者》との相性は良い。接死を持つ《豪華の王、ゴンティ》をわざわざブロックもしないだろうから簡単に「忍術」できるし、《豪華の王、ゴンティ》は一度場に出ればあとはどこへ行こうが追放したカードをプレイできることに変わりはないため、「忍術」で手札に戻して再利用し、相手に見えない手札を蓄えていくのは有効な戦略だ。

 また役目を終えた《深き刻の忍者》《異界の進化》するのは無駄がない。2マナで4マナのクリーチャーが場に出せる「忍術」から《墓所のタイタン》につなげるのは、マナの二段踏み倒しであり、決まればさながら忍法の奥義のようなインパクトを与えることができるだろう。

 だがしかし、これくらいではこのデッキのギミックを語りつくしたことにはならない。フル搭載された《根の壁》の役割は?なぜ4マナ域は《深淵の迫害者》なのか?《老いたる深海鬼》の必然性は?デッキリストの全貌が見えてもなお解き明かせない謎をいくつも残すこのデッキは、まるで億光年の彼方から受信した現在の科学技術では解明できないメッセージのごとく、超宇宙的な発想で組み上げられているように思われる。


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■ レガシー: 親和



Shinohara Gen「親和」
Known Magicians Clan – 69th(2位)

4 《空僻地》
4 《大焼炉》
4 《古えの居住地》
3 《囁きの大霊堂》

-土地 (15)-

4 《羽ばたき飛行機械》
4 《メムナイト》
4 《信号の邪魔者》
4 《模範的な造り手》
3 《ボーマットの急使》
3 《綱投げ、アキリ》
4 《金属ガエル》

-クリーチャー (26)-
4 《感電破》
1 《最後の賭け》
2 《マルドゥの隆盛》
4 《オパールのモックス》
4 《バネ葉の太鼓》
4 《頭蓋囲い》

-呪文 (19)-
4 《虚空の力線》
2 《エーテル宣誓会の法学者》
2 《紅蓮破》
2 《摩耗+損耗》
2 《鞭打ち炎》
2 《ギラプールの霊気格子》
1 《精神染み》

-サイドボード (15)-
hareruya



ボーマットの急使綱投げ、アキリマルドゥの隆盛



 世の中にはわけのわからないデッキというものが存在する。(2回目)

 《綱投げ、アキリ》というカードは、アーティファクトを並べれば並べるほど強くなる。いわば《頭蓋囲い》内蔵クリーチャーのようなものだから、親和デッキに入れればいい、というのはまだ通常の発想だ。だが、誰がこのデッキに《マルドゥの隆盛》をぶち込もうなどと考えるだろうか?

 『カラデシュ』から登場した《模範的な造り手》は、このデッキで使うならばスーパー《野生のナカティル》となる。《信号の邪魔者》の「喊声」は攻撃時の誘発型能力なので、《マルドゥの隆盛》の誘発能力を先に解決するようにすれば、ゴブリン・トークンも強化できる。手札をすべてダンプし終えた後は《ボーマットの急使》の能力が光る。

 さらにこのデッキの最強コンボ(?)カードは、1度しか打てないがゆえに1枚しか入っていない切り札、《最後の賭け》《マルドゥの隆盛》を設置した状態でこのカードをプレイすれば、対戦相手は宇宙の彼方までも吹き飛んでいくに違いない。


【「親和」でデッキを検索】





■ フロンティア: ローグ



Jrsomethin「ローグ」
MTGFrontier Community Tournament – Week 1(2位)

3 《森》
1 《山》
1 《沼》
2 《燃えがらの林間地》
1 《燻る湿地》
4 《樹木茂る山麓》
1 《血染めのぬかるみ》
4 《花盛りの湿地》
4 《霊気拠点》
1 《ウギンの聖域》

-土地 (22)-

4 《導路の召使い》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1 《女王スズメバチ》
4 《約束された終末、エムラクール》

-クリーチャー (10)-
4 《霊気との調和》
4 《蓄霊稲妻》
2 《放埒》
4 《発生の器》
4 《織木師の組細工》
4 《霊気池の驚異》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》
4 《精霊龍、ウギン》

-呪文 (28)-
3 《焦熱の衝動》
3 《コジレックの帰還》
2 《スズメバチの巣》
2 《世界を壊すもの》
2 《強迫》
1 《集団的蛮行》
1 《光輝の炎》
1 《残忍な切断》

-サイドボード (15)-
hareruya



女王スズメバチ霊気池の驚異精霊龍、ウギン



 スタンダードで活躍する/していたデッキがフロンティア環境で欠けていた最後のピースを見つけ、完成形へと至るというのはよくある話だ。多くのデッキにとってそれはフェッチ+バトランによる強靭なマナベースであることがほとんどだが、《霊気池の驚異》デッキの場合は、フロンティアで最強の相棒との邂逅を果たす。

 それは《精霊龍、ウギン》《霊気池の驚異》からめくれる「当たり」はプレイ時のインパクトもさることながら、うっかり手札に来てしまっても素でプレイできるくらいのマナコストであることが望ましい。その点《精霊龍、ウギン》は8マナと素でプレイしうるコストで、効果も申し分ない。「-X」能力を起動しても《霊気池の驚異》が吹き飛ばないのも地味に嬉しいポイントだ。

 また《女王スズメバチ》は攻撃・防御性能ともに《墓後家蜘蛛、イシュカナ》も超えるスペックで、露払いとしては申し分ない。こちらは7マナということで、《反逆の先導者、チャンドラ》の「+1」能力から5ターン目にダイレクトに届きうるマナ域なのが頼もしい。

 フロンティアでアーティファクトを主軸にすると《コラガンの命令》が怖いが、《霊気池の驚異》ならばプレイ時に少なくとも1回は起動できるため、そこで「当たり」を引いてしまえばもう怖いものはない。はたして1月9日(月・祝)のフロンティア神決定戦ではどのようなアイデアが披露され、何が勝ち残るのだろうか?ぜひとも出場して、「フロンティア神」の座を目指してみて欲しい。


【「ローグ」でデッキを検索】






 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!


【晴れる屋でデッキを検索する】



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