みなさんこんにちは。
『異界月』がスタンダードリーガルとなり新環境に突入しましたが、皆さんは楽しくスタンダードをプレイされていますか?
アメリカでは『異界月』のリリース早々、スタンダードのオープンイベントが開催されました。参加者は600人弱。新セットリリース直後ということもあり、大盛況でした。
今回の連載では【SCGO Columbus】の入賞デッキをご紹介していきたいと思います。
SCGO Columbus トップ8
~プレビューでも話題だった《呪文捕らえ》が大活躍~
2016年7月23-24日
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。 |
1位 Bant Company
2位 Sultai Midrange
3位 Bant Company
4位 GW Tokens
5位 Bant Company
6位 GR Goggles
7位 BG Seasons Past
8位 BW Angel Control
トップ8のデッキリストは【こちら】
『異界月』の加入により大きな変化のあったスタンダード環境は、話題の新カードである《呪文捕らえ》を採用したBant Companyが多数入賞を収め、優勝もBant Companyでした。Bant Companyは【最も多くの二日目進出者を出し】、トップ32の半数以上を占めるという凄まじいパフォーマンスを見せました。
前環境の王者であったGW Tokensは『異界月』からの収穫が少なく、今大会では二日目進出者もわずかに3名でした。それでも、その中の一人はプレイオフまで勝ち残るというポテンシャルの高さは見せています。
《最後の望み、リリアナ》という新戦力を獲得したBW ControlやSultai Midrangeも結果を残しています。緑のミッドレンジや、今大会ではトップ8入賞は逃したものの人気があったUW Spiritにも強いカードで、黒いデッキの必須カードになりそうです。
SCGO Columbus デッキ紹介
「Bant Company」「Sultai Midrange」「GW Tokens」「BW Angel Control」
5 《平地》 3 《森》 1 《島》 4 《大草原の川》 3 《梢の眺望》 4 《進化する未開地》 3 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《伐採地の滝》 -土地 (25)- 4 《無私の霊魂》 4 《森の代言者》 3 《薄暮見の徴募兵》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 3 《異端聖戦士、サリア》 3 《不屈の追跡者》 2 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー (27)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 -呪文 (8)- |
3 《ラムホルトの平和主義者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 2 《石の宣告》 2 《否認》 2 《オジュタイの命令》 2 《悲劇的な傲慢》 1 《不屈の追跡者》 1 《次元の激高》 -サイドボード (15)- |
4 《森》 3 《平地》 2 《島》 4 《大草原の川》 3 《梢の眺望》 4 《進化する未開地》 3 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《伐採地の滝》 -土地 (25)- 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《ラムホルトの平和主義者》 4 《森の代言者》 4 《跳ねる混成体》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 2 《異端聖戦士、サリア》 -クリーチャー (26)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 1 《実地研究者、タミヨウ》 -呪文 (9)- |
2 《巨森の予見者、ニッサ》 2 《不屈の追跡者》 2 《空への斉射》 2 《石の宣告》 2 《否認》 2 《悲劇的な傲慢》 1 《払拭》 1 《即時却下》 1 《実地研究者、タミヨウ》 -サイドボード (15)- |
《呪文捕らえ》は、インスタントタイミングでの動きが多く対戦難易度が高いことで知られていたBant Companyを更に強化しました。他にも《異端聖戦士、サリア》《実地研究者、タミヨウ》《無私の霊魂》など、『異界月』からの収穫が多く、今大会で最も成功を収めていたデッキでした。
☆ 注目ポイント
SCG Tourで活躍している強豪を集めたチーム【Cardhoarder】の一員であるDevin Koepkeは前評判の高かったBant Companyを限られた時間の中で洗練させ、見事に優勝を飾りました。
プレイオフ進出こそ逃したものの、彼の所属するチームのメンバーのChris Andersen、Kent Ketter、Andrew Tenjumも同様のリストでトップ32以内に入賞を果たしていることからも、デッキの完成度の高さがうかがえます。
優秀なスピリットクリーチャーとしてリリース前からも評価されていた《無私の霊魂》をフル搭載しているのが特徴で、自軍のクリーチャーを破壊不能にする起動型能力は、サイドボードに忍ばせてある《次元の激高》と組み合わせることによって相手の戦場だけ更地にすることを可能にし、《大天使アヴァシン》を能動的に変身させる手段にもなります。単純に2マナパワー2の飛行という優秀なスペックで、今後のBant Companyのメインの2マナ域のクリーチャーとして活躍が予想されます。
《異端聖戦士、サリア》は《大天使アヴァシン》や《呪文捕らえ》といった瞬速クリーチャーや、特殊地形の使用率が高い現環境にマッチしたクリーチャーで、ミラーマッチでも相手は《集合した中隊》からめくれたクリーチャーをブロッカーとして使うことが不可能になります。
ロングゲームにおいてアドバンテージを提供し続ける《不屈の追跡者》がメインから3枚採用されているミラーマッチに強い構成で、準々決勝でDan Jessup、準決勝でもKyle Boggemesといった強豪プレイヤーとのミラーマッチに勝利しています。
SCG Tour上位の常連である強豪チーム【MGG】の一員、Dan JessupもBant Companyを持ち込み見事にプレイオフ進出を果たし、彼のチームメイトで強豪プレイヤーであるJim Davisも同様のリストで初日全勝、最終成績トップ32入賞を収めています。Dan Jessupのリストは瞬速クリーチャーの《跳ねる混成体》も採用されており、《呪文捕らえ》を構えつつ、相手が何もアクションを起こさなかったとしても、クリーチャーを展開しやすくなっています。
《薄暮見の徴募兵》と《ラムホルトの平和主義者》という2種類の狼男をフル搭載しており、入賞したリストの中で最もアグレッシブな構成です。ミラーマッチやUW Spiritに代表される、《呪文捕らえ》などの瞬速クリーチャーを構える戦略がポピュラーな現環境では「変身」しやすく、マナレシオに優れたクリーチャーとして活躍が期待できます。
《実地研究者、タミヨウ》はクリーチャーが多いこのデッキの方向性にフィットしており、「-2」能力はミラーマッチでの膠着状態を打開することが可能です。
全体的なゲーム展開が速くなることを想定していたようで、入賞した3名とも《ヴリンの神童、ジェイス》は不採用です。
Interview With Kyle Boggemes
ミシガン州在住の強豪プレイヤー、Kyle BoggemesもBant Companyでトップ4入賞を収めていたので、お話を聞いてみることにしました。
5 《平地》 4 《森》 1 《島》 2 《梢の眺望》 2 《大草原の川》 4 《進化する未開地》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 3 《伐採地の滝》 -土地 (25)- 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《森の代言者》 2 《ラムホルトの平和主義者》 4 《跳ねる混成体》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 2 《不屈の追跡者》 1 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー (27)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 -呪文 (8)- |
3 《空への斉射》 3 《否認》 2 《ラムホルトの平和主義者》 2 《即時却下》 1 《異端聖戦士、サリア》 1 《不屈の追跡者》 1 《虚空を継ぐもの》 1 《石の宣告》 1 《オジュタイの命令》 -サイドボード (15)- |
――今大会でBant Companyを選択した経緯を聞かせて?
Kyle: 最初はプレビューでも評価されていた《老いたる深海鬼》を使ったUR Emergeデッキが脅威だと感じた。Bant Humansが《老いたる深海鬼》と《コジレックの帰還》を使ったデッキに対して悪くないことが分かり、チームメイトでグランプリでもトップ8入賞経験のある【Andrew Elenbogen】の勧めだったこともあってBant Humansを使おうと考えた。
でも僕はBant Humansの使用経験が少なかったのもあって、あまり自信がなかった。SCG Invitational Columbusで17位、【プロツアー『イニストラードを覆う影』】でも23位という結果を残すことができたBant Companyのほうが自信があり、新カードである《呪文捕らえ》による瞬速クリーチャーが中心の戦略は、僕にとって楽しめるスタイルだった。
――新カードの《呪文捕らえ》や 《異端聖戦士、サリア》を実際に使ってみた感想を聞かせてもらえる?
Kyle: 《呪文捕らえ》は強すぎたね。相手のスペルを数ターン連続でカウンターしたゲームもあって、2/3飛行も決して無視できないスペックだ。対象に取れるスペルがない状態で《集合した中隊》からめくれても悪くない。《異端聖戦士、サリア》は特にミラーマッチで先手を取ったときに強いクリーチャーだった。《即時却下》はEldrazi Rampとあまり当たらなかったから、そこまで強いとは思わなかった。
――サイドボードについても教えてもらえるかな?
Kyle: 追加の《ラムホルトの平和主義者》はBant Humansやミラーマッチ、UW Spiritとのマッチアップでサイドインされる。ブロッカーとしても優秀で、相手が《呪文捕らえ》を構えていることが多いミラーマッチやSpiritとのマッチでは「変身」もしやすい。
《否認》は《ドロモカの命令》が弱くなるコントロールとのマッチアップで入れ替えられる。《空への斉射》はUW Spiritとのマッチアップ用のカードだったけど、飛行クリーチャーをブロック出来て《コジレックの帰還》対策にもなる《無私の霊魂》のほうがよかったかな。
《虚空を継ぐもの》は直前に思いついたテクニックで、大会中に相手の除去スペルをカウンターすることはなかったけど、《呪文捕らえ》を守るのにも使える。
《石の宣告》はBant HumansとEldraziに対する追加の除去で、メインから《ドロモカの命令》をフルに採用していて、クリーチャーでないカードをあまり入れ過ぎると《集合した中隊》がスカる率が高くなるから1枚だけにしている。
《オジュタイの命令》はコントロールに対してベストなカードで、《墓後家蜘蛛、イシュカナ》をカウンターできるのが強いからもう1枚入れてもよかったね。
――Bant Companyを使うプレイヤーは多いよね。ミラーマッチについて、少し解説をお願いできるかな。
Kyle: Bant Companyのミラーマッチはとてもダイナミックだ。《異端聖戦士、サリア》《跳ねる混成体》《反射魔道士》といったクリーチャーでテンポ寄りの速い展開に持ち込むゲームもある一方で、《不屈の追跡者》や《巨森の予見者、ニッサ》はアドバンテージを提供し続けるから長期戦になりやすい。
準決勝で当たったDevin Koepkeは《悲劇的な傲慢》をサイドに採っていて、アグレッシブに展開することが難しくなる後手では劣勢をひっくり返せるリセットはとても重要だ。
《大天使アヴァシン》も除去することが難しく、ミラーでは重要なカードになるけど、青が濃い現在のバージョンでは以前と比べるとキャストするのが少し難しくなっている。
――何か変更したい点はある?
Kyle: メインだと特に変更したいところは今のところ見当たらないかな。サイドボードは少し変更を加えようと考えている。これがアップデート後のサイドボードになる。
3 《否認》
2 《ラムホルトの平和主義者》
2 《異端聖戦士、サリア》
2 《虚空を継ぐもの》
2 《オジュタイの命令》
1 《不屈の追跡者》
1 《大天使アヴァシン》
1 《石の宣告》
1 《即時却下》
2 《ラムホルトの平和主義者》
2 《異端聖戦士、サリア》
2 《虚空を継ぐもの》
2 《オジュタイの命令》
1 《不屈の追跡者》
1 《大天使アヴァシン》
1 《石の宣告》
1 《即時却下》
――今回もインタビューに協力してくれてありがとう!
前環境でもトップクラスの強さを誇っていたBant Companyは『異界月』参入後もますます健在で、本大会でも非常に多く勝ち残っていました。
《集合した中隊》や《ドロモカの命令》に加えて新たに追加された《呪文捕らえ》や再びメインボードに舞い戻ってきた《跳ねる混成体》などインスタントタイミングでの選択肢が非常に多いデッキで、プロツアーでも活躍しそうです。
6 《森》 5 《平地》 4 《梢の眺望》 4 《進化する未開地》 4 《要塞化した村》 2 《ウェストヴェイルの修道院》 -土地 (25)- 4 《搭載歩行機械》 4 《森の代言者》 2 《ラムホルトの平和主義者》 2 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 4 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー (16)- |
4 《ドロモカの命令》 2 《石の宣告》 1 《悲劇的な傲慢》 4 《ニッサの誓い》 4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文 (19)- |
3 《空への斉射》 2 《棲み家の防御者》 2 《石の宣告》 2 《進化の飛躍》 1 《龍王ドロモカ》 1 《保護者、リンヴァーラ》 1 《荒野の確保》 1 《神聖なる月光》 1 《次元の激高》 1 《悲劇的な傲慢》 -サイドボード (15)- |
前環境のベストデッキでグランプリやSCGOで結果を残し続けていたGW Tokensは、BantやBW Controlなど、他のデッキと比べると『異界月』から得られた物が少なく、二日目進出者もわずか3名と以前ほどの支配力はないようです。しかし、それでもプレイオフにまで勝ち残っているあたりにデッキの高いポテンシャルを感じます。
☆ 注目ポイント
前環境の段階からそれ程大きな変化は見られませんが、《墓後家蜘蛛、イシュカナ》はこのデッキにとって数少ない収穫です。5マナなので《呪文捕らえ》に引っかからず「昂揚」も達成しやすく、《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の全体強化との組み合わせが強力です。
瞬速クリーチャーを構えるデッキがトップメタの現環境では《龍王ドロモカ》が強くBant CompanyもUW Spiritも除去が少ないデッキなのでフィニッシャーとしても信頼できます。
《空への斉射》も飛行クリーチャーを苦手とするこのデッキにとっては必須のスペルで、主にUW Spiritとのマッチアップでサイドインされます。
4 《沼》 3 《森》 2 《島》 4 《窪み渓谷》 4 《進化する未開地》 4 《風切る泥沼》 3 《詰まった河口》 2 《伐採地の滝》 -土地 (26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《森の代言者》 2 《棲み家の防御者》 1 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《龍王シルムガル》 1 《約束された終末、エムラクール》 -クリーチャー (14)- |
2 《ウルヴェンワルド横断》 1 《闇の掌握》 1 《究極の価格》 2 《破滅の道》 1 《殺害》 4 《衰滅》 1 《研究室の捜索》 2 《ジェイスの誓い》 1 《リリアナの誓い》 2 《面晶体の記録庫》 2 《最後の望み、リリアナ》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -呪文 (20)- |
3 《即時却下》 2 《ラムホルトの平和主義者》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《知恵の拝借》 2 《死の重み》 1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《龍王シルムガル》 1 《苦い真理》 1 《最後の望み、リリアナ》 -サイドボード (15)- |
昨年開催された【SCG Invitational Columbus】優勝者であるAli Aintrazi。今大会では惜しくも優勝は逃したものの、準優勝という好成績を残しました。Sultaiカラーのミッドレンジ自体は前環境から存在していますが、《最後の望み、リリアナ》をはじめとした『異界月』からの新戦力により強化されています。
☆ 注目ポイント
基本的に《衰滅》でリセットした後に《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》などのプレインズウォーカーでアドバンテージを取っていきます。 プレインズウォーカーに変身する《ヴリンの神童、ジェイス》や《巨森の予見者、ニッサ》はスイーパーと相性がよく、序盤は立ち上がりに必要なカードを探し中盤から後半はアドバンテージを提供し続けます。
《墓後家蜘蛛、イシュカナ》は「昂揚」を達成すればETB能力でトークンを3体戦場に出し、起動型能力だけで戦闘をすることなくゲームを終わらせることも可能にします。面の展開力と到達によってUW SpiritやBant Companyに強いクリーチャーであることも強みです。
《約束された終末、エムラクール》はロングゲームにおけるフィニッシャーで、相手のターンを奪った後に13/13が残るので大抵の場合は決着が付いていると思われます。
《ジェイスの誓い》はデッキを掘り進みつつ墓地を肥やせるので「昂揚」の達成に貢献し、《リリアナの誓い》はスイーパーの後に出てくる後続をしっかりとケアします。
《最後の望み、リリアナ》は小型のクリーチャーを除去、弱体化させることで自身を守りつつ忠誠値を高めることが可能で、小型の飛行クリーチャーが多いUW Spiritに特に強いプレインズウォーカーです。「-2」能力は「昂揚」の達成に貢献しつつ《棲み家の防御者》などを使いまわすことを可能にし、アドバンテージを提供します。
少し遅いデッキですが、カードアドバンテージを稼ぐ手段が豊富で他のミッドレンジに強いミッドレンジです。
8 《沼》 5 《平地》 4 《コイロスの洞窟》 4 《放棄された聖域》 4 《乱脈な気孔》 1 《ガイアー岬の療養所》 -土地 (26)- 3 《折れた刃、ギセラ》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《サリアの槍騎兵》 1 《大天使アヴァシン》 1 《保護者、リンヴァーラ》 1 《消えゆく光、ブルーナ》 -クリーチャー (10)- |
2 《強迫》 4 《闇の掌握》 2 《究極の価格》 1 《神聖な協力》 3 《骨読み》 3 《破滅の道》 1 《苦渋の破棄》 3 《衰滅》 2 《最後の望み、リリアナ》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 2 《死の宿敵、ソリン》 -呪文 (24)- |
3 《精神背信》 2 《鞭打つ触手》 2 《死の重み》 1 《フェリダーの仔》 1 《消えゆく光、ブルーナ》 1 《強迫》 1 《集団的蛮行》 1 《苦渋の破棄》 1 《骨読み》 1 《次元の激高》 1 《最後の望み、リリアナ》 -サイドボード (15)- |
前環境から存在し、GW TokensやBant Company/Humansほどではないものの【グランプリ・ニューヨーク 2016】優勝など結果を残し続けていたBW Control。《消えゆく光、ブルーナ》や《折れた刃、ギセラ》、《最後の望み、リリアナ》など、『異界月』から加入した強力な新カードによって強化されたアーキタイプの一つです。
スイーパーの《衰滅》を初めとして、《苦渋の破棄》《闇の掌握》《究極の価格》《破滅の道》といった豊富な除去でコントロールしていき、《死の宿敵、ソリン》などのフィニッシャーに繋げていきます。《死の宿敵、ソリン》や《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》といった5マナ以上のスペルは流行りの《呪文捕らえ》にも引っかからないのが強みです。
☆ 注目ポイント
《最後の望み、リリアナ》はコントロールデッキで特に強さを発揮するプレインズウォーカーで、「+1」能力は自身を守りつつクリーチャーを弱体化させ、小型のクリーチャーであればそのまま除去として機能し、ダメージを通すためにクリーチャーを並べてくれば《衰滅》が刺さります。
《折れた刃、ギセラ》はあの《悪斬の天使》を彷彿とさせる制圧力で、《消えゆく光、ブルーナ》と「合体」させることで相手にとって対処の困難な脅威となります。
《サリアの槍騎兵》は先ほどの《消えゆく光、ブルーナ》と《折れた刃、ギセラ》の他にも、《ゲトの裏切り者、カリタス》《保護者、リンヴァーラ》《大天使アヴァシン》といった伝説のクリーチャーを状況に応じてサーチします。また、伝説のカードであればクリーチャーに限らないため、《ガイアー岬の療養所》もサーチすることで6枚目の土地を確保します。
この伝説の土地の能力も重要で、《ガイアー岬の療養所》の起動型能力で《折れた刃、ギセラ》を墓地に落とし《消えゆく光、ブルーナ》をキャストして《折れた刃、ギセラ》をリアニメイトするという選択肢もあります。
『異界月』から強力なクリーチャーとプレインズウォーカーを手に入れたBW Controlは《闇の掌握》などの優秀な除去にも恵まれており、《呪文捕らえ》の対処も比較的しやすいことからも、現環境の代表的なコントロールとして今後の大会でも活躍が期待できるデッキとなりそうです。
総括
予想通り環境を激変させた『異界月』。
《呪文捕らえ》はBant Comapnyをよりアグロ寄りにシフトさせ、《ヴリンの神童、ジェイス》が解雇され、《無私の霊魂》や《ラムホルトの平和主義者》といったクロックをかけられるクリーチャーに差し替えられています。特に《無私の霊魂》は2マナ域の優秀なクリーチャーが足りそうで足りなかったBant Companyにとっては収穫です。
Bant Company祭りで幕を閉じたSCGO Columbusでしたが、Bant Companyもミラーマッチの攻略に向けてデッキの内容が変化していきそうです。それに伴い今週末のSCGO BaltimoreではHumansのような速いアグロデッキも出てきそうです。今大会ではプレイオフには残らなかったものの、トップ32以内に数名の入賞者を出しているUW Spiritも異なるバリエーションが見られ、未だ試行錯誤の段階のようなので今後の展開が楽しみです。
以上USA Standard Express vol.77でした。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!
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