週刊デッキウォッチング vol.118 -白青ベルチャー-

伊藤 敦

伊藤 敦

 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。

■ スタンダード: 白青ビートダウン


McWinSauce「白青ビートダウン」
Competitive Standard Constructed League(5-0)

9 《平地》
4 《島》
4 《大草原の川》
4 《灌漑農地》
4 《港町》

-土地 (25)-

3 《歩行バリスタ》
4 《スレイベンの検査官》
4 《栄光半ばの修練者》
4 《呪文捕らえ》
2 《空中生成エルドラージ》
2 《折れた刃、ギセラ》
4 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (23)-
2 《検閲》
2 《石の宣告》
1 《否認》
2 《停滞の罠》
1 《永遠の見守り》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文 (12)-
3 《否認》
2 《石の宣告》
2 《明日からの引き寄せ》
2 《黄昏+払暁》
1 《折れた刃、ギセラ》
1 《消えゆく光、ブルーナ》
1 《風への散乱》
1 《霊気圏の収集艇》
1 《秘密の解明者、ジェイス》
1 《ウェストヴェイルの修道院》

-サイドボード (15)-
hareruya

栄光半ばの修練者呪文捕らえ大天使アヴァシン

 プロツアーが終わり、《霊気池の驚異》はますます支配を強めだしている。これに対し、抵抗する術は残されていないのだろうか?否、スタンダードにはヤツがいる。クロックパーミッションの心強い味方、《呪文捕らえ》だ。

 《密輸人の回転翼機》《反射魔道士》を失ったとはいえ、序盤に盤面を支えられるカードさえあれば、《呪文捕らえ》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《大天使アヴァシン》のムーブは全てを解決してくれる。そこで見出されたのが《栄光半ばの修練者》で、「督励」時の絆魂によってダメージレースで大きく有利に立つことができる。

 また、《検閲》《灌漑農地》の「サイクリング」は瞬速の動きとマッチし、毎ターン無駄のない動きが可能だ。マナベースが強化されたことで、サイドボード後に(青)(青)のスペルを採用しやすくなっているのも地味にありがたい。

 スタンダードの環境後半はミッドレンジが支配しがちなことを考えると、《呪文捕らえ》が活躍する土壌は整っていると言える。「アモンケット環境名人戦」への出場を検討している方は、選択肢に入れてみてもいいかもしれない。

「白青ビートダウン」でデッキを検索

■ モダン: ローグ


Kozawa Takuya「ローグ」
平日モダン14時の部(3-0)

12 《平地》
4 《灌漑農地》
4 《大草原の川》

-土地 (20)-


-クリーチャー (0)-
3 《荒野の確保》
4 《マナ漏出》
4 《未達への旅》
4 《広がりゆく海》
1 《光輝王の昇天》
4 《亡霊の牢獄》
2 《拘留の宝球》
4 《終わり無き地平線》
3 《安全の領域》
4 《発展のタリスマン》
2 《アゾリウスの印鑑》
4 《ゴブリンの放火砲》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文 (40)-
3 《マナの税収》
2 《遅延》
2 《神の怒り》
2 《ギデオンの介入》
1 《残響する真実》
1 《蔵の開放》
1 《斑岩の節》
1 《僧院の包囲》
1 《沈黙のオーラ》
1 《領事府の弾圧》

-サイドボード (15)-
hareruya

終わり無き地平線ゴブリンの放火砲亡霊の牢獄

 《ゴブリンの放火砲》を使ったコンボデッキ=「ベルチャー」と聞くとレガシーの専売特許と思うかもしれないが、数は少ないとはいえ蛮勇を振るう勇気あるモダンでの採用例もわずかながら存在する。今回紹介するのはそのうちの一つ、白青ベルチャーだ。

 白青というカラーリングでどうやって《ゴブリンの放火砲》を運用するのか?と思うかもしれないが、モダン環境には《終わり無き地平線》という便利なカードが存在するので、これでライブラリー中の《平地》を追放してしまえば、《ゴブリンの放火砲》起動=You win!が確定する。

 デッキ全体としては《亡霊の牢獄》《安全の領域》によるプリズンの構造をとっており、エンチャントで場を固めて《ゴブリンの放火砲》で速やかにフィニッシュというコンセプトは、少なくともメインボードでは意外に打破しがたい戦略かもしれない。

 一見不可能や不条理に見えるコンセプトにも活路を見出すのがデッキビルダーである。その上でモダンは様々な戦略を許容する懐の深さがあるので、「このカード、モダンで使えないかな?」と思ったら、色々と試してみると良いだろう。

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■ レガシー: 白青奇跡


ItIsUnfair「白青奇跡」
Legacy Constructed League(5-0)

6 《島》
2 《平地》
2 《Tundra》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《沸騰する小湖》
1 《乾燥台地》
1 《カラカス》

-土地 (20)-

3 《瞬唱の魔道士》
1 《ヴェンディリオン三人衆》

-クリーチャー (4)-
4 《渦まく知識》
4 《先触れ》
4 《思案》
1 《狼狽の嵐》
4 《予報》
4 《予期せぬ不在》
3 《対抗呪文》
1 《天使への願い》
4 《意志の力》
4 《終末》
3 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文 (36)-
2 《エーテル宣誓会の法学者》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
2 《狼狽の嵐》
2 《外科的摘出》
2 《剣を鍬に》
2 《基本に帰れ》
1 《封じ込める僧侶》
1 《造物の学者、ヴェンセール》
1 《水流破》

-サイドボード (15)-
hareruya

先触れ予期せぬ不在予報

 地味に今日は「白青」で揃えてみたのだが、さてレガシーで白青といえば奇跡デッキだろう。《師範の占い独楽》の禁止は、奇跡というデッキを完膚なきまでに叩きのめし、二度と復活は望めない……そう思われた。だが、「奇跡!禁止されたんじゃ?!」「残念だったなぁ、トリックだよ」と言いたくなるくらい呆気なく、奇跡は復活を果たしたのだ。

 《師範の占い独楽》がない以上、《相殺》は運用できない。だが代わりに《対抗呪文》《予報》を厚めにして、オーソドックスなコントロールの形をとっている。

 《師範の占い独楽》抜きでどうやって《終末》を「奇跡」するのかと思いきや、《渦まく知識》《思案》に加えて《先触れ》までも全力採用しているので、《精神を刻む者、ジェイス》と合わせてライブラリトップの操作力は依然健在と言える。

 単体除去のスロットを《予期せぬ不在》にすることで《予報》の精度を高めているなど細かい変更点はあるが、そのコンセプトは私たちが愛した/憎んだ奇跡そのものである。コンボ/クロックパーミ/コントロールと出揃ったことで、レガシー環境は群雄割拠の戦国時代へと突入しそうだ。

「白青奇跡」でデッキを検索

 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!

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