週刊デッキウォッチング vol.139 -僧帽地帯からのサンドワーム-

伊藤 敦

伊藤 敦

 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。

■ スタンダード: ローグ


Okamoto Ryou「ローグ」
平日スタンダード17時の部(3-0)

3 《森》
3 《平地》
4 《まばらな木立ち》
2 《進化する未開地》
4 《陽花弁の木立ち》
4 《ハシェプのオアシス》
3 《シェフェトの砂丘》
2 《廃墟の地》
1 《屍肉あさりの地》

-土地 (26)-


-クリーチャー (0)-
3 《砂の下から》
2 《残骸の漂着》
4 《約束の刻》
3 《燻蒸》
4 《楽園の贈り物》
4 《排斥》
1 《イクサランの束縛》
4 《僧帽地帯からの援軍》
3 《サンドワームの収斂》
2 《圧倒的輝き》
4 《宝物の地図》

-呪文 (34)-
4 《アダントの先兵》
4 《霊気晶の鉱夫》
3 《威厳あるカラカル》
3 《砂漠の拘留》
1 《殺戮の暴君》

-サイドボード (15)-
hareruya

僧帽地帯からの援軍サンドワームの収斂宝物の地図

 コンボとは広く言ってしまえば「払ったマナ以上の効果を得ること」つまり「マナを踏み倒すこと」であり、少ないマナで多くの効果を得られるものを指す。もちろんマナを踏み倒すなんてことはそう簡単には実現できないわけだが、実はスタンダードにおいても「タダでパーマネントを場に出せるカード」が存在していた。《僧帽地帯からの援軍》だ。

 《僧帽地帯からの援軍》は「紛争」達成の難しさと能力のランダム性からあまり注目されていなかったが、『イクサラン』で加わった《宝物の地図》は、1枚で3回の「紛争」を保証する上に占術でランダム性を緩和してくれるので、まさしくぴったりの相棒だ。

 となるとあとはマナを踏み倒すパーマネントだが、幸いなことにスタンダードにはスーパー《罠の橋》こと《サンドワームの収斂》と、スーパー《謙虚》こと《圧倒的輝き》が存在する。8マナは素出しも現実的なので、マナランプ先のフィニッシャーとしてもカウントできる。

 《選定された行進》を使ったトークンデッキを見てもわかるように、現在のスタンダードにおいてエンチャントはかなり触りづらいパーマネントとなっている。メインはエンチャントを活用したコンボ・コントロールで、《アダントの先兵》《霊気晶の鉱夫》による変形サイドも採用していることから、意外と現環境にマッチしたデッキなのかもしれない。

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■ モダン: ローグ


Kawai Yuuichi「ローグ」
平日モダン14時の部(3-0)

7 《沼》
3 《山》
2 《血の墓所》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《竜髑髏の山頂》
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地 (22)-

4 《アムムトの永遠衆》
4 《なだれ乗り》
1 《栄光をもたらすもの》
1 《蠍の神》
4 《膨らんだ意識曲げ》
1 《甚だしい大口》

-クリーチャー (15)-
4 《思考囲い》
3 《致命的な一押し》
2 《コジレックの審問》
3 《コラガンの命令》
2 《コジレックの帰還》
4 《心なき召喚》
3 《ヴェールのリリアナ》
2 《最後の望み、リリアナ》

-呪文 (23)-
3 《殺戮の神、モーギス》
2 《ゴブリンの廃墟飛ばし》
2 《甚だしい大口》
2 《外科的摘出》
2 《集団的蛮行》
2 《コジレックの帰還》
1 《死の国のケルベロス》
1 《致命的な一押し》

-サイドボード (15)-
hareruya

心なき召喚なだれ乗り膨らんだ意識曲げ

 《心なき召喚》といえば通常は《ワームとぐろエンジン》とセットで使われることが多いが、普通のマナ・コストに限らず代替コストも軽減されるため、「現出」持ちのクリーチャーとも相性が良いことに着目したのがこちらのデッキだ。

 《心なき召喚》と「現出」持ちの《膨らんだ意識曲げ》があるのだからクリーチャーをたくさん入れようとは考えずに最小限にとどめているのが特徴で、その中でも《なだれ乗り》《心なき召喚》からプレイすると「現出」用のマナが残しやすい上に「エコー」を無視できるのが強力だ。

 豊富な除去と手札破壊で対戦相手のリソースをズタズタにするため、《アムムトの永遠衆》のデメリットも気にならない。また《心なき召喚》を2ターン目に設置すれば、3ターン目に(黒)(黒)(黒)から《アムムトの永遠衆》《膨らんだ意識曲げ》「現出」プレイまで一気に行けるのも心強い。

 《膨らんだ意識曲げ》によって墓地の《コジレックの帰還》も誘発させられるので、エルフや《集合した中隊》系のような横並べデッキに対しても耐性がある。最近のカードの能力とモダンのカードのコンセプトとをうまく融合させた面白いデッキだ。

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■ レガシー: 茶単


Michael Coyle「茶単」
StarCityGames.com – Legacy Open 2017/10/29 Washington(16位)

4 《古えの墳墓》
4 《埋没した廃墟》
4 《不毛の大地》
4 《リシャーダの港》
4 《裏切り者の都》
4 《発明博覧会》

-土地 (24)-

4 《金属細工師》

-クリーチャー (4)-
4 《モックス・ダイアモンド》
4 《虚空の杯》
1 《魔術遠眼鏡》
4 《三なる宝球》
4 《血清の粉末》
4 《罠の橋》
4 《世界のるつぼ》
2 《からみつく鉄線》
1 《威圧の杖》
4 《煙突》

-呪文 (32)-
3 《墓掘りの檻》
3 《漸増爆弾》
2 《魔術遠眼鏡》
2 《抵抗の宝球》
2 《威圧の杖》
1 《歩行バリスタ》
1 《防御の光網》
1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》

-サイドボード (15)-
hareruya

金属細工師血清の粉末世界のるつぼ

 vol.122でも紹介した「スタックス」だが、ここに来て新しい形が登場した。それがこの《血清の粉末》まで搭載した完全なる初速重視型だ。

 《三なる宝球》をはじめとする3マナのアーティファクトを多数搭載し、遅くとも2ターン目から3マナのアーティファクトを連打することをコンセプトにしたこの形は、《モックス・ダイアモンド》《古えの墳墓》《裏切り者の都》に極めて依存している。

 そこで《血清の粉末》で初手を調整することでぶん回りの確率を高めているというわけだ。《金属細工師》があるので手札に《血清の粉末》が来てしまうことのデメリットもそこまで大きくはない。

 消耗が激しいストンピィとはいえ、《発明博覧会》《埋没した廃墟》《世界のるつぼ》で使いまわせるのでマナさえ出れば長期戦になっても問題はない。初速の安定性と長期戦の粘り強さを兼ね備えたこのデッキは、見た目以上に強力なコンセプトを有していそうだ。

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 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!

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