皆さんこんにちは。
先週末には『イクサラン』のプレリリースがありましたが皆さん楽しんでいただけたでしょうか?今週末にはいよいよ『イクサラン』がリリースされ、スタンダードも新環境に突入します。
そこで今回の連載では、新環境のお勧めのデッキのサンプルをいくつかご紹介させていただきます。
新環境のスタンダードデッキ サンプルリスト
Temur Energy (4C)
3 《森》 2 《山》 1 《島》 1 《沼》 3 《隠れた茂み》 4 《植物の聖域》 2 《尖塔断の運河》 2 《根縛りの岩山》 4 《霊気拠点》 -土地 (22)- 4 《牙長獣の仔》 4 《導路の召使い》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 4 《逆毛ハイドラ》 3 《栄光をもたらすもの》 1 《スカラベの神》 -クリーチャー (24)- |
4 《霊気との調和》 4 《蓄霊稲妻》 3 《削剥》 1 《慮外な押収》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文 (14)- |
Temur Energyはローテーションによる影響が最も少ないデッキの一つで、新環境でも人気が出ることが予想できます。今週末にスタンダードの大会に参加する際は、このデッキの対策は必須となりそうです。
《スカラベの神》はミッドレンジやコントロールとのマッチアップで最高のカードなので、旧環境同様にミラーマッチやミッドレンジとのマッチアップのために《スカラベの神》をタッチした4Cバージョンも見られそうです。
Ramunap Red
15 《山》 4 《ラムナプの遺跡》 4 《陽焼けした砂漠》 1 《屍肉あさりの地》 -土地 (24)- 4 《損魂魔道士》 4 《ボーマットの急使》 2 《帆綱走り》 4 《地揺すりのケンラ》 3 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》 4 《アン一門の壊し屋》 3 《熱烈の神ハゾレト》 -クリーチャー (24)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 2 《削剥》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文 (12)- |
Temur Energyと同様にローテーションによる影響が小さかったデッキですが、それでもTemur Energyと比べると《ファルケンラスの過食者》や《焼夷流》など、ローテーションによって失ったカードが数種類見られます。
しかし同時に『イクサラン』から《帆綱走り》や《稲妻の一撃》といった新戦力が入るので、総合的にはイーブンとなりそうです。特にインスタント火力の《稲妻の一撃》の再録はこのデッキを始めとして赤を使う多くのデッキにとって最も欲しかったカードの一枚です。Temur Energyと同様にこのデッキも新環境で人気の出そうなデッキなので、対策はしっかりしていきたいところです。
UB Pirates
8 《沼》 6 《島》 4 《水没した地下墓地》 4 《異臭の池》 2 《手付かずの領土》 -土地 (24)- 4 《セイレーンの嵐鎮め》 4 《帆凧の掠め盗り》 4 《深海艦隊の船長》 4 《遺跡の略奪者》 4 《人質取り》 2 《スカラベの神》 -クリーチャー (22)- |
4 《致命的な一押し》 2 《板歩きの刑》 4 《見張りによる消散》 2 《ヴラスカの侮辱》 2 《狡猾な漂流者、ジェイス》 -呪文 (14)- |
イクサランのテーマの一つである「海賊」クリーチャーをフィーチャーした青黒アグロコントロール。青黒ということは環境最高のカードの一枚である《スカラベの神》にアクセス可能で、軽い除去やカウンターにも恵まれているほか、《人質取り》など期待の新戦力も加入しました。
《人質取り》はテンポアドバンテージとカードアドバンテージを同時に提供するクリーチャーで、今回収録された「海賊」クリーチャーの中でもベストと言える性能です。青黒を使う理由となるクリーチャーで、「海賊」以外のデッキでも採用されることが予想されるので、今後のスタンダード環境でよく見られるクリーチャーとなりそうです。
《セイレーンの嵐鎮め》は(青)マナを支払って自身をサクリファイスすることで、展開した「海賊」クリーチャーを除去から守ったり火力やハンデス対策にもなり、しかもスペルに限らず能力もカウンター可能と、なかなか優秀なクリーチャーです。《帆凧の掠め盗り》とともに相手の除去から《人質取り》を守ります。
《狡猾な漂流者、ジェイス》は回避能力を持つ軽いクリーチャーが多数採用されたこのデッキでは「+1」能力を生かしやすく、トークン生成能力もあり3マナという軽さでもあるので、試してみる価値はあります。《ヴラスカの侮辱》は色拘束が強く4マナと少し重くなりますが、インスタントかつ追放除去なので《スカラベの神》を含む環境の多くのフィニッシャークラスのクリーチャーへの対策になり、プレインズウォーカーにも触れるのも魅力です。
Naya Dinosaurs
6 《森》 4 《山》 1 《平地》 4 《隠れた茂み》 4 《根縛りの岩山》 3 《陽花弁の木立ち》 -土地 (22)- 2 《歩行バリスタ》 4 《大物群れの操り手》 4 《オテペクの猟匠》 3 《群棲する猛竜》 1 《不屈の神ロナス》 4 《切り裂き顎の猛竜》 4 《レギサウルスの頭目》 2 《殺戮の暴君》 2 《太陽の化身、ギシャス》 -クリーチャー (26)- |
4 《恐竜との融和》 4 《稲妻の一撃》 4 《凶暴な踏みつけ》 -呪文 (12)- |
『イクサラン』のメインテーマの一つである「恐竜」も新環境のスタンダードを語るうえで外せないトピックです。「恐竜」クリーチャーをコントロールすることで強化されるマナクリーチャーの《大物群れの操り手》や「恐竜」メダリオンクリーチャーの《オテペクの猟匠》によって、《レギサウルスの頭目》や《太陽の化身、ギシャス》といったフィニッシャーを早い段階で展開することを可能にします。
《レギサウルスの頭目》はマナ加速を利用することで4ターン目には安定して展開することが可能で、ETB能力でトークンを生むのでカードアドバンテージが取れ、5マナで合計パワー7は強力の一言です。
《切り裂き顎の猛竜》は4マナ4/5と優秀なサイズを誇る上に「激昂」によりカードドローができるので、Ramunap Redのように除去を火力に頼ったデッキに対してアドバンテージを取りやすくなります。《歩行バリスタ》は「恐竜」ではありませんが、除去やフィニッシャーとしてだけでなく「激昂」クリーチャーとのシナジーもあります。
対象のクリーチャーを強化しつつ格闘させるスペルの《凶暴な踏みつけ》は、自分の「恐竜」クリーチャーを対象にする際にはコストが(緑)マナになり「激昂」の発動にも貢献します。コストカットの恩恵は受けられませんが、接死、破壊不能の《不屈の神ロナス》との組み合わせも強力です。
Mono Black Aggro
筆者の友人でミシガン在住のAdam Hernandezが、黒単色のアグロデッキでMOのスタンダードリーグ (MOではリアルより先行して『イクサラン』がリーガルになっています) で早速5-0していました。
黒単色というと前環境のZombiesを彷彿とさせますが、ゾンビクリーチャーの多くがローテーション落ちしたので部族によるシナジーの恩恵はなくなりました。ですが代わりに『イクサラン』から数種類の新戦力が加入したことで、黒単アグロというデッキ自体は健在のようです。
17 《沼》 4 《イフニルの死界》 -土地 (21)- 2 《歩行バリスタ》 4 《戦慄の放浪者》 3 《夜市の見張り》 4 《屑鉄場のたかり屋》 4 《遺跡の略奪者》 3 《アムムトの永遠衆》 4 《ホネツツキ》 -クリーチャー (24)- |
4 《致命的な一押し》 2 《超常的耐久力》 4 《板歩きの刑》 3 《キランの真意号》 2 《霊気圏の収集艇》 -呪文 (15)- |
4 《才気ある霊基体》 3 《強迫》 3 《過酷な精査》 2 《帆凧の掠め盗り》 2 《ヴラスカの侮辱》 1 《光袖会の収集者》 -サイドボード (15)- |
《遺跡の略奪者》はイクサランから加入した「海賊」クリーチャーで、青黒「海賊」や緑黒でも使われそうな、黒いデッキの新戦力となりうるポテンシャルを持っています。そのターンにクリーチャーでアタックしたという条件付きですがカードアドバンテージを提供し、クリーチャーでビートダウンしていくこのデッキの方向性にフィットしています。
《帆凧の掠め盗り》は《脳蛆》と似た能力を持つクリーチャーで、クリーチャー・カードを追放することはできなくなったものの、相手の除去などを追放することでクロックを守り、追放されたカードを取り戻すためにはこのクリーチャーを先に除去する必要が出てくるので、結果的に他のクリーチャーが生き残りやすくなります。飛行持ちなのもプラスポイントで攻撃が通りやすくなるので、《遺跡の略奪者》の「強襲」の発動に貢献します。
《板歩きの刑》はソーサリースピードなので「機体」や速攻クリーチャーに対応できないのがネックとなりますが、2マナと軽く、Temur Energyや「恐竜」などに対して中堅クラスからフィニッシャークラスの様々なクリーチャーに効くので、黒いデッキの主力の除去となりそうです。
Approach of the Second Sun
前環境でも見られた《副陽の接近》を使った青白コントロールも、新カードを採用したバージョンが早速MOで結果を残していました。
7 《島》 4 《平地》 4 《灌漑農地》 4 《氷河の城砦》 4 《イプヌの細流》 1 《屍肉あさりの地》 -土地 (24)- -クリーチャー (0)- |
4 《選択》 4 《検閲》 1 《本質の散乱》 4 《至高の意志》 4 《天才の片鱗》 2 《残骸の漂着》 3 《燻蒸》 2 《農場+市場》 3 《副陽の接近》 4 《霊気溶融》 1 《アズカンタの探索》 4 《排斥》 -呪文 (36)- |
4 《領事の権限》 3 《否認》 2 《奔流の機械巨人》 2 《ジェイスの敗北》 1 《周到の神ケフネト》 1 《本質の散乱》 1 《不許可》 1 《アズカンタの探索》 -サイドボード (15)- |
『イクサラン』が入ってからまだそれほど日が経っていないこともあり、Magic Onlineではまだ資産の関係でローテーションによる影響が少ないTemur Energy(4C)やRamunap Redが多いですが、そんな中5-0という結果を残しているだけに要注目のデッキの一つです。
採用されている『イクサラン』のカードはローテーション落ちした《大草原の川》の代わりに再録されたM10ランドの《氷河の城砦》、『インベイジョン』から再録された一マナキャントリップの《選択》、『イクサラン』初収録の《残骸の漂着》と《アズカンタの探索》になります。
《選択》は見れるカードは少なくなりますが、一マナインスタントという効率性は《予期》に代わる新たなドロースペルとしてこのデッキを含めて青を使う多くのデッキで見られそうです。
プレイヤーを対象に取るのでHexproofクリーチャーなどにも有効で、多数の攻撃クリーチャーを《流刑への道》する《残骸の漂着》は、4マナを構えている必要がありますが、破壊不能の《熱烈の神ハゾレト》を含めた速攻クリーチャー対策にもなり、このスタイルのデッキにフィットしたスペルです。
《アズカンタの探索》はアグロデッキに対しては少し遅いカードになりますが、ライブラリーを掘り進むことで《副陽の接近》を引き当てる助けになります。伝説なのもあり、入ってもこのリストのようにメインとサイドに一枚ずつの採用となりそうです。
総括
ローテーションによる影響が少ないTemur(4C) EnergyやRamunap Redが環境初期に流行ることが予想されるので、これらのデッキとの練習はしっかりしていきたいところです。『イクサラン』は《強迫》や《選択》といった過去の軽い優秀なスペルの再録、クリーチャーも《遺跡の略奪者》や《人質取り》、《殺戮の暴君》や《レギサウルスの頭目》などパワーレベルのバランスが良く非常に面白いセットで、新カードを使ったデッキを考えるのが楽しみです。
今週末にはアメリカでSCGO Dallasが開催されます。新環境のスタンダードの大規模な大会なので、スタンダードが好きな方はお見逃しなく。
以上USA Standard Express vol.106でした。
それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!
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