週刊デッキウォッチング vol.163 -シャドウブリッジホロウヴァイン-

大久保 寛

 『マジックの華は、デッキリストだ』

 これはある人の言葉ですが、『デッキリストに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる』のだと。

 であればデッキリストを見るという行為は。

 単なる”知識の探求”を超えて、より深い意味合いを伴った行いと言えるのかもしれません。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週おもしろそうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものです。

 気になるデッキがあれば実際に組んで遊んでみるもよし。Magic Online用のtxtフォーマットもダウンロードしていただけます。

 さっそく、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介していきましょう。

スタンダード: 「白青赤コントロール」

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マグマのしぶきつむじ風の巨匠ドミナリアの英雄、テフェリー

 スタンダードで新しいコントロールを生み出し続けるのは、この男~~!! ジェスカイのニューウェーブ!! 玉 田 遼 一!!!

 さて、玉田さんといえば大阪のゴールドレベル・プロであり、プロツアー『戦乱のゼンディカー』で「ジェスカイアグロ」を用いて準優勝。さらにその年の年末に開催されたMWC2015では日本チームのトップ8入賞に大きく貢献するなど、言わずと知れたプロプレイヤーですね。グランプリ・シンガポール2018では、そんな玉田さんご自身の代名詞でもある(?)ジェスカイカラーのコントロールを使用していました。

 デッキの委細については公式のデッキテクでも取り上げられていますが、そこでも触れられている通り白青コントロールと比べてとにかく除去が軽い! 「既存の白青デッキに色を足す」ではなく、「既存のコントロールデッキの弱点を克服する」というアプローチから白青コントロールを青赤軸に変え、結果的に新たなデッキを生み出すという構築過程は目から鱗です。

 『ドミナリア』環境もいよいよ末期に差し掛かり、環境は「赤黒」対「白青」というところまで煮詰まっていますが、それでもなおデッキ開拓の余地があるというのはとてもおもしろいですね。『基本セット2019』のリリースも目前まで迫っていますが、今週末の環境名人戦ではさらに一歩進んだデッキが生まれるかもしれません。

「白青赤コントロール」でデッキを検索

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モダン: 「ローグ」

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黄泉からの橋復讐蔦虚ろな者

 《黄泉からの橋》《復讐蔦》《死の影》《虚ろな者》。いずれも単体でデッキコンセプトを担い得るカードですが、こちらのデッキはそれらすべてを突っ込んだ闇鍋風のデッキとなっています。

 《信仰無き物あさり》によって《復讐蔦》《黄泉からの橋》をディスカードし、マナコストを軽減した《虚ろな者》を唱える。《搭載歩行機械》《歩行バリスタ》をはじめとして、《死の影》も序盤は0/0のクリーチャーとして運用できるので《黄泉からの橋》の能力を能動的に誘発させることが可能ですし、0~1マナのクリーチャーを展開することで《復讐蔦》もリアニメイトできます。それぞれに強固なシナジーがあるとはいえませんが、互いの動きを邪魔もしていないのが興味深いですね。

 ブン回れば1ターン目に《虚ろな者》《復讐蔦》を展開することもできますし、どちらもパワーが4以上のクリーチャーなので《ティムールの激闘》の「獰猛」も達成できます。もちろん「Super Crazy Zoo」よろしく《死の影》に撃ち込んでワンショットキルも狙える欲張りセットですね。

 コンボといったら一点突破、という先入観がありましたが、異なる複数のコンボ要員を組み合わせるのもおもしろそうですね。もしかすると「感染トロンストームライブラリーアウト」とか「マーフォーク親和ドレッジバーン」とか、適当な言葉の組み合わせに思わぬ金脈が眠っているかもしれませんね。

「ローグ」でデッキを検索

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ヴィンテージ: 「ハーミットマニアック」

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隠遁ドルイド研究室の偏執狂戦慄の復活

 《隠遁ドルイド》というカードをご存知でしょうか? レガシーでも禁止されているカードですから、「見たことがない」と仰る方がいても無理からぬことかと思います。まぁ、統率者戦をプレイしている方にとっては身近な存在かもしれませんが。

 このデッキはそんな《隠遁ドルイド》を使ったコンボデッキです。その能力は「(緑),(T):あなたのライブラリーを、基本土地カードが公開されるまで上から1枚ずつ公開する。そのカードをあなたの手札に加え、これにより公開された他のすべてのカードをあなたの墓地に置く。」というもの。もうお分かりでしょうか? デッキに基本土地を入れていなければ、起動した瞬間ライブラリーが全て墓地に置かれます。ドレッジデッキが「発掘5~6」で一生懸命ライブラリーを墓地に置いているのに対し、驚異的な手軽さと言えるでしょう。

 さて、ライブラリーを空にしたあとはどうするのでしょうか? 答えは簡単、《戦慄の復活》《栄光の目覚めの天使》をリアニメイトして、《瞬唱の魔道士》《研究室の偏執狂》を戦場に揃え、《瞬唱の魔道士》の能力で《ギタクシア派の調査》を「フラッシュバック」するだけ。もちろん相手がカウンターを持っていそうなら、《陰謀団式療法》で前方確認を済ませてから動くこともできます。

 《隠遁ドルイド》は凶悪なクリーチャーですが、これまでヴィンテージでは他のデッキに押されてあまり見られませんでした。とはいえ強力であることに違いはありませんし、今後はヴィンテージ界で《隠遁ドルイド》デッキの研究が進んでいくかもしれませんね。

「ハーミットマニアック」でデッキを検索

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 いかがだったでしょうか。

 ある人は「すべてのデッキリストには意思が込められている」と言いました。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つことでしょう。

 読者の皆さんも、ぜひいろいろとおもしろいデッキを探してみてください。

 また来週!

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