皆さんこんにちは。
新エキスパンション『イニストラードを覆う影』がリリースされてしばらく経ちますが、皆さんはレガシーを楽しんでいますか?
今回の記事では【SCG Classics Columbus】の入賞デッキを紹介していきたいと思います。
SCG Classics Columbus
~コンボとDelver系が多数入賞~
2016年4月17日
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。 |
1位 Grixis Delver
2位 Belcher
3位 UR Delver
4位 Eldrazi
5位 Temur Delver
6位 Sneak and Show
7位 ANT
8位 Punishing Abzan
トップ8のデッキリストは【こちら】
SCG Invitational Columbus、SCGO Columbusと併催して行われたSCG Classics Legacy。今大会のプレイオフは最近のレガシーの大会では珍しくMiraclesやShardlessが見当たらず、ANT、Sneak and Show、そしてBelcherとコンボが多数勝ち残りました。
Delver系もGrixis、UR、Temurとバリエーションの違いはありますが、プレイオフに合計3名のプレイヤーを輩出しました。最近流行りのEldraziもトップ4入賞と健闘しています。
SCG Classics Columbus デッキ紹介
「Grixis Delver」「UR Delver」「Temur Delver」「Belcher」「Omni-tell」
● Delver各種
今大会では3つの異なるDelverが入賞を果たしました。まずは今大会で見事に優勝を収めたGrixis Delverを見ていきます。
3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 4 《汚染された三角州》 3 《溢れかえる岸辺》 1 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地 (18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《若き紅蓮術士》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー (14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 2 《陰謀団式療法》 1 《二股の稲妻》 1 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 -呪文 (28)- |
2 《悪意の大梟》 2 《外科的摘出》 2 《紅蓮破》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 1 《侵襲手術》 1 《暗黒破》 1 《陰謀団式療法》 1 《古えの遺恨》 1 《四肢切断》 1 《苦い真理》 -サイドボード (15)- |
Delver系の中でも最もコンスタントに上位入賞を収めているGrixis Delver。《死儀礼のシャーマン》のおかげでマナも安定しています。軽いスペルと《若き紅蓮術士》を利用して手数で押していくことも可能で、墓地のスペルをダメージソースに変換できる《死儀礼のシャーマン》の存在もあり、Delver系の中でもロングゲームに強い型です。
☆注目ポイント
「探査」クリーチャーの《グルマグのアンコウ》は相手の《タルモゴイフ》よりもサイズで勝っていることが多く、最近流行りのEldraziが使用する《現実を砕くもの》とも相打ちが取れます。
《四肢切断》は《現実を砕くもの》やその他のエルドラージクリーチャーを落とせるので、現在はメインから入れていてもいい除去スペルです。《悪意の大梟》も接死持ちなのでエルドラージクリーチャーや《タルモゴイフ》などと確実に相打ちを取ることが可能で、キャントリップ付きなのでカードアドバンテージも取れます。
サイドの《暗黒破》はElves、Death and Taxes、同型で役に立つ除去スペルで、「発掘」は《死儀礼のシャーマン》の燃料補充や「探査」に貢献します。
《外科的摘出》は《壌土からの生命》や《罰する火》といった厄介なエンジン対策にもなる、現在のメタでは最適な墓地対策となります。
《苦い真理》は「探査」ドローに代わるこのデッキの新たなドロースペルで、3マナとコストはかかりますが3色のこのデッキではあの《宝船の巡航》と同等のドロー3になります。
《侵襲手術》は『イニストラードを覆う影』から加入したソーサリーのみを打ち消すスペルで、《被覆》と同様の効果を持ちますが「昂揚」というおまけが付いてきます。条件を満たすのもそれほど難しくなく、《実物提示教育》や《終末》といった決定的なスペルを打ち消しつつ残りを追放することによって、その後のゲームを有利に進めることを可能にします。
2 《島》 2 《山》 3 《Volcanic Island》 4 《汚染された三角州》 3 《沸騰する小湖》 2 《溢れかえる岸辺》 -土地 (16)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《僧院の速槍》 4 《嵐追いの魔道士》 -クリーチャー (12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 2 《二股の稲妻》 2 《呪文貫き》 4 《発展の代価》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 -呪文 (32)- |
2 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 2 《粉々》 2 《血染めの月》 2 《硫黄の渦》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《イゼットの静電術師》 1 《紅蓮破》 1 《乱暴+転落》 1 《水没》 -サイドボード (15)- |
《僧院の速槍》《嵐追いの魔道士》といった果敢持ちのクリーチャーや多めに採用された火力により、先ほど紹介したGrixisと異なりロングゲームよりも相手のライフを速攻で削ることに特化したBurnに近い構成のUR Delver。メインから4積みされた《発展の代価》のおかげで、他のDelverと比べるとLandsやShardlessといったデッキに対してチャンスがあります。
☆注目ポイント
『ゲートウォッチの誓い』から加入した《嵐追いの魔道士》は《僧院の速槍》と同様に果敢、速攻持ちなのに加えて、果敢で増えた打点を飛行で通しやすく、1/3というサイズは一度誘発させるだけで《稲妻》の射程圏外になります。
果敢クリーチャーをサポートするために軽いスペルでまとめられており、メインには合計32枚のソーサリー、インスタントが積まれているので《秘密を掘り下げる者》を変身させるのも容易です。
2色なのでこちらの被害を気にせずにメインの《発展の代価》、サイドの《血染めの月》といったアンチ特殊地形カードを使っていけます。
3 《Volcanic Island》 3 《Tropical Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《樹木茂る山麓》 4 《不毛の大地》 -土地 (18)- 4 《敏捷なマングース》 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー (12)- |
4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《目くらまし》 4 《もみ消し》 4 《稲妻》 2 《呪文貫き》 2 《二股の稲妻》 2 《四肢切断》 4 《Force of Will》 -呪文 (30)- |
2 《墓掘りの檻》 2 《外科的摘出》 2 《紅蓮破》 2 《呪文貫き》 2 《発展の代価》 2 《水没》 1 《破壊的な享楽》 1 《古えの遺恨》 1 《クローサの掌握》 -サイドボード (15)- |
数多く存在するDelverのバリエーションのなかでも一番古い型のTemur Delver。《もみ消し》《不毛の大地》などのマナ否定、《目くらまし》《呪文貫き》などのソフトカウンターと、Delver系のなかでも最もテンポに比重を置いたバージョンです。
☆注目ポイント
Eldraziを意識してか、除去に《四肢切断》が選択されています。《現実を砕くもの》など高タフネスのクリーチャーはTemur Delverにとっては厄介なので重宝します。
サイドには置物対策に《古えの遺恨》《破壊的な享楽》《クローサの掌握》の3種類が採用されています。《クローサの掌握》は他のスペルと比べると重いものの、《相殺》や《虚空の杯》をほぼ確実に壊せる点が環境に合っています。
LandsやShardlessのように本来このデッキが苦戦するマッチアップを少しでも有利にするために《発展の代価》も採用されています。
《外科的摘出》は今回紹介したすべてのDelverのサイドボードに採用されています。Delver系のデッキにとって厳しいマッチである《壌土からの生命》や《罰する火》を採用したLandsに対して効果的なため、多数存在する墓地対策のなかでも優先的に採用されています。
● コンボ各種
コンボデッキが多く勝ち残ったSCG Classics Columbusですが、今回の記事ではANTやSneak and Showといった定番のコンボ以外のデッキを紹介します。
1 《Taiga》 -土地 (1)- 4 《ほくちの壁》 4 《Elvish Spirit Guide》 4 《猿人の指導霊》 -クリーチャー (12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《炎の儀式》 4 《燃え立つ願い》 4 《土地譲渡》 4 《捨て身の儀式》 3 《魔力変》 2 《発熱の儀式》 4 《煮えたぎる歌》 3 《巣穴からの総出》 4 《水蓮の花びら》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 3 《金属モックス》 4 《ゴブリンの放火砲》 -呪文 (47)- |
4 《ザンティッドの大群》 2 《花の絨毯》 2 《紅蓮破》 1 《ゴブリンの集中攻撃》 1 《再活性》 1 《冥府の教示者》 1 《巣穴からの総出》 1 《苦悶の触手》 1 《先細りの収益》 1 《魂の再鍛》 -サイドボード (15)- |
多数のコンボが存在するレガシー環境でもダントツの速度を誇るBelcher。1ターン目にコンボを決めることも可能ですが、コンボを決めるためにリソースをすべてつぎ込むため、《Force of Will》などで《ゴブリンの放火砲》をカウンターされるとそれだけで勝つのが難しくなるという脆さも持ち合わせています。しかし、そういった青いデッキに対してはカウンターに強い《巣穴からの総出》による「ストーム」プランもあります。
青いデッキの多いレガシー環境ではなかなか結果を出すのが難しいですが、最近はEldraziやLandsなどのカウンターを使用しないデッキも上位でよく見られるようになり、それらのデッキは最速1ターン目のコンボを妨害する手段が限られているため、デッキの本来の強さを発揮しやすくなっています。
☆注目ポイント
メインボードは標準的な構成ですが、サイドボードには《燃え立つ願い》からサーチするための各種「ウィッシュボード」が散りばめられており、《ゴブリンの集中攻撃》《冥府の教示者》《魂の再鍛》といった珍しいスペルも見られます。
《Force of Will》を採用した青いデッキが多数存在するレガシーでは脆いデッキという烙印を押されていますが、儀式スペルやマナ加速をプレイする順序など意外とプレイングによる駆け引きも存在し、《巣穴からの総出》やサイド後の《苦悶の触手》ルートは《ゴブリンの放火砲》ルートとは異なるレスポンスを相手に要求します。
5 《島》 1 《沼》 2 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《古えの墳墓》 2 《すべてを護るもの、母聖樹》 -土地 (20)- 2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー (2)- |
4 《定業》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《思考囲い》 4 《狡猾な願い》 4 《リム=ドゥールの櫃》 4 《実物提示教育》 2 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《全知》 1 《師範の占い独楽》 -呪文 (39)- |
1 《仕組まれた爆薬》 1 《殺戮の契約》 1 《否定の契約》 1 《有毒の蘇生》 1 《狼狽の嵐》 1 《計略縛り》 1 《残響する真実》 1 《エラダムリーの呼び声》 1 《再建》 1 《急流》 1 《拭い捨て》 1 《毒の濁流》 1 《貪欲な罠》 1 《蟻の解き放ち》 1 《火想者の予見》 -サイドボード (15)- |
《全知》を軸にしたOmni-tellは、《時を越えた探索》が禁止になる前はSneak and Showを抑えて《実物提示教育》系コンボの代表格でしたが、《時を越えた探索》が禁止カードに指定されて以来あまり見られなくなりました。基本的に青単色で赤をタッチしたバージョンも見られますが、今回紹介するバージョンは青黒です。今大会ではタイブレーカー争いに敗れ、惜しくもトップ8は逃したものの、9位入賞を果たしています。
☆注目ポイント
《燃え立つ願い》を採用していないので青赤と比べると対応力では劣りますが、黒を足したことでハンデスの《思考囲い》、そしてサーチスペルの《リム=ドゥールの櫃》にアクセスができるようになりました。《リム=ドゥールの櫃》はなかなかに優秀なライブラリー操作で、デッキ内のキーカードを見つけにいくことができます。
《リム=ドゥールの櫃》は2マナのスペルなのでサイドボードの《火想者の予見》とも相性がよく、《全知》を戦場に出した後に 《狡猾な願い》で《火想者の予見》をサーチし、《火想者の予見》から《渦まく知識》《リム=ドゥールの櫃》《狡猾な願い》とサーチすることで必要なカードをほぼ確実に手に入れることを可能にします。
《渦まく知識》と《リム=ドゥールの櫃》でデッキ内の《引き裂かれし永劫、エムラクール》を探し出してライブラリートップに積み、《狡猾な願い》から《蟻の解き放ち》をサーチして無限ダメージで勝利します。
《思考囲い》はANTやReanimatorなど、このデッキよりも速いコンボのキーカードを落とすことで対戦相手をスローダウンさせたり、安全にコンボを通すことに貢献します。
■ 総括
SCG Classics Columbusの結果は、最近のレガシーの大会では珍しくMiracles、Shardless、Landsといったデッキがトップ8には不在でDelver系やコンボが結果を残していました。特に久々に登場したオールインコンボのBelcherは準優勝と大健闘でした。
Delver系はGrixis Delverが安定した勝率を出しており、《死儀礼のシャーマン》《若き紅蓮術士》などの優秀なクリーチャーに加え、各色から効率的なスペルを積んでいるためデッキパワーが高く、現在のベストな型に近いといえます。
以上、USA Legacy Express vol.102でした。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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