皆さんこんにちは。
先週末には【グランプリ・東京2016】が開催され、併催イベントとしてもジョニーのお店協賛「日本レガシー選手権2016」などが開催されましたが皆さんは参加されましたか?
さて、今回の記事では【SCG Classics Milwaukee】とジョニーのお店協賛「日本レガシー選手権2016」の入賞デッキを見ていきたいと思います。
SCG Classics Milwaukee
~非青デッキが多数入賞。Sliversなどレアなデッキも~
2016年5月1日
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。 |
1位 Grixis Delver
2位 Esper Stoneblade
3位 Belcher
4位 Slivers
5位 ANT
6位 BG Midrange
7位 Abzan
8位 UR Delver
トップ8のデッキリストは【こちら】
SCGO Milwaukeeと併催して開催されたSCG Classics Legacyは、優勝こそトップメタのGrixis Delverでしたがトップ8は7位のAbzanや6位のBGといった非青デッキ、4位入賞のSliversなど比較的珍しいタイプのデッキが結果を残していました。
前回に引き続いて高速コンボのBelcherも入賞しており、非青デッキの流行はコンボにとっては追い風です。
SCG Classics Milwaukee デッキ紹介
「Slivers」「Esper Stoneblade」「Mono-Red Sneak Attack」
1 《島》 1 《平地》 2 《Tundra》 1 《Tropical Island》 1 《Underground Sea》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《霧深い雨林》 4 《変わり谷》 2 《魂の洞窟》 -土地 (19)- 4 《風乗りスリヴァー》 4 《水晶スリヴァー》 4 《捕食スリヴァー》 4 《筋力スリヴァー》 3 《冬眠スリヴァー》 3 《筋肉スリヴァー》 1 《幻影の像》 -クリーチャー (23)- |
3 《渦まく知識》 3 《目くらまし》 4 《Force of Will》 2 《森の知恵》 1 《金属モックス》 4 《霊気の薬瓶》 1 《剣を鍬に》 -呪文 (18)- |
3 《スレイベンの守護者、サリア》 3 《調和スリヴァー》 3 《安らかなる眠り》 3 《真髄の針》 2 《狼狽の嵐》 1 《壊死スリヴァー》 -サイドボード (15)- |
スリヴァーを並べて共有能力で強化しつつ《Force of Will》などのカウンターでバックアップする、かつてエクステンデッドで活躍していたカウンタースリヴァーの現代版。
スリヴァー、特にロードの種類も増えているので過去のスリヴァーデッキとは比べ物にならないほどのデッキパワーです。その性質上、コントロールやコンボに強いデッキです。
☆注目ポイント
全てのスリヴァーに除去耐性を与える《水晶スリヴァー》と《冬眠スリヴァー》はコントロールデッキにとって脅威となります。特に《冬眠スリヴァー》は《水晶スリヴァー》では防げない《終末》などのスイーパーからクロックを守ることを可能にし、自身をバウンスすることで《Force of Will》のコストに充てることも可能です。
マナコストを支払わずにクリーチャーを戦場に出せる《霊気の薬瓶》は多色のこのデッキでは重要なカードとなります。《魂の洞窟》と合わせてカウンターを気にせずに安定してクロックを展開できるのはこのタイプのデッキ(スリヴァー、Merfolk、Death and Taxes)の強みです。
コントロールデッキを相当意識しているのか、カードアドバンテージを稼げる《森の知恵》もメインから採用しています。
サイドにはコンボ対策の《スレイベンの守護者、サリア》《狼狽の嵐》、置物対策の《調和スリヴァー》《壊死スリヴァー》、墓地対策の《安らかなる眠り》、起動型能力を持つパーマネント(《師範の占い独楽》《騙し討ち》《梅澤の十手》《仕組まれた爆薬》など)への対策には《真髄の針》と綺麗にまとまっています。
3 《島》 2 《平地》 1 《忍び寄るタール坑》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《湿地の干潟》 4 《汚染された三角州》 1 《Scrubland》 3 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Karakas》 -土地 (22)- 2 《瞬唱の魔道士》 4 《石鍛冶の神秘家》 1 《悪意の大梟》 2 《真の名の宿敵》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー (11)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 3 《思考囲い》 2 《思案》 2 《対抗呪文》 1 《議会の採決》 1 《エスパーの魔除け》 1 《至高の評決》 4 《Force of Will》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (27)- |
3 《翻弄する魔道士》 2 《狼狽の嵐》 2 《安らかなる眠り》 1 《封じ込める僧侶》 1 《流刑への道》 1 《外科的摘出》 1 《解呪》 1 《盲信的迫害》 1 《至高の評決》 1 《真髄の針》 1 《石術師、ナヒリ》 -サイドボード (15)- |
上位入賞は久々のEsper Stoneblade。《死儀礼のシャーマン》を採用したテンポ寄りのDeathbladeと異なり3色のコントロール寄りの構成です。ハンデス、除去、打ち消し、攻守に優れた優秀なクリーチャーと一通り揃っているので、どんなデッキを相手にしても互角以上に戦えます。
《紅蓮破》が使えないため相手の《精神を刻む者、ジェイス》などを戦闘以外に除去する手段に貧しく、《相殺》+《師範の占い独楽》のあるMiraclesとのマッチアップはやや不利が付きます。《Maze of Ith》や《罰する火》を採用したLandsも不利なマッチとなります。
☆注目ポイント
Esper Stonebladeでは必ずといってよいほど採用されていた《未練ある魂》は不採用で、代わりに《ヴェンディリオン三人衆》《真の名の宿敵》《瞬唱の魔道士》といったクリーチャーが多めに採られています。
《思考囲い》から《瞬唱の魔道士》で再度の《思考囲い》の流れは特に遅めのコンボにとって脅威になります。《真の名の宿敵》は除去耐性の高さと回避能力の高さから装備品との相性も良好で、このデッキの頼れるフィニッシャーとなります。《未練ある魂》を採用していないので布告系の除去には弱くなりますが《Maze of Ith》や《罰する火》といったカードに耐性があるのは魅力です。
《悪意の大梟》も《梅澤の十手》などの装備品と相性がいいクリーチャーで、除去されてもキャントリップのおかげでアドバンテージが取れます。
《エスパーの魔除け》はあまり見かけないカードですがメインから無理なく入るエンチャント対策であり、3マナスペルなので《相殺》に引っかかり難いのも魅力です。《相殺》《騙し討ち》《血染めの月》《森の知恵》といった様々なエンチャントを破壊します。
《忍び寄るタール坑》はカウンターされないクロックとしてMiraclesなどのコントロールとのマッチアップで活躍します。
サイドの《石術師、ナヒリ》は時折Stonebladeで見かけるプレインズウォーカーです。5マナと少し重いコストを容認できるなら、トークンを生み出すことで自身を守ることが可能と、このデッキにマッチした能力を持っています。《紅蓮破》に引っかからない追加の勝ち手段としてMiraclesなどに対してサイドインされます。
8 《山》 3 《鋭き砂岩》 4 《古えの墳墓》 4 《裏切り者の都》 -土地 (19)- 4 《猿人の指導霊》 3 《業火のタイタン》 2 《山賊の頭、伍堂》 3 《グリセルブランド》 2 《世界棘のワーム》 2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー (16)- |
4 《煮えたぎる歌》 4 《裂け目の突破》 4 《血染めの月》 4 《騙し討ち》 4 《虚空の杯》 4 《水蓮の花びら》 1 《殴打頭蓋》 -呪文 (25)- |
4 《三なる宝球》 2 《月の大魔術師》 2 《紅蓮破》 2 《破壊放題》 2 《突然のショック》 2 《紅蓮術》 1 《紅蓮地獄》 -サイドボード (15)- |
惜しくもトップ8は逃しましたが、おもしろいデッキがあったので紹介したいと思います。
マナ加速から《騙し討ち》→《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》などに繋げる赤単色のコンボデッキで、《虚空の杯》や《血染めの月》で相手をロックするプリズンデッキ的な側面も持ち合わせています。
☆注目ポイント
《古えの墳墓》《裏切り者の都》《鋭き砂岩》(※《鋭き砂岩》はタップ状態で戦場に出ます)の3種類の2マナランドと《煮えたぎる歌》《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》といったマナ加速を利用すれば、早いターンに《騙し討ち》からファッティに繋げることが可能です。
《世界棘のワーム》は《引き裂かれし永劫、エムラクール》と同様の15/15のクリーチャーで、置き土産として3体の5/5ワームトークンを残していきます。
《業火のタイタン》はダメージの振り分けによって相手の戦場をスイープします。《煮えたぎる歌》で生み出したマナを注ぎ込んで打点を上げることも可能です。
《山賊の頭、伍堂》はあまり見ないクリーチャーですが、戦場に出る際に《殴打頭蓋》を残していくのでその後のアタッカーにも困りません。
マナ加速から1ターン目に《虚空の杯》や《血染めの月》を貼ることも可能で、相手によってはそれだけで勝ちがほぼ確定することもあります。
プリズン戦略はサイドから《三なる宝球》と《月の大魔術師》を追加で投入することでさらに強化されます。《月の大魔術師》はクリーチャーなので除去に弱いという欠点がありますが、このデッキ相手によくサイドインされるエンチャント対策では対処されないので、相手のサイドの仕方によっては逆に除去されにくくなります。
《紅蓮術》は無作為に捨てたカードのマナコスト分のダメージを与えるエンチャントで、サイド後に《罠の橋》などを貼られた際のバックアップとして活躍が期待できます。単純にコンボパーツが増えるので安定性も高まります。
ジョニーのお店協賛 日本レガシー選手権2016 Spring
~トップメタのMiraclesが春の選手権を制する~
2016年5月7日
1位 Miracles
2位 Shardless BUG
3位 Infect
4位 Miracles
5位 Jund
6位 Reanimate
7位 Omni-tell
8位 Miracles
トップ8のデッキリストは【こちら】
SCG Classicsのメタと大きく異なり、Miraclesを始めとした青いデッキの活躍が目立ちます。5位のJundを除いた入賞デッキすべてがフェア、コンボの差はありますが青を含めたデッキです。
SCGOがグランプリと同様の二日制になったため競技志向のプレイヤーの多くが本戦の二日目に参加しており、Classicsはややカジュアル寄りの大会になりつつあるので、今大会のように日本全国からレガシー好きが集まった大会のメタのほうが競技志向のプレイヤーには参考になるかもしれません。
ジョニーのお店協賛 日本レガシー選手権2016 Spring デッキ紹介
「Miracles」「Reanimate」
4 《島》 2 《平地》 3 《Tundra》 2 《volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 1 《Karakas》 -土地 (22)- 2 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー (4)- |
4 《渦まく知識》 3 《思案》 3 《剣を鍬に》 1 《呪文嵌め》 1 《紅蓮破》 1 《対抗呪文》 2 《天使への願い》 1 《議会の採決》 3 《Force of Will》 4 《終末》 4 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (34)- |
2 《僧院の導師》 2 《狼狽の嵐》 2 《摩耗+損耗》 1 《封じ込める僧侶》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《対抗呪文》 1 《灰からの再興》 1 《Force of Will》 1 《安らかなる眠り》 1 《基本に帰れ》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード (15)- |
今大会で見事に優勝を果たしたタカノ シゲキ選手は過去の【BMO Legacy】でもElvesで優勝経験のある強豪プレイヤーです。最近はElvesではなくMiraclesをよく使っているようで、今大会のパフォーマンスからもレガシーというフォーマットの理解度の高さが伺えます。
☆注目ポイント
海外のリストでは《僧院の導師》をメインから採用したリストを多く見かけますが、タカノ選手のリストでは《僧院の導師》はサイドに落とされ、メインの主なフィニッシャーは《天使への願い》と《精神を刻む者、ジェイス》になっています。
《天使への願い》はShardlessやJundなどの消耗戦になりやすいマッチにおいて、ゲーム中盤以降に「奇跡」から複数の天使トークンを出すことによって速やかにゲームを終わらせることを可能にします。
《僧院の導師》の利点としては《天使への願い》のように早い段階で引いてきても無駄にならないことが挙げられますが、同時に相手のメインに入っている単体除去を有効なカードにしてしまうため、サイドから投入するほうが本来の強さを発揮しやすくなります。
サイドの特殊地形対策は多くのリストでは《血染めの月》ですが、タカノ選手は《基本に帰れ》を選択しています。特殊地形がアンタップしなくなるため、場合によっては《血染めの月》よりも高い効果が望めます。《血染めの月》と異なりキャストするのに《volcanic Island》をサーチしてくる必要がなくなったので、自分で貼った特殊地形対策から受ける被害も少なくなります。
『統率者2013』の特殊地形対策カードの《灰からの再興》は《破滅》のバリエーションで、破壊された特殊地形1枚につき基本地形をサーチしてくることができます。
レガシーのほとんどのデッキは基本地形を採用していても数枚であるのに対し、Miracles側は基本地形を合計6枚採用しています。そのため、多くの場合は相手のほうが《灰からの再興》から受ける被害は大きくなります。特殊地形を大量に並べてくるLandsや12 Postなど対して特に有効です。
また、Eldraziなど《虚空の杯》を採用したデッキが環境に多いので、《摩耗+損耗》2枚と《仕組まれた爆薬》の計3枚が対策として採られています。
2 《沼》 1 《島》 3 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《汚染された三角州》 2 《血染めのぬかるみ》 -土地 (15)- 1 《墓所のタイタン》 4 《グリセルブランド》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー (6)- |
4 《渦まく知識》 4 《暗黒の儀式》 4 《納墓》 4 《思案》 4 《思考囲い》 2 《定業》 2 《再活性》 4 《浅すぎる墓穴》 3 《御霊の復讐》 2 《実物提示教育》 4 《暴露》 2 《金属モックス》 -呪文 (39)- |
4 《突然の衰微》 3 《根絶》 3 《真髄の針》 2 《残響する真実》 2 《虐殺》 1 《実物提示教育》 -サイドボード (15)- |
《金属モックス》や《暗黒の儀式》によるマナブーストを経由して最速1ターン目から《グリセルブランド》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》といったファッティに繋げるオールインReanimator。《コーリスの子》や《苦悶の触手》を含めたTin Finと異なり「ストーム」を利用せず、クリーチャーによるアタックで勝利を目指します。
普通のReanimatorよりも爆発力で勝り、ドロースペルを多めに採っているので安定性もそこまで落ちていないようです。コンボデッキの中でもスピードに勝り、ハンデスなど妨害スペルもあるので他のコンボに強いデッキです。
☆注目ポイント
メインから《実物提示教育》を採用しているため墓地を経由せずともクリーチャーを戦場に出すことができるので、《安らかなる眠り》《外科的摘出》《死儀礼のシャーマン》といった墓地対策にもいくらか耐性が付いています。
《暴露》や《思考囲い》で安全確認しつつ相手の妨害スペルを落としてからファッティを戦場に出します。特にマナを使わずにハンデスができる《暴露》は速攻でコンボを決める際に頼りになります。
サイドには墓地対策の置物や、各種ヘイトベアーに加えて《死儀礼のシャーマン》《相殺》を割れる《突然の衰微》が4枚と徹底しています。《死儀礼のシャーマン》は《真髄の針》で止めることもできます。
■ 総括
カジュアルなイベントであるSCG ClassicsではBelcherやSliversといった普段はあまり見ないデッキも結果を残していますが、ジョニーのお店協賛「日本レガシー選手権2016」のように競技志向のプレイヤーが集まるイベントでは、やはりトップメタのMiraclesやShardless、DelverやShow and Tell系といったデッキが中心のようです。
来月にはアメリカ、Columbusでレガシーのグランプリが開催されますが、どのような結果になるのか楽しみです。
以上USA Legacy Express vol.103でした。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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