皆さんこんにちは。
『コンスピラシー:王位争奪』が今月末にリリースされます。スポイラーも公開され始め、《Sanctum Prelate》や《Recruiter of the Guard》など、レガシーでも活躍しそうなカードが見られますね。
2014年にリリースされた『コンスピラシー』でも《ダク・フェイデン》や《議会の採決》といった強力なカード収録されていたので期待できそうです。
さて、今回は【SCG Classics Syracuse】の入賞デッキをご紹介していきたいと思います。
SCG Classics Syracuse
~コンボデッキが上位に多数~
2016年7月30-31日
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。 |
1位 Infect
2位 Belcher
3位 Bant Deathblade
4位 Elves
5位 Burn
6位 Punishing Jund
7位 Storm
8位 Grixis Delver
トップ8のデッキリストは【こちら】
BelcherやStormといった速いコンボデッキが入賞し、逆にShow and Tellなどの中速寄りのコンボは不在です。フェアデッキでは、トップメタであるMiraclesが上位では珍しく少数で、トップ16まで見渡してもわずか1名です。速いコンボデッキやStoneblade、Elvesといった「クリーチャーデッキに強いアーキタイプ」が勝ち残っているため、Eldraziも上位では見られませんでした。
SCG Classics Syracse デッキ紹介
「Belcher」「Storm」「Bant Deathblade」「Burn」「Maverick」
1 《Taiga》 -土地 (1)- 4 《Elvish Spirit Guide》 4 《猿人の指導霊》 4 《ほくちの壁》 -クリーチャー (12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《炎の儀式》 4 《燃え立つ願い》 4 《捨て身の儀式》 4 《土地譲渡》 4 《発熱の儀式》 4 《煮えたぎる歌》 3 《巣穴からの総出》 4 《金属モックス》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 4 《ゴブリンの放火砲》 -呪文 (47)- |
4 《ザンティッドの大群》 4 《耳障りな反応》 1 《ゴブリンの集中攻撃》 1 《冥府の教示者》 1 《巣穴からの総出》 1 《テレミンの演技》 1 《苦悶の触手》 1 《袖の下》 1 《魂の再鍛》 -サイドボード (15)- |
SCG Classicsでは、かなりの確率で見かけるBelcher。「《意志の力》を使ったデッキがどれだけ勝ち残っているか」で勝率が大きく変動するデッキですが、今大会ではJundなどの《意志の力》を採用した青いデッキ以外のデッキも多数上位に残っていました。
☆注目ポイント
コンボによって瞬殺することにフォーカスしたオールインコンボの性質上、「カウンターに弱い」という弱点を抱えていますが、対策としてサイドボードに《ザンティッドの大群》と《耳障りな反応》を4枚ずつ採用しています。《ザンティッドの大群》は、相手も除去を減らしていることが多いので生き残りやすく、青いデッキにとってマストカウンターとなります。
《耳障りな反応》は対象が「青いインスタントのみ」と非常に限定的ですが、コンボの妨害をしてくるカウンターを打ち消すことが主な使用目的になります。
息切れ防止に《冥府の教示者》や《魂の再鍛》も採用されており、《真髄の針》などで《ゴブリンの放火砲》を封じられても《苦悶の触手》や《巣穴からの総出》といった「別のストームコンボによる勝ち手段」も用意されています。
1 《沼》 2 《Underground Sea》 1 《Badlands》 1 《Bayou》 1 《Volcanic Island》 4 《汚染された三角州》 3 《血染めのぬかるみ》 -土地 (13)- -クリーチャー (0)- |
4 《渦まく知識》 4 《陰謀団式療法》 4 《暗黒の儀式》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《炎の儀式》 2 《強迫》 4 《燃え立つ願い》 4 《冥府の教示者》 1 《巣穴からの総出》 1 《むかつき》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 3 《金属モックス》 -呪文 (47)- |
4 《突然の衰微》 2 《ザンティッドの大群》 2 《残響する真実》 1 《闇の誓願》 1 《思考囲い》 1 《ぶどう弾》 1 《巣穴からの総出》 1 《虐殺》 1 《炎の中の過去》 1 《苦悶の触手》 -サイドボード (15)- |
Stormの名手、Bryant Cookは今大会でもStormで上位入賞を収めました。彼自身によって製作された《金属モックス》や《炎の儀式》といったマナ加速を多めに採用して、コンボスピードを重視した“The Epic Storm(TES)”と呼ばれているバージョンです。
☆注目ポイント
《闇の誓願》などのサーチスペルはメインに採用されていませんが、サイドに採用された《巣穴からの総出》《ぶどう弾》《虐殺》《炎の中の過去》《苦悶の触手》といったソーサリーカードを、《燃え立つ願い》で状況に応じてサーチします。
《オアリムの詠唱》のために白を足しているリストもありますが、今回のリストでは白はオミットされています。青の打消し対策には《ザンティッドの大群》がサイドに採用されており、《オアリムの詠唱》と異なり1ターン目に置いておくことができるので、コンボ発動前に無理に白マナを出す必要がなくなり、マナベースもわずかながら安定しています。
コンボスピードにフォーカスしたTESは、《スレイベンの守護者、サリア》や《虚空の杯》といった各種ヘイトベアーや、プリズンスペルがキャストされる前にコンボを決めることが可能です。《燃え立つ願い》を採用しているので、厄介なヘイトベアーは《虐殺》で対処可能なのも魅力ですね。
メインから採用されている勝ち手段は《巣穴からの総出》で、2ターン目にストーム8-10でゴブリンの大群を呼び出して、相手に対処される前にゲームを決めることができます。
弱点としては、より多くのドロースペルを採っているANTに比べて、カウンターなど妨害スペルへの耐性が低く、速い段階でコンボを決められなかった場合、青いデッキには苦戦を強いられます。サイド後は追加のコンボパーツである《炎の中の過去》や《苦悶の触手》が投入され、ANTに近い構成になるので、また違った戦い方になるでしょう。
3 《Tropical Island》 2 《Tundra》 1 《Scrubland》 1 《Underground Sea》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地 (19)- 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《貴族の教主》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《真の名の宿敵》 -クリーチャー (15)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 2 《思案》 2 《もみ消し》 4 《目くらまし》 4 《意志の力》 1 《森の知恵》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (26)- |
2 《封じ込める僧侶》 2 《翻弄する魔道士》 2 《外科的摘出》 2 《突然の衰微》 2 《盲信的迫害》 1 《狼狽の嵐》 1 《侵襲手術》 1 《流刑への道》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -サイドボード (15)- |
黒の代わりに、マナ加速の《貴族の教主》が使える緑を足したDeathbladeです。Bantカラーがベースになったことで、マナクリーチャーや、《目くらまし》 《もみ消し》 《不毛の大地》などを採用することができるため、テンポ寄りの構成になっているのが最大の特徴です。
☆注目ポイント
このデッキの《もみ消し》は、わずか2枚であるため、フェッチランドをカウンターして土地事故を誘発させることよりも、奇跡スペルの妨害などが主な使い方になります。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は最近よく見られるようになったプレインズウォーカーで、トークンを生み出す「+0」能力が各種装備品とも相性が良く、5/5クリーチャーとなる「+1」能力でフィニッシャーとしても頼りになる、優秀なカードです。
サイドに忍ばせてある 《盲信的迫害》は小型のクリーチャーを並べてくるElvesやDeath and Taxes、《若き紅蓮術士》対策であり、このデッキでは対処が困難な《真の名の宿敵》に対しても有効です。
9 《山》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 2 《乾燥台地》 1 《沸騰する小湖》 -土地 (20)- 4 《ゴブリンの先達》 3 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー (11)- |
4 《稲妻の連鎖》 4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 4 《発展の代価》 3 《焼尽の猛火》 4 《裂け目の稲妻》 2 《極上の炎技》 4 《火炎破》 -呪文 (29)- |
4 《紅蓮光電の柱》 3 《罠の橋》 3 《粉々》 2 《極上の炎技》 2 《硫黄の渦》 1 《焼尽の猛火》 -サイドボード (15)- |
レガシーの低予算デッキとしてよく見かけるBurn。単色を活かして《発展の代価》や《大歓楽の幻霊》などの特殊地形や、低コストスペルを多用するデッキにとって厄介なカードが豊富に採用されているため、SultaiやGrixisのような「特殊地形に頼ったフェアデッキ」に対して非常に強い構成となっています。反面、ANTやReanimatorのような「速いコンボデッキ」が苦手であり、対策として《大歓楽の幻霊》と《紅蓮光電の柱》をメイン、サイドと合わせて4枚ずつ積んでいます。
☆注目ポイント
最近のバーンで必ず採用されていると言っても良い《僧院の速槍》が不採用で、《渋面の溶岩使い》が多めに採用されており、《極上の炎技》もメインから採用されています。サイドにも追加で2枚採られていることからも、青いデッキを意識していたことが分かります。
《渋面の溶岩使い》は《僧院の速槍》と異なり爆発力に欠けますが、息切れ防止になり、安定してダメージを与え続けることができます。
《極上の炎技》はこのデッキでは「魔巧」を達成するのが容易なため、Miraclesなどの青いデッキに対して最後の数点を削る手段として重宝します。
サイドの《罠の橋》はSneak and ShowやEldraziなど、「クリーチャーを使って勝利を目指すデッキ」に対してサイドインされます。《粉々》は《殴打頭蓋》や、最近よく見られる《虚空の杯》を対策しつつ、本体にもダメージが通るので使いやすい置物対策です。
1 《森》 1 《平地》 2 《Bayou》 2 《Savannah》 1 《Scrubland》 1 《ドライアドの東屋》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《新緑の地下墓地》 1 《湿地の干潟》 1 《地平線の梢》 1 《ガイアの揺籃の地》 1 《カラカス》 4 《不毛の大地》 -土地 (23)- 3 《死儀礼のシャーマン》 3 《ルーンの母》 1 《極楽鳥》 1 《貴族の教主》 1 《森を護る者》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《石鍛冶の神秘家》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 1 《スクリブのレインジャー》 4 《聖遺の騎士》 2 《異端聖戦士、サリア》 -クリーチャー (24)- |
4 《緑の太陽の頂点》 4 《剣を鍬に》 2 《突然の衰微》 1 《森の知恵》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 -呪文 (13)- |
3 《思考囲い》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《外科的摘出》 2 《盲信的迫害》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《突然の衰微》 1 《ハルマゲドン》 1 《真髄の針》 1 《戦争と平和の剣》 1 《情け知らずのガラク》 -サイドボード (15)- |
Death and TaxesやJundと並ぶ非青フェアデッキの代表格のMaverick。緑白の2色が主流でしたが、《死儀礼のシャーマン》と《突然の衰微》が登場して以来、Abzanカラーが主流になっています。《スレイベンの守護者、サリア》や《クァーサルの群れ魔道士》、 《ガドック・ティーグ》などの妨害要素を内蔵したクリーチャーが中心で、アグロコントロールのDeath and Taxesと似た要素がある戦略ですが、各種緑クリーチャーを状況に応じてサーチする《緑の太陽の頂点》を採用したMarverickは、更にコントロール寄りの構成です。
☆注目ポイント
フレキシブルなサーチスペルである《緑の太陽の頂点》のおかげで《渦まく知識》などのドロースペルを採用していないのにもかかわらず、動きが安定しています。序盤はマナクリーチャーや《ドライアドの東屋》をサーチすることでマナ加速として、中盤以降は《クァーサルの群れ魔道士》《漁る軟泥》 《ガドック・ティーグ》《聖遺の騎士》などを状況に応じてサーチします。
《ガドック・ティーグ》は、ANTのコンボを妨害したりクリーチャーを並べるこのデッキにとって厄介な《終末》をシャットアウトします。単体除去は、《ルーンの母》や《森を護る者》といったクリーチャーが保護します。
『異界月』からの新カード、《異端聖戦士、サリア》はこのデッキでも採用されています。《リシャーダの港》を採用していないこのデッキではDeath and Taxesよりもマナの拘束力は薄れますが、マナクリーチャーを利用することで最速2ターン目に出せるのでテンポ面で非常に優秀です。ブロッカーを遅らせることで《聖遺の騎士》や《火と氷の剣》などを装備したクリーチャーの攻撃も、通しやすくしています。
■ 総括
SCG Classics SyracuseはClassicsの結果らしく、Grixis DelverやMiraclesなど、定番デッキに偏らずに、様々なデッキが上位で見られました。通常のオープンよりも強豪プレイヤーが集まるグランプリや、今週末に開催される【SCG Invitational New Jersey】の併催イベントであるSCG Classicsでは、また違った結果が見られるかもしれませn。
次回の連載では、SCG Classics New Jerseyの結果を中心にカバーしていく予定です。
以上USA Legacy Express vol.110でした。
それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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