みなさんこんにちは。
先週末は【グランプリ・京都2016】の併催イベントとしてENNDAL GAMES協賛 日本レガシー選手権2016 Summerが開催され、200人以上の参加者を出すなど大盛況だったようです。
今週末にはGPT千葉、来週の月曜日(祝日)には【第7期レガシー神挑戦者決定戦】と、レガシー的に充実していますが皆さんは参加されますか?
今回の連載では【SCG Classics Richmond】やENNDAL GAMES協賛 日本レガシー選手権2016 Summer、アメリカの各地で開催されたSCG Invitational予選大会(SCG IQ)の入賞デッキを見ていきたいと思います。
SCG Classics Richmond トップ8
~Dredgeが久々に栄冠~
2016年9月3-4日
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。 |
1位 Dredge
2位 Miracles
3位 Grixis Delver
4位 UR Delver
5位 Grixis Delver
6位 4C Delver
7位 Eldrazi
8位 Miracles
トップ8のデッキリストは【こちら】
前回の【SCG Classics New Jersey】と同様にJavis YuやJoe Lossettといったレガシーのトッププレイヤーが参戦しており、レベルの高い大会だったようです。
【SCG Classics New Jersey】と異なり8人中6人が青いデッキと、青の強いレガシーらしい結果となりました。そんな中、優勝を収めたのはDredgeで、最近では【SCG Classics New Jersey】でもManaless Dredgeが準優勝を果たすなど復権の兆しを見せています。
SCG Classics Richmond デッキ紹介
「Grixis Delver」
3 《Underground Sea》 2 《Tropical Island》 2 《Volcanic Island》 3 《溢れかえる岸辺》 3 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 4 《不毛の大地》 -土地 (19)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《秘密を掘り下げる者》 3 《瞬唱の魔道士》 2 《真の名の宿敵》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー (15)- |
4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 4 《思案》 3 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 3 《突然の衰微》 4 《意志の力》 -呪文 (26)- |
4 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 2 《思考囲い》 2 《苦い真理》 2 《真髄の針》 2 《梅澤の十手》 1 《四肢切断》 -サイドボード (15)- |
優勝こそDredgeに譲ったものの、今大会では青いデッキが多数勝ち残りました。そんな中でも特徴的なGrixis Delver。以前インタビューに協力してくれたBen Friedmanのリストのアップデート版のようです。普段はLandsを使っているJarvusですが、今大会ではBenがオープン本戦に参戦していたためデッキを借りての参加だったそうです。
☆注目ポイント
《瞬唱の魔道士》はDelver系では見かけないクリーチャーですが、このタイプのデッキにとっては貴重なアドバンテージ源、除去スペルの水増しとなり、《稲妻》を再利用することで相手のライフを攻めることも可能にします。《死儀礼のシャーマン》と合わせれば相手にとっては無視できない脅威となります。
除去耐性の高い《真の名の宿敵》は単体除去中心のレガシーでは対策されづらく、スイーパーを採用したMiraclesに対しても《終末》にさえ気を付ければ信頼できるクロックとして活躍します。
《呪文貫き》はメインで見かけることは少なくなりましたが、コンボに対する追加の妨害スペルとして、アグレッシブなこのデッキにとって貴重な効率的に使える妨害要素です。対象が限定的なためサイドアウト率が高く、特にクリーチャーが中心のデッキに対してはサイドアウトされます。
サイド後は《苦い真理》も投入され、ShardlessやMiraclesに対してもロングゲームにおいて互角以上に渡り会うことを可能にします。もちろん《瞬唱の魔道士》で使い回すことも可能です。
サイドにフル採用された《外科的摘出》は主にLands対策で、BenとJarvusの活動拠点であるアメリカ東海岸ではLandsが多いのが採用理由のようです。
ENNDAL GAMES協賛 日本レガシー選手権2016 Summer
~群雄割拠の上位。優勝はLands~
2016年9月11日
1位 Lands
2位 BW Pox
3位 Sneak and Show
4位 Death and Taxes
5位 Aluren
6位 Dredge
7位 Lands
8位 UR Delver
9位 Eldrazi
10位 Shardless Sultai
11位 Miracles
12位 Elves
13位 Infect
14位 Miracles
15位 12 Post
16位 Grixis
トップ16のデッキリストは【こちら】
グランプリ・京都2016と併催して開催されたENNDAL GAMES協賛 日本レガシー選手権2016 SummerはLands、Death and Taxes、Sneak and Show、Miracles、Delver、Eldraziなど、多数の異なるデッキが上位入賞を収めています。『コンスピラシー:王位争奪』の新カードも4位入賞のDeath and Taxesで早速使われています。
ENNDAL GAMES協賛 日本レガシー選手権2016 Summer デッキ紹介
「Death and Taxes」「Aluren」
『コンスピラシー:王位争奪』から《護衛募集員》と《聖域の僧院長》が加入し、更に強化されたDeath ana Taxes。『コンスピラシー:王位争奪』リリース後、初のレガシーでのビッグイベントで早速上位に入賞するという強さを見せました。【今大会のカバレージのデッキテク】にも挙げられています。
☆注目ポイント
《護衛募集員》は《セラの報復者》以外のこのデッキのクリーチャーをサーチしてくることができるので、各クリーチャーの水増しとなることから《コロンドールのマンガラ》や《ミラディンの十字軍》、《ファイレクシアの破棄者》といったクリーチャーの枚数調整がされています。
《聖域の僧院長》は前回の記事でもZachが評価したように、能力は強力なものの3マナと少し遅く、相手や状況によって強さが変動するためメインに1枚だけ採用されています。
《護衛募集員》が加わったことにより《封じ込める僧侶》や《エーテル宣誓会の法学者》をサーチできるようになったことの影響は大きく、コンボとの相性が向上しています。
よりフレキシブルになったDeath and Taxes。高額なデッキが多いレガシーデッキの中でも比較的リーズナブルなほうで、白単色とは思えないほど柔軟な対応ができるデッキなのでお勧めです。
デッキ名にもなっている《魔の魅惑》を使ったコンボデッキで、使い手は少ないものの固定ファンも存在し、去年開催された【グランプリ・シアトル2015】でも上位で見られたアーキタイプです。
☆注目ポイント
コンボというよりはShardless Sultaiに《魔の魅惑》のコンボを採用したミッドレンジで、アドバンテージを取りつつ隙あらばコンボを決めていくという戦略のようです。《集団的蛮行》はモダンでも使われ始めているスペルで、レガシーでも《死儀礼のシャーマン》や《若き紅蓮術士》といった小型クリーチャーを除去したり、カウンターなどのコンボを妨害するスペルを落としたりと活躍の場面が多いスペルです。
サイドに見られる《基本に帰れ》は恐らくLands対策だと思われます。このデッキも特殊地形を多数採用しているためにキャストするタイミングが少し難しそうに見えますが、《魔の魅惑》さえ置いてしまえばマナを気にせずにコンボを決めることができます。
『コンスピラシー:王位争奪』の新カードを使ったデッキ
アメリカ各地で毎週開催されているSCG IQで上位入賞を果たしたデッキから、『コンスピラシー:王位争奪』のカードを採用していたリストがいくつか見られました。
1 《森》 1 《沼》 3 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 1 《Bayou》 4 《霧深い雨林》 3 《汚染された三角州》 3 《新緑の地下墓地》 1 《忍び寄るタール坑》 3 《不毛の大地》 1 《ヴォルラスの要塞》 -土地 (22)- 4 《死儀礼のシャーマン》 2 《悪意の大梟》 2 《漁る軟泥》 4 《断片無き工作員》 2 《トレストの使者、レオヴォルド》 -クリーチャー (14)- |
4 《祖先の幻視》 4 《渦まく知識》 1 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 3 《トーラックへの賛歌》 1 《大渦の脈動》 1 《毒の濁流》 3 《意志の力》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (24)- |
3 《狼狽の嵐》 2 《思考囲い》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《魂の裏切りの夜》 1 《ハーキルの召還術》 1 《大渦の脈動》 1 《毒の濁流》 1 《虐殺》 1 《意志の力》 1 《大祖始の遺産》 -サイドボード (15)- |
Shardless Sultaiの新戦力候補とされていた《トレストの使者、レオヴォルド》が早速採用されています。サイドには《狼狽の嵐》《魂の裏切りの夜》《思考囲い》といったスペルが多数見られ、このデッキが苦手とするコンボデッキやInfectなどとのマッチアップに備えます。
☆注目ポイント
リストの特徴は、このタイプのデッキでは定番のクリーチャーとされていた《タルモゴイフ》が思い切ってカットされているところです。そのスペースに《漁る軟泥》と《トレストの使者、レオヴォルド》がそれぞれ2枚ずつ採用されています。結果としてクロックは落ちましたが、妨害要素が強化されています。
《トレストの使者、レオヴォルド》は除去耐性こそないものの、相手にとってはほぼマスト除去となり、対象になった際にカードを引けるのでアドバンテージが取れます。
《魂の裏切りの夜》はInfectに対する切り札的なカードで、小型クリーチャーを多数採用しているDeath and Taxesに対しても有効です。特に『コンスピラシー:王位争奪』から加入した新戦力によって強化されたDeath and Taxesは人気が出そうなので、対策は必須となりそうです。
2 《平地》 2 《島》 2 《沼》 3 《Scrubland》 3 《Tundra》 2 《Underground Sea》 3 《汚染された三角州》 3 《溢れかえる岸辺》 1 《カラカス》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地 (22)- 3 《悪意の大梟》 3 《石鍛冶の神秘家》 2 《瞬唱の魔道士》 3 《異端聖戦士、サリア》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー (12)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 2 《呪文貫き》 1 《対抗呪文》 1 《議会の採決》 2 《至高の評決》 4 《意志の力》 1 《梅澤の十手》 1 《光と影の剣》 1 《殴打頭蓋》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《幽霊暗殺者、ケイヤ》 1 《滞留者ヴェンセール》 -呪文 (26)- |
3 《神聖の力線》 2 《封じ込める僧侶》 2 《エイヴンの思考検閲者》 2 《解呪》 2 《安らかなる眠り》 2 《墓掘りの檻》 1 《金粉のドレイク》 1 《議会の採決》 -サイドボード (15)- |
《精神を刻む者、ジェイス》に《滞留者ヴェンセール》、そして『コンスピラシー:王位争奪』の新カード《幽霊暗殺者、ケイヤ》を含めた3種類のプレインズウォーカーを採用した、EsperカラーのStonebladeです。《至高の評決》がメインから採用されているなど、コントロール寄りの構成です。
☆注目ポイント
《幽霊暗殺者、ケイヤ》や《滞留者ヴェンセール》の能力により《悪意の大梟》を始めとしたEtB(戦場に出た際に誘発する能力)持ちクリーチャーを再利用してアドバンテージを得たり、《至高の評決》で巻き込まれるのを防ぎます。サイドの《金粉のドレイク》を使い回すという使い方も可能です。
《異端聖戦士、サリア》は特殊地形を多用しているShardlessやDelver系などをスローダウンさせるだけでなく、Sneak and Show対策にもなります。装備品をアタッチしたクリーチャーの攻撃も通しやすくなります。
メインではカウンター以外でのコンボ対策が薄めな分、サイドには《神聖の力線》《安らかなる眠り》《封じ込める僧侶》《墓掘りの檻》など妨害要素が豊富です。先ほどの《金粉のドレイク》はReanimateやShow and Tell系に対しても有効です。
■ 総括
予想通り『コンスピラシー:王位争奪』から加入した《護衛募集員》はDeath and Taxesに多大な影響を与えました。このクリーチャーの登場によって《帝国の徴募兵》のためにわざわざ赤を足すことも必要なくなり、単色の安定性を保ちつつより柔軟な対応ができるようになったのは大きな収穫です。
ENNDAL GAMES協賛 日本レガシー選手権2016 Summerの結果からも、様々なアーキタイプにチャンスのある環境のようです。第7期レガシー神挑戦者決定戦が楽しみですね。
以上、USA Legacy Express vol.112でした。
それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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