皆さんこんにちは。新セット『霊気紛争』がリリースされて1週間が経ちますが皆さんはどうお過ごしですか?
レガシーはマジックオンライン上(MO)でもプレイされており、《リシャーダの港》や《真の名の宿敵》など一部のカードを除いて全体的にリアルよりもカードが安価で、特にアメリカでは近年レガシーの大会の数が減少傾向にあるのでいつでもレガシーができるのは魅力的です。
『コンスピラシー:王位争奪』など一部のセットがMOでリリースされていなかったため、リアルと比べると若干メタが異なりましたが、『Treasure Chest』によりほとんどの主要なカードが使用可能になりました。
今回の連載ではMOで開催されたLegacy Challengeで上位入賞を収めたデッキを見ていきたいと思います。
Legacy Challenge トップ8
~MOでもDeath and Taxesが活躍~
1位 Death and Taxes
2位 Miracles
3位 Manaless Dredge
4位 BG Depths
5位 Grixis Delver
6位 Sultai Depths
7位 Sultai Control
8位 Reanimator
トップ8のデッキリストは【こちら】
【グランプリ・ルイビル2016】でも優勝を収めていたReid Dukeが使用していたSultai Controlや環境のトップメタのMiracles、Grixis Delver、Death and Taxesの他にもReanimatorやDredgeといった墓地を利用するコンボ、《暗黒の深部》のような土地コンボが勝ち残っていました。
【グランプリ・千葉2016】と【グランプリ・ルイビル2016】の2つのグランプリで結果を残していたSneak and Show対策に《真髄の針》が多くのデッキのサイドで見られるなど、各デッキが環境の変化に対応しています。
Legacy Challenge デッキ紹介
「BG Depths」「Sultai Depths」「Manaless Dredge」「Sultai Control」
1 《冠雪の森》 1 《冠雪の沼》 3 《Bayou》 4 《新緑の地下墓地》 1 《ボジューカの沼》 1 《セジーリのステップ》 4 《暗黒の深部》 4 《演劇の舞台》 1 《幽霊街》 3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地 (23)- 4 《吸血鬼の呪詛術士》 4 《Elvish Spirit Guide》 -クリーチャー (8)- |
4 《輪作》 4 《強迫》 4 《思考囲い》 4 《森の占術》 3 《この世界にあらず》 4 《水蓮の花びら》 3 《探検の地図》 3 《真髄の針》 -呪文 (29)- |
4 《外科的摘出》 4 《突然の衰微》 3 《森の知恵》 2 《情け知らずのガラク》 1 《カラカス》 1 《真髄の針》 -サイドボード (15)- |
昨年開催された北米の【Eternal Weekend 2016】を制した《暗黒の深部》と《吸血鬼の呪詛術士》、《演劇の舞台》とのコンボによって20/20トークンを生み出し一気に勝ちを狙う"Turbo Depths"とも呼ばれているデッキです。
MOでの成績も著しくコンボスピードもありパーツをサーチする手段も豊富なので妨害に強いのが特徴です。
☆注目ポイント
《森の占術》はレガシーではあまり見かけないカードですが、このデッキではコンボパーツを揃えるのに貢献する優秀なサーチスペルで、ややスピードは落ちますが《探検の地図》も同様の効果があります。サーチスペルの中でも特に《輪作》はインスタントスピードで《マリット・レイジ》を生み出すことが可能にするので相手も迂闊にタップアウトができません。
マナ加速の《Elvish Spirit Guide》と《水蓮の花びら》により他のコンボデッキのスピードにも対抗することが可能で、サーチスペルに必要な緑マナも確保します。
コンボの妨害手段の《カラカス》 や《不毛の大地》対策に《真髄の針》がメインから採用されており、これら以外にも《師範の占い独楽》や《騙し討ち》などを止めることができるので意外と腐り難いカードです。
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》は《暗黒の深部》からもマナを捻出することを可能にし《吸血鬼の呪詛術士》も展開しやすくなり、2ターン目から《マリット・レイジ》を展開することを可能にします。
《この世界にあらず》は《マリット・レイジ》をマナを支払わずに除去や妨害から守るができる、このデッキにとって最高の保護スペルです。サイドはフレキシブルな除去スペルの《突然の衰微》の他にも《外科的摘出》、コンボが対策された際の追加の勝ち手段である《情け知らずのガラク》やカードアドバンテージを提供する《森の知恵》など他のコンボやMiraclesを意識した構成です。
2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 1 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 2 《霧深い雨林》 3 《宝石鉱山》 1 《ボジューカの沼》 1 《セジーリのステップ》 4 《暗黒の深部》 4 《演劇の舞台》 1 《不毛の大地》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地 (28)- 4 《吸血鬼の呪詛術士》 -クリーチャー (4)- |
4 《渦まく知識》 4 《輪作》 4 《思考囲い》 2 《強迫》 2 《コジレックの審問》 1 《突然の衰微》 3 《森の占術》 4 《モックス・ダイアモンド》 2 《探検の地図》 2 《真髄の針》 -呪文 (28)- |
4 《外科的摘出》 3 《狼狽の嵐》 2 《クローサの掌握》 2 《真髄の針》 1 《カラカス》 1 《幽霊街》 1 《もみ消し》 1 《突然の衰微》 -サイドボード (15)- |
Negator77のリストはSultaiカラーのDepthsで、青を足したことで環境最高のドロースペルの《渦まく知識》とカウンターの《狼狽の嵐》にアクセスが可能になりました。
マナ加速に《モックス・ダイアモンド》を採用することによって安定して色マナが調達可能となっています。
☆注目ポイント
《渦まく知識》のスペース確保のためにサーチスペルの枚数が減らされています。緑黒の2色のバージョンと比べ、爆発力よりも安定性を重視しています。《探検の地図》や《輪作》といったサーチカードはシャッフル手段にもなり、《渦まく知識》と組み合わせることでより多くのカードを見ることが可能となります。
保護スペルの《この世界にあらず》は不採用ですが、サイドの《狼狽の嵐》や《もみ消し》がその役割を果たします。《狼狽の嵐》は《マリット・レイジ》を守るだけでなく他のコンボデッキを妨害する手段となり、《もみ消し》も《不毛の大地》や《カラカス》などを対策しつつコンボデッキ対策にもなり、受けの広さが優先されています。
-土地 (0)- 3 《欄干のスパイ》 3 《別館の大長》 1 《憎悪縛りの剥ぎ取り》 4 《ゴルガリの墓トロール》 4 《ゴルガリの凶漢》 4 《イチョリッド》 4 《ナルコメーバ》 4 《冥界の影》 4 《変幻影魔》 4 《秘蔵の縫合体》 1 《よろめく殻》 4 《臭い草のインプ》 4 《通りの悪霊》 -クリーチャー (44)- |
4 《陰謀団式療法》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《戦慄の復活》 4 《黄泉からの橋》 -呪文 (16)- |
4 《意志の力》 3 《不快な群れ》 2 《渦巻き乗り》 2 《フェアリーの忌み者》 2 《撹乱する群れ》 1 《灰燼の乗り手》 1 《大祖始》 -サイドボード (15)- |
土地やマナの出るカードが一切採用されていないManaless Dredgeと呼ばれているデッキで、「発掘」カードを墓地に落とすために後手を選択し、クリンナップステップにカードを捨てます。《欄干のスパイ》により《ライオンの瞳のダイアモンド》型よりも爆発力がありますが、マナを出す手段がないので相手の墓地対策に対抗する手段が限られています。
現在のメタでは《虚空の力線》のような墓地対策を採用したデッキが少なく墓地対策カードは《外科的摘出》がサイドに数枚とSultai系の《死儀礼のシャーマン》と全体的に薄く、DredgeやReanimatorといったデッキにとって勝ちやすいメタで【グランプリ・ルイビル2016】でもBR Reanimatorが準優勝、今大会でもDredgeとReanimatorが勝ち残っています。
☆注目ポイント
モダンのDredgeを大幅に強化し猛威を振るった《秘蔵の縫合体》はレガシーのDredgeでも通用する逸材です。デッキ内の青いカードのカウントが増え、相手の墓地対策に対抗する手段になる《意志の力》もサイドに採用されています。
《撹乱する群れ》は《意志の力》ほど対象の自由は利きませんが、噛み合えば《外科的摘出》や《安らかなる眠り》をカウンターすることも可能です。
BR Reanimatorと同様、《別館の大長》が最序盤の妨害手段とリアニメイト先を兼ねています。
1 《Bayou》 1 《森》 1 《島》 3 《Underground Sea》 2 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 2 《新緑の地下墓地》 3 《不毛の大地》 -土地 (21)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《貴族の教主》 1 《タルモゴイフ》 4 《真の名の宿敵》 2 《トレストの使者、レオヴォルド》 -クリーチャー (15)- |
4 《渦まく知識》 2 《思案》 1 《緑の太陽の頂点》 1 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 3 《目くらまし》 4 《意志の力》 1 《残忍な切断》 1 《森の知恵》 1 《梅澤の十手》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (24)- |
2 《狼狽の嵐》 2 《思考囲い》 2 《精神壊しの罠》 2 《水没》 2 《夜の戦慄》 2 《真髄の針》 1 《外科的摘出》 1 《苦い真理》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード (15)- |
Reid Dukeが【グランプリ・ルイビル2016】で使用して優勝を飾ったことで記憶に新しいSultai Control。《トレストの使者、レオヴォルド》をフィーチャーしたデッキで、Bant Deathbladeから《石鍛冶の神秘家》パッケージを含める白を切り、Sultaiカラーにまとめた構成になっています。
《真の名の宿敵》がそれ単体でも十分に強いことは4C Delverでも証明済みで、クリーチャーデッキに対しては《真の名の宿敵》+《梅澤の十手》が無双するので《梅澤の十手》はメイン、サイドに1枚ずつ採られています。
☆注目ポイント
《死儀礼のシャーマン》と 《貴族の教主》といったマナ加速は《不毛の大地》やソフトカウンターの《目くらまし》や《呪文貫き》が飛び交うレガシーで3マナ、4マナのスペルが主力のこのデッキでは重要です。【グランプリ・ルイビル2016】からそこまで時間が経っていないため基本的な構成に変化はありませんが、《緑の太陽の頂点》が1枚採用されています。
《緑の太陽の頂点》は《真の名の宿敵》を除いたこのデッキのクリーチャーを状況に応じてサーチしてくることが可能で、マナクリーチャーをサーチすることでマナ加速としても使用することもできます。
《相殺》にも強く、シャッフル手段も兼ねるなどフレキシブルさが強みです。複数枚引いてもあまり嬉しいカードではなく、MaverickやNic-Fitのように多数の緑のクリーチャーによるツールボックス要素のあるデッキでもないので1枚のみの採用となります。
今後変更が加えられるとしたら『霊気紛争』の新カードである《致命的な一押し》が採用されそうです。Sultaiカラー念願の1マナの除去で、環境に存在する多くのクリーチャーを除去することが可能です。多くの場合《見栄え損ない》よりも優秀で、このデッキの追加の除去として活躍が期待できます。
総括
MOのLegacy Challengeの結果からも環境最高のデッキとされているMiraclesにとって対処が難しい《護衛募集員》や《終末》など主要なスペルを封じてくる《聖域の僧院長》を採用したDeath and Taxesや《トレストの使者、レオヴォルド》、《突然の衰微》や《真の名の宿敵》といったカードにアクセスできるSultai系が台頭してきた現在では以前よりも勝つことは難しくなっていることが分かります。『コンスピラシー:王位争奪』が環境に大きな影響を与えていることが再確認できます。
DredgeやReanimatorといった墓地を使ったコンボデッキも増加傾向にあるので《安らかなる眠り》や《虚空の力線》といった本格的な墓地対策が必要になってくるかもしれません。
以上、USA Legacy Express vol.121でした。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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