皆さんこんにちは。
グランプリ・ラスベガス2017レガシーは参加者2,656名と大盛況でしたが、皆さん楽しめたでしょうか?
エンターテイメントの都であるラスベガスで開催されたイベントということで、三つの異なるグランプリを4日間かけて開催するという“お祭り”にふさわしく、会場はいつものグランプリ以上に賑わっていました。
さて、今回の連載では新環境になって初の大規模なイベントであるグランプリ・ラスベガス2017の入賞デッキを見ていきたいと思います。
グランプリ・ラスベガス2017
Death and TaxesがDelverの海を渡り切る
2017年6月16日
- 1位 Death and Taxes
- 2位 UR Delver
- 3位 Grixis Delver
- 4位 Lands
- 5位 Temur Delver
- 6位 Grixis Delver
- 7位 4C Delver
- 8位 Sneak Show
Andrew Calderon
トップ8のデッキリストはこちら
《師範の占い独楽》禁止後初の大規模なレガシーのイベントを制したのはDeath and Taxesでした。上位にはDelver系が多く、「Grixis、4C、Temur、UR」と多くのバリエーションが見られます。
Delver系が多かったこともありコンボはSneak and Showが勝ち残っている以外では少数です。Delver系を始めとした青いフェアデッキに対して無類の強さを見せるLandsも勝ち残っています。
GP Las Vegas2017デッキ紹介
「Death and Taxes」「Grixis Delver」「Temur Delver」「UR Delver」「Lands」「4C Deathblade」
Death and Taxes
8 《平地》 2 《魂の洞窟》 1 《地平線の梢》 3 《カラカス》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地 (22)- 4 《ルーンの母》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《セラの報復者》 3 《ファイレクシアの破棄者》 1 《迷宮の霊魂》 4 《ちらつき鬼火》 2 《ミラディンの十字軍》 2 《護衛募集員》 1 《聖域の僧院長》 -クリーチャー (27)- |
4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文 (11)- |
3 《安らかなる眠り》 2 《外科的摘出》 2 《議会の採決》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《封じ込める僧侶》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《聖域の僧院長》 1 《流刑への道》 1 《真髄の針》 1 《光と影の剣》 -サイドボード (15)- |
レガシーではお馴染み、白単色のアグロコントロールデッキ、Death and Taxes。《スレイベンの守護者、サリア》を始めとするヘイトベアーや《リシャーダの港》や《不毛の大地》で相手のマナを縛ることで行動を制限しつつ、クロックをかけていきます。
《霊気の薬瓶》によってカウンターされることなくインスタントスピードで展開することができるので、Delver系など青いデッキに強く、今大会優勝を果たしたAndrew Calderonは、決勝ラウンドでDelver系に3戦連続で当たり、勝利しています。
《石鍛冶の神秘家》パッケージと《護衛募集員》によるカードアドバンテージとサーチ能力によりロングゲームにも強く、各種ヘイトベアーによる妨害要素も含めて“白単色コントロール”と形容される理由となっています。
☆注目ポイント
メインはオーソドックスなリストですが、多くのリストが土地を23枚採用しているところをAndrew Calderonは22枚に切り詰めています。《霊気の薬瓶》によるサポートがあるとはいえ、《石鍛冶の神秘家》の起動や装備品、《リシャーダの港》や《不毛の大地》、サイド後など、土地やマナを必要とするシチュエーションが多いこのデッキで土地を減らすのは不安が残るので、個人的には土地23枚がおすすめです。
Miraclesの弱体化によりスイーパーが少なくなり、単体除去が中心となった現環境では《ルーンの母》の地位も向上します。《ルーンの母》、《スレイベンの守護者、サリア》と続ける動きは多くのデッキにとって脅威となります。
《迷宮の霊魂》は《渦まく知識》や《グリセルブランド》などのカードドローを妨害する能力を持ち、パワー3はコンボ相手のクロックとしても優秀です。《霊気の薬瓶》を利用することで相手のドロースペルにレスポンスして展開でき、アドバンテージを取ることも可能です。
サイドの《光と影の剣》は装備したクリーチャーにプロテクション白と黒を与えるので、環境の代表的な除去の《致命的な一押し》と《剣を鍬に》の両方に耐性が付くのが強みです。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は前環境で対Miracles用の切り札でしたが、新型のMiraclesや復権してきたStoneblade、多色コントロールとのマッチアップに強いこともあり、現在も引き続き採用されています。
Grixis Delver
3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地 (18)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《若き紅蓮術士》 2 《真の名の宿敵》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー (14)- |
4 《渦まく知識》 4 《目くらまし》 4 《稲妻》 4 《思案》 3 《ギタクシア派の調査》 3 《もみ消し》 1 《呪文貫き》 1 《二股の稲妻》 4 《意志の力》 -呪文 (28)- |
2 《紅蓮破》 2 《外科的摘出》 2 《陰謀団式療法》 2 《悪魔の布告》 1 《狼狽の嵐》 1 《二股の稲妻》 1 《古えの遺恨》 1 《硫黄の渦》 1 《感電》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 -サイドボード (15)- |
新環境のトップメタとして安定した成績を残し続けているDelver系の中でも特に人気があるGrixis Delver。
軽いクロックに妨害要素が豊富なためコンボに強く、今大会を制したDeath and Taxesは《霊気の薬瓶》から土地破壊、《スレイベンの守護者、サリア》と展開されると厳しく、苦手なマッチアップとなります。
今大会でトップ4入賞という好成績を残したChris IaaliのリストはMOのリーグでコンスタントに5-0しているLewisCBRのリストを参考にしておりメインの《もみ消し》が特徴です。
☆注目ポイント
《もみ消し》は主に相手のフェッチランドの起動を妨害するのに使われますが、プレインズウォーカーの能力、ETB能力、「奇跡」など受けが広く、相手の《不毛の大地》をカウンターして土地を守ることも可能で、特にミラーマッチにおいて重要となります。
コンボに対してもストームトリガーをカウンターしたり、《グリセルブランド》の起動をカウンターしたり、《孔蹄のビヒモス》のETB能力をカウンターしたりと活躍します。ANTに対してはストームを打ち消す《もみ消し》が追加のカウンターとして働き、コンボ発動前にハンデスで落とすことを要求します。
プロアクティブなスペルである《陰謀団式療法》がサイドに落とされ、リアクションスペルである《もみ消し》が採られている関係で《若き紅蓮術士》が2枚に抑えられています。
フェアデッキを意識していたのか、多くのリストでは1枚採用の《真の名の宿敵》がメインから2枚採用されています。コンボ相手には少し遅いカードですが、スイーパーの数が減少傾向にある現環境では信頼性の高いクロックで、今回のリストには不採用ですがサイドに《梅澤の十手》を入れておけばクリーチャーデッキとの対戦を有利に進めることができます。
Grixis Delverは《真の名の宿敵》に対するアンサーに乏しいため、サイドには《悪魔の布告》が採用されています。Sneak and ShowやReanimatorとのマッチアップでもファッティを除去するのに役立ちます。
Death and TaxesやElvesなど小型クリーチャーを展開するデッキを意識していたのか《四肢切断》ではなく《二股の稲妻》がメインから採用されており、カードアドバンテージを得る貴重なカードということで、サイドにも1枚追加で採用されています。
Temur Delver
3 《Tropical Island》 3 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《沸騰する小湖》 1 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地 (18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 2 《タルモゴイフ》 2 《真の名の宿敵》 -クリーチャー (12)- |
4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 4 《思案》 4 《もみ消し》 3 《呪文貫き》 1 《二股の稲妻》 4 《目くらまし》 2 《四肢切断》 4 《意志の力》 -呪文 (30)- |
2 《狼狽の嵐》 2 《紅蓮破》 2 《外科的摘出》 2 《古えの遺恨》 2 《乱暴+転落》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《侵襲手術》 1 《硫黄の渦》 1 《真髄の針》 -サイドボード (15)- |
Delver系の中でも古くから存在するCanadian Thresholdから発生したため”カナスレ”と呼ばれることもありますが、スレッショルドクリーチャーはわずか《敏捷なマングース》のみであるTemur Delverです。
再び単体除去が中心となった現環境では除去耐性のある《敏捷なマングース》は脅威となり、人気のGrixis Delverも《致命的な一押し》を採用しているリストは少ないのでタフネス6にまで育った《タルモゴイフ》は対処されづらい脅威となります。
☆注目ポイント
今も昔も大きな違いが見られないTemur Delverですが、Patrick Tierneyのリストは《タルモゴイフ》が2枚に減量され、その枠に《真の名の宿敵》が2枚採られています。
《致命的な一押し》や《突然の衰微》《剣を鍬に》などの単体除去が中心の現環境では、除去耐性のない《タルモゴイフ》よりも《真の名の宿敵》の方がクロックとして信頼性が高くなります。
Grixis Delverの《グルマグのアンコウ》のような高タフネスクリーチャーに対するアンサーとなる《四肢切断》が2枚と、Death and Taxesなどが繰り出す小型のクリーチャーを1体以上除去することができる《二股の稲妻》も採用されており、除去が多めでフェアデッキを意識していることが分かります。
《硫黄の渦》は復権してきたStonebladeや新型のMiracles、《グリセルブランド》のLifelinkも阻止できるのでSneak and Showにも有効なカードで、新環境でもこのタイプのデッキの定番のサイドボードカードとして活躍しそうです。
《渋面の溶岩使い》はスレッショルドとの相性が悪いことこそ気になりますが、Death and Taxesのクリーチャーや《死儀礼のシャーマン》などの小型クリーチャーを除去し、再利用も可能で、このデッキにとって数少ないアドバンテージ源となり得るカードです。
UR Delver
2 《島》 2 《山》 3 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 -土地 (16)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《僧院の速槍》 3 《嵐追いの魔道士》 2 《騒乱の歓楽者》 -クリーチャー (13)- |
4 《渦まく知識》 2 《稲妻の連鎖》 4 《目くらまし》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《稲妻》 4 《思案》 1 《轟く怒り》 1 《蒸気の絡みつき》 4 《意志の力》 2 《発展の代価》 1 《火炎破》 -呪文 (31)- |
2 《紅蓮破》 2 《外科的摘出》 2 《極上の炎技》 2 《硫黄の渦》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《呪文貫き》 1 《発展の代価》 1 《粉々》 1 《水没》 1 《血染めの月》 -サイドボード (15)- |
Delver系の中でも最もアグレッシブな型であるUR Delver。
《発展の代価》や《稲妻の連鎖》が採用されたバーン寄りのデッキで、クリーチャーも《僧院の速槍》 や《嵐追いの魔道士》といった攻撃的なクリーチャーが中心です。
Delver系の中では妨害要素が少ないのでコンボには弱くなりますが、遅めのコンボにはスピードで押し切ることも可能で、フェアデッキの多くは特殊地形を多用する傾向にあるので《発展の代価》が刺さり、《血染めの月》のようなカードを無理なく採用できるのも2色の強みです。
☆注目ポイント
《僧院の速槍》 や《嵐追いの魔道士》といった果敢クリーチャーは軽いスペルを多用するUR Delverと相性が良く、相手の除去をカウンターしつつ強化する動きは強力で、特に飛行を持つ《嵐追いの魔道士》は《真の名の宿敵》を無視することが可能です。
青いカードなのでアンフェアなコンボデッキに対しても《意志の力》のコストになります。2マナなので《虚空の杯》がX=1で着地してしまった後でも展開することができるのも強みです。
《騒乱の歓楽者》は《宝船の巡航》に代わる息切れ防止になるドロースペルのように使えますが、コンボデッキなど速いデッキに対しては墓地をインスタントとソーサリーで肥やす必要があるので少し遅めのクリーチャーです。《稲妻》《突然の衰微》 《致命的な一押し》で処理されないことが強みです。バーンスペルが多いこのデッキでは手札を減らすのが容易なので手札を捨てるというデメリットもそれほど気になりません。
《轟く怒り》 は素で撃つにはコストが掛かり過ぎますが、「奇跡」でキャストした場合は1マナ5点という破格のコストで、1枚挿しなので初手に来てしまっても《渦まく知識》 でライブラリーに戻すことが可能です。青赤で《グルマグのアンコウ》のような高タフネスのクリーチャーを処理できることは、非常に重要です。
《師範の占い独楽》が禁止になった現在でもMiraclesは形を変えつつ生き残っているので、《極上の炎技》と《硫黄の渦》が前環境に引き続いて採用されています。
Lands
1 《古えの墳墓》 1 《蛮族のリング》 4 《暗黒の深部》 1 《森》 4 《幽霊街》 1 《Glacial Chasm》 3 《燃え柳の木立ち》 1 《地平線の梢》 1 《カラカス》 3 《イス卿の迷路》 1 《霧深い雨林》 1 《隠れた茂み》 2 《Taiga》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 4 《演劇の舞台》 1 《平穏な茂み》 4 《不毛の大地》 1 《吹きさらしの荒野》 1 《樹木茂る山麓》 -土地 (36)- -クリーチャー (0)- |
4 《輪作》 4 《壌土からの生命》 4 《ギャンブル》 4 《踏査》 2 《罰する火》 1 《マナ結合》 1 《溶鉄の渦》 4 《モックス・ダイアモンド》 -呪文 (24)- |
4 《抵抗の宝球》 3 《クローサの掌握》 2 《不屈の追跡者》 2 《Drop of Honey》 1 《ボジューカの沼》 1 《真髄の針》 1 《アメジストのとげ》 1 《三なる宝球》 -サイドボード (15)- |
Delver系が上位に多いメタはLandsにとっては非常に有利ですが、今大会優勝を果たしたDeath and Taxesに対しては《剣を鍬に》《カラカス》 《ちらつき鬼火》など《マリット・レイジ》を除去する手段が多く、サイド後も《真髄の針》や《安らかなる眠り》が入るので難易度の高いマッチアップとなります。
このデッキでは実質《Demonic Tutor》である《ギャンブル》や、インスタントスピードで1マナの《修繕》として機能する《輪作》というチュータースペルの恩恵で、青いドロースペルを採用していないデッキでありながら動きが安定しています。
コンボとの相性は相変わらず絶望的ですが、各種チュータースペルを活用して《暗黒の深部》+《演劇の舞台》のコンボを最速で狙えば、速度で競うことも可能です。
☆注目ポイント
メインから採用されている《古えの墳墓》 は、サイド後のコンボに対して1ターン目に《抵抗の宝球》や《アメジストのとげ》といった置物をキャストしやすくなります。
『アモンケット』から加入した2色サイクリングランドの《隠れた茂み》が2枚目の《平穏な茂み》の枠に採られています。色マナが必要な場合にフェッチランドでサーチできることも地味に嬉しいポイントです。
最近のLandsのリストのメインでよく見られるようになった《蛮族のリング》はカウンターされないダメージ減として《暗黒の深部》+《演劇の舞台》のコンボが対策された際の勝ち手段として重宝します。
今大会優勝を果たしたDeath and Taxesとのマッチアップでは、《ルーンの母》が守る《聖域の僧院長》によって《壌土からの生命》と《罰する火》の両方がシャットアウトされてしまうため、無色のダメージ減である《蛮族のリング》は重要なカードとなります。
サイドボードには見慣れないカードが採用されています。《Drop of Honey》は《斑岩の節》のモデルとなった『アラビアンナイト』のカードで、Delver系やDeath and Taxesに対して効率的な除去として機能し、このデッキにとって処理することが困難な《真の名の宿敵》にも効果があります。
4C Deathblade
3 《Tropical Island》 2 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 1 《霧深い雨林》 3 《不毛の大地》 -土地 (20)- 4 《真の名の宿敵》 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《貴族の教主》 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《トレストの使者、レオヴォルド》 -クリーチャー (18)- |
4 《渦まく知識》 3 《剣を鍬に》 1 《思考囲い》 4 《目くらまし》 3 《突然の衰微》 4 《意志の力》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文 (22)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《翻弄する魔道士》 2 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 2 《盲信的迫害》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《思考囲い》 1 《真髄の針》 -サイドボード (15)- |
最後にご紹介するデッキは、筆者の好きなデッキの一つであるDeathbladeです。
惜しくもタイブレーカーに敗れトップ8入賞は果たせなかったものの、13-2という好成績を残していたリストです。
効率的でカードパワーも高く、アドバンテージも取れるという強いカードの代表的な《石鍛冶の神秘家》を軸にしたグッドスタッフデッキで、Delver系に代表されるフェアデッキに強く、多色で特殊地形に頼ったデッキなので《発展の代価》や《血染めの月》、マッチアップではLandsを特に苦手とします。
☆注目ポイント
《死儀礼のシャーマン》 と《貴族の教主》の2種類のマナクリーチャーを活用することで《トレストの使者、レオヴォルド》や《真の名の宿敵》といった脅威を他のデッキよりも早く展開していくことが可能です。相手の《不毛の大地》にも耐性ができ、こちらは《不毛の大地》や《目くらまし》が使いやすくなりテンポ面で優れます。
《トレストの使者、レオヴォルド》はドロースペルをシャットアウトし、こちらのパーマネントを対象に取られるたびにドローが可能です。相手にとってはマスト除去であり、このデッキのカードアドバンテージ源として活躍します。
《真の名の宿敵》はこのデッキでは装備品によって強化され、除去耐性も高く、《終末》のようなスイーパーを使うデッキが減少した現環境では最高のクリーチャーの1体で、メイン4枚採用も納得です。
4色であること活かして《剣を鍬に》と《突然の衰微》、サイドにはDeath and Taxesのように小型クリーチャーを多用するデッキに効果がある《盲信的迫害》といった各色を代表する優秀な除去にアクセス可能で、大抵の脅威に対して対処可能です。
サイドには、Dredge、Reanimatorといった墓地コンボやElvesなどのクリーチャーをサーチするデッキ用に《封じ込める僧侶》、ストーム系対策の 《エーテル宣誓会の法学者》、そのほかのコンボ用の《翻弄する魔道士》とヘイトベアーが多めに採られています。
総括
新環境を迎えたアメリカのレガシー環境はDelver系が多数を占め、そのDelver系に強いDeath and TaxesやLandsといったデッキも結果を残しています。
前環境の王者であったMiraclesも《師範の占い独楽》が禁止となった現在でも、奇跡を誘発させる手助けとなる《先触れ》のようなドロースペルを多めに採用し、形を変えて存続しています。今大会でもタイブレーカーに敗れプレイオフ進出は逃したものの、12位という好成績を残しています。
グランプリ・ラスベガス2017でいくつか新しいテクニックも披露され、レガシーは面白い時期を迎えていますので、色々と試してみては如何でしょうか。
以上USA Legacy Express vol.129でした。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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