皆さんこんにちは。
歴代の人気カードが再録される『アイコニックマスターズ』が11月にリリースされることに決まりました。《狼狽の嵐》など高額レアも再録予定なので、デッキのパーツを揃えやすくなりそうです。
さて、今回の連載ではMOで毎週末に開催されるLegacy Challengeの入賞デッキを見ていきたいと思います。
9/3 Legacy Challenge
Eldraziが4C LeovoldとGrixis Delverの海を渡り切る
2017年09月03日
- 1位 Eldrazi
- 2位 Grixis Delver
- 3位 4C Leovold
- 4位 Grixis Delver
- 5位 4C Leovold
- 6位 4C Leovold
- 7位 Lands
- 8位 Esper Delver
トップ8のデッキリストはこちら
4C Leovoldが多数を占めるMOのレガシーですが今大会の優勝デッキはEldraziでした。
《師範の占い独楽》禁止後はあまり見られなかったEldraziでしたが、4CもGrixis Delverも1マナのキャントリップを多用するデッキなので《虚空の杯》X=1が刺さります。
9/3 Legacy Challenge デッキ紹介
「Eldrazi」「Grixis Delver」
Eldrazi
4 《古えの墳墓》 4 《魂の洞窟》 4 《裏切り者の都》 4 《エルドラージの寺院》 3 《ウギンの目》 3 《不毛の大地》 2 《ミシュラの工廠》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地 (25)- 4 《果てしなきもの》 4 《エルドラージのミミック》 4 《作り変えるもの》 4 《猿人の指導霊》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 2 《終末を招くもの》 -クリーチャー (26)- |
2 《四肢切断》 4 《虚空の杯》 2 《梅澤の十手》 1 《アメジストのとげ》 -呪文 (9)- |
4 《虚空の力線》 3 《カラカス》 3 《漸増爆弾》 3 《アメジストのとげ》 2 《全ては塵》 -サイドボード (15)- |
久々に上位に勝ち上がったEldrazi。4CやDelverなど、《渦まく知識》や《思案》を使ったデッキが多くを占める環境なので、1ターン目の《虚空の杯》X=1を通すことができればそれだけでもゲームを有利に進められます。
☆注目ポイント
《終末》を使うMiraclesの減少に伴い《歪める嘆き》が抜け、クリーチャーデッキが増えたことにより《四肢切断》と《梅澤の十手》がメインから採用されています。《四肢切断》はGrixis Delverや4Cの《グルマグのアンコウ》も処理できる優秀な除去です。
《現実を砕くもの》は《稲妻》や《致命的な一押し》など、4CやGrixis Delverの除去に耐性があることもあり、有利なポジションにあります。サイドの《カラカス》はこのデッキが苦手とするマッチアップの一つであるLandsのマリット・レイジ対策になりSneak and Showとのマッチアップでも役に立ちます。
《漸増爆弾》は地上を固める《若き紅蓮術士》のエレメンタルトークンや、《真の名の宿敵》対策になり、攻撃が通りやすくなります。
Grixis Delver
3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地 (18)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《秘密を掘り下げる者》 3 《若き紅蓮術士》 2 《真の名の宿敵》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー (15)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《稲妻》 2 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 1 《二股の稲妻》 4 《意志の力》 -呪文 (27)- |
2 《古えの遺恨》 2 《陰謀団式療法》 2 《紅蓮破》 2 《外科的摘出》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《イゼットの静電術師》 1 《悪魔の布告》 1 《発展の代価》 1 《四肢切断》 1 《真髄の針》 1 《冬の宝珠》 -サイドボード (15)- |
アメリカのレガシーエキスパートのGRISELPUFFもGrixis DelverでLegacy Challengeに参戦し、決勝まで勝ち残っていました。
通常 Grixis Delverのリストには《もみ消し》か《陰謀団式療法》がメインに採用されていますが、Bobのリストにはそのどちらもメインには不採用で、《呪文貫き》やクリーチャーが多めに採られているのが特徴です。
Grixis DelverはDelver系の中ではロングゲームに強い方に入りますが、《悪意の大梟》や《瞬唱の魔道士》といったアドバンテージ獲得手段が豊富な4C Leovoldには分が悪くなります。その分4Cは重めの構成になっておりマナが必要なので、対策カードとしてサイドに《冬の宝珠》が採用されています。
MiraclesやLandsにも効くのでお勧めのカードです。☆注目ポイント
《もみ消し》は相手のフェッチランドの起動を妨害することでマナを縛り、クロックをカウンターでバックアップしていくというテンポアドバンテージを取る戦略を支えるカードですが、受動的なスペルなので《若き紅蓮術士》とのシナジーは期待できません。《陰謀団式療法》は《若き紅蓮術士》とのシナジーが強力で、ともにGrixis Delverのゲームプランにフィットしたカードですが、メインでは不採用で妨害枠には《呪文貫き》が採られています。コンボの主要なスペルやプレインズウォーカーなどをしっかり対策していきます。
《若き紅蓮術士》はフェアデッキに強く、特に《師範の占い独楽》が禁止になり《終末》を使ったMiraclesが減少したのも追い風です。このクリーチャーと相性の良い《ギタクシア派の調査》もしっかり4枚採用されています。
《冬の宝珠》はMiracles、4C Leovoldといったコントロールデッキや、このデッキが苦手とするLandsの土地を縛ることで動きを制限させます。Grixis Delver側は《死儀礼のシャーマン》のおかげでマナもあまり使わないので被害は小さくなります。
《発展の代価》は4C LeovoldやLands、Eldraziのように特殊地形に頼ったデッキに刺さるスペルで、特にEldraziやLandsに対しては致命的なダメージを与えることができます。
《イゼットの静電術師》はElvesやDeath and Taxesといったタフネス1のクリーチャーを並べるデッキに有効なクリーチャーで、瞬速と速攻で奇襲しやすく《死儀礼のシャーマン》によるマナ加速で2ターン目から展開することもできます。ミラーマッチでも相手の《若き紅蓮術士》対策に、ANTに対してもゴブリンの大軍を処理したりと多くのマッチアップで使えます。
9/10 Legacy Challenge
懐かしいタイプのデッキが入賞
2017年09月10日
- 1位 Grixis Delver
- 2位 Death and Taxes
- 3位 Landstill
- 4位 4C Leovold
- 5位 ANT
- 6位 Lands
- 7位 ANT
- 8位 Death and Taxes
トップ8のデッキリストはこちら
優勝こそGrixis Delverに譲ったもののANT、Death and Taxes、Lands、そしてJeskai Controlと多数の異なるデッキが結果を残しています。
特にJeskai Controlは懐かしい形のLand Stillで、《師範の占い独楽》禁止後の環境ではMiracles以外のコントロールデッキも上位で度々見られるようになりました。
9/10 Legacy Challenge デッキ紹介
「Landstill」
Landstill
2 《平地》 2 《島》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《乾燥台地》 2 《霧深い雨林》 4 《ミシュラの工廠》 1 《カラカス》 -土地 (22)- 3 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー (3)- |
4 《剣を鍬に》 4 《渦まく知識》 3 《思案》 2 《呪文貫き》 2 《呪文嵌め》 2 《対抗呪文》 1 《悟りの教示者》 1 《議会の採決》 1 《正義の命令》 2 《至高の評決》 4 《意志の力》 4 《行き詰まり》 1 《謙虚》 2 《仕組まれた爆薬》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (35)- |
3 《神聖の力線》 2 《封じ込める僧侶》 2 《狼狽の嵐》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《外科的摘出》 1 《コジレックの帰還》 1 《安らかなる眠り》 1 《血染めの月》 1 《真髄の針》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード (15)- |
《正義の命令》を勝ち手段とした懐かしいスタイルのLand Still。
現環境のコントロールは4C LeovoldやPortent Miraclesが挙げられますが、このデッキはドローエンジンに《行き詰まり》を採用したコントロールで、ミシュラランドや《正義の命令》といった《行き詰まり》を誘発させない勝ち手段を採用しています。
《悟りの教示者》によって《謙虚》や《血染めの月》といった強力な効果を持つエンチャントメントを状況に応じてサーチするツールボックス的な要素もあり、環境の様々なデッキと互角に勝負ができるように調整されています。
☆注目ポイント
全てのクリーチャーを1/1バニラとする《謙虚》がメインから採用されており、フィニッシャーもこのカードの影響があまりない《正義の命令》が採用されています。このエンチャントを貼った後に《コジレックの帰還》で相手の戦場を一掃できます。Sneak and ShowやReanimatorといったコストを踏み倒す系のコンボに対しても有効なエンチャントで、《悟りの教示者》でサーチしてくることも可能なのでメインに1枚のみの採用です。
《トレストの使者、レオヴォルド》や《真の名の宿敵》といったクリーチャーが幅を利かせている現環境では全体除去は必須です。《至高の評決》は「奇跡」誘発時の《終末》と比べるとコストが重くなりますが、「奇跡」のための準備が必要なく、カウンターされないのでDelver系や4C Leovoldに対しては信頼性に勝るカードです。
Jeskaiカラーにする理由の一つとして《紅蓮破》(《赤霊破》)があります。《トレストの使者、レオヴォルド》や 《真の名の宿敵》、《精神を刻む者、ジェイス》といった決定的なスペルをわずか1マナでカウンターすることが可能で、4C LeovoldやMiraclesなど他の青いデッキに有効です。
9/17 Legacy Challenge
《師範の占い独楽》禁止後の環境でも健在のMiracles
2017年09月17日
- 1位 Miracles
- 2位 Esper Delver
- 3位 4C Leovold
- 4位 Dark Bant blade
- 5位 Sultai Shadow
- 6位 Eldrazi
- 7位 Maverick
- 8位 4C Leovold
トップ8のデッキリストはこちら
MOでのレガシーはリアルと比べるとLandsなど、青いフェアデッキに有利なデッキが少数なのもあり、4C LeovoldやGrixis Delverといった《死儀礼のシャーマン》デッキが多く勝ち残る傾向にあります。
《グルマグのアンコウ》など《稲妻》や《致命的な一押し》に耐性があるフィニッシャーの影響で《剣を鍬に》の価値も上がってきており、今大会のプレイオフ進出デッキの半数が白を使ったデッキでした。
9/17 Legacy Challenge
「Miracles」「Maverick」
Miracles
6 《島》 2 《平地》 3 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 -土地 (20)- 3 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー (3)- |
4 《剣を鍬に》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《先触れ》 1 《狼狽の嵐》 4 《予報》 3 《対抗呪文》 2 《予期せぬ不在》 1 《天使への願い》 4 《意志の力》 4 《終末》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (37)- |
4 《僧院の導師》 3 《狼狽の嵐》 3 《外科的摘出》 3 《神聖の力線》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 -サイドボード (15)- |
《師範の占い独楽》禁止後の環境でも《先触れ》など、ライブラリー操作系のキャントリップを駆使することでMiraclesは生き残りました。
流石に《師範の占い独楽》がリーガルだった頃と比べると安定性やデッキパワーは下がり、《相殺》を機能させることが不可能になりコンボとの相性が悪くなっています。
準備が難しくなったものの「奇跡」スペル、特に1マナのスイーパーの《終末》はGrixis Delverを始めとしたクリーチャーデッキが多い現環境では強力なことに変わりなく、クリーチャーデッキに強いデッキです。
☆注目ポイント
ライブラリー操作の《先触れ》は《師範の占い独楽》に代わる「奇跡」の準備用にMiraclesに採用されるようになりました。また、ライブラリー操作の増量により《予報》の価値も上がりました。《渦まく知識》で奇跡スペルと不要なカードをトップに戻すことで「奇跡」をインスタントスピードで誘発させつつカードアドバンテージも得られます。《先触れ》は相手を対象に取れるので相手のトップデッキをコントロールすることも可能です。
《予期せぬ不在》は、相手のフェッチランドの起動に対応してキャストすることでインスタントスピードの除去として機能する優秀なスペルですが、4枚採用された《予報》により更に強さが増しました。X=0でバウンスした後に相手を対象に《予報》をキャストすることで、バウンスしたパーマネントを墓地に落としつつドローを進めることができます。
メイン、サイドに合計4枚の《狼狽の嵐》とサイドの《エーテル宣誓会の法学者》、 《神聖の力線》、 《外科的摘出》など苦手なコンボ対策に力を入れています。構成に大きな変化が見られるMiraclesですがまだまだ大きな大会で結果を残せる強さです。
Maverick
1 《平地》 1 《森》 3 《Savannah》 1 《Bayou》 1 《Scrubland》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《新緑の地下墓地》 4 《不毛の大地》 1 《魂の洞窟》 1 《ドライアドの東屋》 1 《ガイアの揺籃の地》 1 《地平線の梢》 1 《カラカス》 -土地 (23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《ルーンの母》 1 《極楽鳥》 1 《貴族の教主》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《石鍛冶の神秘家》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 1 《スクリブのレインジャー》 3 《聖遺の騎士》 1 《トレストの使者、レオヴォルド》 1 《ラムナプの採掘者》 1 《改革派の結集者》 1 《不屈の追跡者》 -クリーチャー (27)- |
4 《剣を鍬に》 4 《緑の太陽の頂点》 1 《火と氷の剣》 1 《梅澤の十手》 -呪文 (10)- |
3 《思考囲い》 2 《聖域の僧院長》 2 《外科的摘出》 2 《盲信的迫害》 2 《窒息》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《再利用の賢者》 1 《突然の衰微》 1 《議会の採決》 -サイドボード (15)- |
久々に結果を残したMaverick。相手のクリーチャーを除去し、マナベースを攻撃しつつ緑の優秀なクリーチャーでプレッシャーをかけていくAbzanカラーのアグロコントロールです。《緑の太陽の頂点》で状況に応じたクリーチャーをサーチしていくツールボックス的な要素もあり、《スレイベンの守護者、サリア》などヘイトベアーも多数採用されています。青を使わないデッキですがコンボに対して相性の良いデッキです。
《剣を鍬に》と装備品パッケージによりクリーチャーデッキに対しても強く、全体除去である《終末》を採用したMiraclesが数を減らしたことにより、地位を向上させたデッキの一つでもあります。
このデッキが復権したもう一つの理由は、Grixis Delverなどのフィニッシャーである《グルマグのアンコウ》を処理できる《剣を鍬に》を使用できることにあります。マナクリーチャーにより《不毛の大地》にもある程度は耐性があります。
☆注目ポイント
Death and Taxesと似た要素がありますが、緑の優秀なクリーチャーである《死儀礼のシャーマン》、《聖遺の騎士》、 《クァーサルの群れ魔道士》などにアクセス可能です。マナ加速である《死儀礼のシャーマン》により《聖遺の騎士》などをいち早く展開していき、《不毛の大地》をサーチすることで相手のマナベースを破壊していきます。《ルーンの母》で単体除去から自分のクリーチャーを守ることも容易で、《世界のるつぼ》能力を内蔵した《ラムナプの採掘者》とのシナジーもあります。
現環境のトップメタの一角である4C Leovoldの主力、《トレストの使者、レオヴォルド》はこのデッキにも採用されています。緑のクリーチャーなので《緑の太陽の頂点》でサーチしてこれるのも魅力で、《死儀礼のシャーマン》の恩恵でそのままキャストするのも容易です。
《スクリブのレインジャー》は一見すると地味なクリーチャーですが、《ルーンの母》、《死儀礼のシャーマン》、《聖遺の騎士》などをアンタップすることにより、再度起動させることを可能にします。プロテクション(青)で飛行持ちなので《秘密を掘り下げる者》も止めることができます。
サイドの《窒息》はMiraclesや4Cなど、青いデッキが多いレガシーでは決定的なカードになります。《盲信的迫害》は《真の名の宿敵》や《若き紅蓮術士》、ElvesやDeath and Taxesなど小型クリーチャーを並べるデッキに有効です。Death and Taxesでも採用されている《聖域の僧院長》はクリーチャーが主力であるこのデッキにとって被害が少なく、コンボや今大会でも優勝するなど復権してきているMiraclesとのマッチアップで活躍します。
総括
リアルのイベントが減少したレガシーですがMOでは毎週末にLegacy Challengeをプレイすることができます。
来月にはEternal WeekendやSCGO Washington DCなど、イベントが充実しているのでレガシーファンの方はお見逃しなく。
以上USA Legacy Express vol.132でした。
それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
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